うさぎを飼ったら、掃除はどのくらいの頻度ですればいいのでしょうか?うさぎのケージはリビングに置くことも多いので、おしっこやうんちのにおいの問題など衛生面は何かと気になりますね。ケージをはじめ、トイレやごはん入れの掃除についても解説します。

うさぎのケージの掃除は毎日するべき?

うさぎがトイレ以外の場所でうんちやおしっこをしてしまったり、食べる際に少し落ちてしまった盲腸便が残っていたり、牧草が散らかっていたりと、うさぎのケージは何かと汚れてしまうことがあります。

汚れた箇所は毎日掃除をして清潔に保ちましょう。汚れを放置していると不衛生で悪臭の元になるだけでなく、後で落とすのが大変になります。特にうさぎのおしっこにはカルシウムが多く含まれているため、汚れたままにしていると尿石となって頑固に付着してしまいます。

さらにうさぎはおしっこのにおいがする場所をトイレにするので、においが残っていると何度も同じ場所でしてしまうことになりかねません。

清潔な環境をキープしないと病気になってしまう?

子うさぎ

うさぎの健康のためにも、清潔な環境を保つことは大切です。不衛生な環境にいることで病気を発症したり悪化させたりする可能性があります。

スナッフルに注意!

スナッフルは、細菌感染が原因でくしゃみや鼻水がでる呼吸器の病気で、慢性鼻炎、鼻声呼吸、閉塞性鼻呼吸ともいいます。軽い風邪のような症状のまま終わることもありますが、悪化すると気管支炎や肺炎になり、命に関わることも。うさぎが鼻水を出していたり、くしゃみをしていたら、動物病院へ連れていきましょう。

スナッフルの原因はパスツレラ菌などどこにでもいる細菌で、うさぎの免疫力が下がったときに発症します。放置されたおしっこから出るアンモニアが目を刺激することも原因とされるため、不衛生な環境も発症の要因となります。温度や湿度の急激な変化を避け、換気のいい場所でうさぎがストレスなく生活できるようにしてあげることも、スナッフルを予防する方法のひとつです。

眼病に注意!

うさぎの目にホコリなどの異物が入ることや、おしっこから発生するアンモニアが目を刺激することが原因となり、結膜炎や角膜炎を起こすことがあります。

また、トイレに敷いてある細かいトイレ砂が目に入ることで、目の病気を引き起こすことも。

うさぎの目の健康のためにも、日頃からトイレやケージを清潔にしておくことが大切です。

皮膚病に注意!

ソアホックは、うさぎの足裏の毛が薄くなり、皮膚がただれて潰瘍ができる病気。足裏がずっと濡れて汚れているような不衛生な環境もその要因とされています。室内でうさぎ専用のすのこがついたケージで飼っていればリスクは軽減されていますが、中には遺伝的にソアホックになりやすいうさぎもいます。うさぎの足裏が濡れて汚れないように、うさぎが過ごす場所の床は清潔にしましょう。

そのほか皮膚の湿った部分に細菌が感染して起こる「湿性皮膚炎」や、小さな傷から細菌が感染して膿が溜まる「膿瘍」などの皮膚病も、衛生的な環境で飼うことで予防できます。

お掃除の手順を解説します!

不衛生な環境はうさぎの健康にも悪影響で、掃除が大切なことがわかりますね。次は掃除のポイントと具体的な手順について見ていきましょう。

お掃除のポイント

それでは毎日掃除や除菌を徹底して、うさぎを病気から守りましょう……と言いたいところですが、そう簡単な話ではありません。うさぎはとても繊細でにおいにも敏感です。自分の縄張りにはおしっこをスプレーする以外にも、あごの臭腺から出る人間にはにおいがわからない分泌物でマーキングをしています。自分だけの空間があって、そこに自分のにおいがあることで安心できるのです。

ところが、掃除のために飼い主さんが頻繁にケージに手を入れて中のものを動かして、さらにうさぎのにおいを消してしまったら…。うさぎはケージを自分の家だと思っていたのに、それを全否定することになりかねません。完璧なお掃除と消臭によって、うさぎにストレスを与える可能性もあるのです。

うさぎのためのお掃除でうさぎの精神衛生に悪影響があっては本末転倒。汚れたところを日々ピンポイントできれいにして、清潔を保つ工夫が重要です。

トイレのお掃除

トイレ

トイレは1日に1度はきれいにします。まず汚れた砂やトイレシートを捨てましょう。そのあとのお掃除の方法は、拭き取りと水洗いの2つがあります。毎日の手間を最小限に抑えたい場合は、ふだんの掃除はティッシュやウエットティッシュで拭き取るだけにして、週に1回、水で丸洗いをします。汚れやにおいが気になる場合は、毎日水洗いをしても。水洗いをした後は、きれいに水気を拭き取ってから戻しましょう。

うさぎのトイレには尿石がつきやすくなっています。毎日水洗いをすれば付着しにくくはなりますが、それでもいつの間にか汚れがたまってしまうもの。尿石汚れは見た目に汚いだけでなくにおいの元にもなるので、定期的に定規やヘラで削ったり、専用の尿石除去スプレーを使ったりして取り除きましょう。

トイレをきれいにしたあとは、うさぎが「ん?自分のおしっこのにおいがしないぞ?」という表情をすることも。お迎えをしてすぐは、自分のおしっこのにおいがしないと、その場所をトイレとして覚えられないことがあります。最初のうちは、おしっこのにおいがついた砂を一部トイレにいれておくとよいでしょう。おしっこの場所が定着してきたら、おしっこのにおいを完全に消してしまっても大丈夫です。

すのこのお掃除

ケージのすのこは、毎日トイレ掃除のタイミングなどに汚れていないかチェックして、汚れた箇所を拭き掃除するか、取り外して水洗いをしましょう。水洗いをした後はよく乾かしてから戻します。すのこの下の受け皿は、新聞紙やペットシーツを敷いておくと汚れにくく、汚れたら交換するだけでいいので掃除の手間を減らすことができます。

食器(フード入れ)のお掃除

ペレットの食器は毎日スポンジでこすって水洗いをして清潔に保ちましょう。洗剤を使用する際には、洗剤のにおいがしないように水で十分に流すようにしましょう。牧草の容器には、食べ残した牧草を捨てても粉のようになった牧草がついています。毎日水洗いをするか、拭き取る、小さなほうきで払うなどして落としてください。

給水ボトルのお掃除

水を飲むうさぎ

給水ボトルは毎日水を交換するタイミングでボトルの中を洗浄しましょう。水筒や哺乳瓶を洗うためのブラシがあると便利です。給水ボトルの飲み口は分解して洗えるタイプと分解できないタイプがあります。それぞれの商品の特徴に合わせてお手入れしましょう。

人間の食器洗い用の洗剤は、洗浄力が強すぎるので使用しないでください。洗剤の洗い残しがあると、うさぎがお水を飲むときに口に入ってしまい非常に危険です。

うさぎが遊ぶおもちゃのお掃除

うさぎのおもちゃは木製か牧草やワラで編まれたものなので、水洗いは避けてください。汚れがついていたら湿らせた布などで拭き取り、天日干しをしましょう。あまりにも汚れがひどい場合には、買い替えることをおすすめします。

ケージを分解して大掃除

ケージを分解して行う大掃除は、数ヶ月~半年に1度くらいにしましょう。梅雨の前後は1ヶ月おきに掃除をして、冬はもっと間隔をあけるなど、季節によって頻度を変えてもいいでしょう。

こんなグッズがあると便利!

寝ているうさぎ

お掃除は毎日のことなので、飼い主さんも手間を減らして快適に行いたいですね。持っておくと便利なグッズについて見ていきましょう。

尿石除去スプレー

うさぎのトイレの尿石は、うさぎ専用の尿石除去スプレーを使うと落としやすくなります。クエン酸を用いて自分で溶液を作ることもできますが、長期保存ができないため、掃除の都度作る手間がかかります。専用スプレーがあれば、掃除をしたいときにすぐに使うことができて便利です。泡が密着して汚れを落としやすい仕様になっていて、消臭力があるのもうれしいポイント。

消臭ビニール袋

トイレ掃除で出たゴミにおいが気になることもありますね。赤ちゃんのおむつ用やペット用として販売されている消臭ビニール袋に入れると、においを抑えることができます。おむつ用のごみ箱も併用するとさらににおいが抑えられます。また、トイレに流せるトイレ砂もあります。においが特に気になる場合には、そういった製品を選ぶことでにおい対策をするのもおすすめです。

うさぎ用お掃除シート

トイレの拭き取り掃除をはじめ、粗相をしたときの掃除は、ティッシュやウエットティッシュでもできますが、やはりうさぎ専用のお掃除シートがあると、汚れが落ちやすく消臭効果もあるので便利です。尿石がつきにくくなるコーティング効果が期待できる商品もあります。

うさぎのケージを清潔にして、快適な生活を♪

うさぎのケージのお掃除は、繊細なうさぎのことも考えて、最小限の手間で清潔を保てるように、毎日汚れたところを重点的に行いましょう。汚れにくい工夫をしたり便利なグッズを使ったりして、うさぎも飼い主さんも快適な生活を送ってくださいね。

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ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。