うさぎの体はあまりにおわないといわれます。そんなうさぎに臭腺(しゅうせん)と呼ばれる場所があるのを知っていますか。オスにもメスにも存在する臭腺について、どこにあって何のためにあるのか、ケアは必要なのか知っておきましょう。

うさぎの臭腺ってなに?

臭腺は、そのどうぶつ独自のにおいを持った液を分泌する腺のことをいいます。スカンクは強烈なおならで知られていますが、これは身の危険を感じたときに肛門の臭腺から出している分泌液のにおいです。臭腺はどうぶつによってあったりなかったりで、臭腺がある場所もさまざま。臭腺から分泌液を出す目的は、縄張りを主張するマーキングや、異性へのアピール、敵に対する威嚇などです。うさぎにも臭腺があり、マーキングのために使っています。

うさぎの臭腺はどこにある?

ウサギの顎下をなでる画像

うさぎには3つの臭腺があります。ひとつは顎の下にある「下顎腺(かがくせん)」。そして肛門にある「肛門腺(こうもんせん)」と、肛門の脇に対になっている「鼠経腺(そけいせん)」です。普段うさぎとふれあっているときに見えやすいのは、顎の下の臭腺でしょう。

うさぎの臭腺はなんのためにある?

うさぎの臭腺は、その分泌液によってマーキングをして、自分の縄張りや仲間を確認するためにあります。うさぎをへやんぽさせていると、ソファや家具、クッションなどあらゆるものに顎をすりすりしている様子が見られます。うさぎが顎を何かに擦りつけるのは、臭腺から出る分泌液でマーキングをしているからです。うさぎの顎の下を見ると、下顎腺からの分泌液で濡れていることがあります。この分泌液の臭いは人にはわかりません。マーキングには男性ホルモン(テストステロン)が関わっていて、オスはメスよりもしょっちゅうマーキングを行い、その頻度は3倍多いともいわれています。

顎によるマーキングは、物や場所に対してだけではありません。性別に関わらず優位に立っているうさぎが別のうさぎに行うこともあります。メスは自分の子供にもマーキングをします。群れの仲間はそのにおいで子どもを仲間と認識するそうです。

肛門腺と鼠経腺のにおいは人にもわかるうさぎ独特のにおいで、近くで嗅ぐときついにおいに感じます。このにおいを排泄物につけることでマーキングをしています。

うさぎの臭腺から嫌な臭いがするor汚れていたら?

抱かれているウサギ画像

肛門の脇の鼠経腺は、分泌液が溜まりやすくなっています。分泌液が溜まると茶色や黒の汚れがこびりつき、時には大きな塊になりにおいも強くなります。気になるときは、うさぎをあおむけにして、溜まった汚れを取り除くケアをしましょう。濡れタオルやペット用のウエットティッシュで拭く、湿らせた綿棒を使うなどして、皮膚を傷つけないようにやさしく取り除きます。グルーミングスプレーを使うか、霧吹きで水をかけて汚れをふやかしてから取るのもいいでしょう。なかなか取れない場合は、無理をせず少しずつ落としていきましょう。動物病院やうさぎ専門店でケアをお願いすることもできます。自宅でのケアが難しいとき、すぐに汚れて気になるときは相談してみましょう。

普段からどんなケアをしてあげたらいい?

うさぎの臭腺は、普段からケアをする必要はありません。中には、全く臭腺が汚れていないうさぎもいます。

健康チェックの際に異常がないか見るだけで充分です。顎の臭腺はにおいも気にならないので、ケアをすることもないでしょう。お尻の臭腺に関しては、においや汚れが気になった場合に上記のようなケアをしてあげましょう。うさぎからにおいがすると飼い主は気になりますが、うさぎ自身にとっては自然なことです。お尻まわりはデリケートな部分でもあるので、あまり頻繁にチェックやケアをしないように気をつけながら、定期的にみてあげましょう。

監修獣医師

別府雅彦

別府雅彦

北海道大学獣医学部を2009年に卒業。学生時代は野生動物学教室でクマのフェロモンに関する研究を行う。卒業後は神奈川県の地域中核病院に勤務。脊椎外科や整形外科を中心に、ワンちゃんとネコちゃんの医療に従事。アメリカ獣医内科学会など、学会での発表も行う。信念はどうぶつと飼い主さんが主人公の物語をお手伝いすること。2020年アニコムホールディングス株式会社に入社。信念を日本に、世界に広げるべく活動中。