猫の気持ちは耳やしっぽ、目、しぐさなどから読み取ることができるということを知っていすか?
猫はよく「気まぐれ」や「気分屋」などと言われますし、実際猫と暮らしている人もそう感じることがあるかもしれませんが、まずは猫の耳に注目して見てみましょう。

猫の耳の特徴

猫の耳は、「音を聞く」という以外にも大切な役割を持っています。
それは「体温調節」や「平衡感覚」、「感情表現」です。

猫や犬、うさぎなどの耳が赤くなっていたり、熱を持っていることに気づいたことがある人も多いのではないでしょうか?
外気に触れる耳には多くの毛細血管が集まっていて、毛細血管を収縮・拡張させることで体温を調節しているのです。

これは多くの哺乳類で見られ、寒い地域の動物は耳が小さく、暑い地域の動物は耳が大きいという特徴があるのも体温を逃さないように、もしくは体温を効率よく下げるためです。

また、猫のバランス感覚にも耳が大きく関係しています。
耳には「前庭神経」から繋がる三半規管と呼ばれる平衡感覚器があり、猫はこれがとても発達しているので、平気で高い場所を歩くことができるのです。高い所から飛び降りたとき上手に着地することができるのも、この器官のおかげなのです。。

筋肉が発達しているから自在に動かせる

猫の耳は人間とは違い筋肉が発達しているので、12以上ある筋肉を使い細かく左右別々に動かすことができます。そのため、詳細に音の出どころを探すことができ、獲物を狙うときや危険を回避するときに役立ちます。

また、感情に伴って耳をピンッと立てたり、水平に伏せたり、後ろにキュッと引き絞るといった動きもすることができ、相手に気持ちを伝えるサインにもなっています。

猫は聴力が優れている

猫の聴力は五感の中で最も優れていて、人間の可聴域が20Hz〜20kHz(ヘルツ)に対して、およそ60Hz〜65kHzまで聞こえます。
そのため、ネズミなどの超音波の鳴き声や足音などを聞き取ることができるのです。

猫は耳の形で感情表現する?

猫の感情はまず、目、耳、ひげといった表情、次いで、鳴き声、姿勢、しっぽなどに表れてきます。猫の気持ちをより正確に読み取るには、全身に現れるサインだけでなく、猫の性格や状況なども含めて総合的に判断する必要があります。
今回は、耳にポイントを当てて紹介します。

前に向いていて自然体

猫の種類によって耳の形は異なりますが、耳が前を向いていて力が入っていないときはリラックスした状態です。

まっすぐピンと立てている

何か気になるものがあったときには、耳をピンと立てて情報収集を行います。

「イカ耳」のときは怒っている?

耳を水平に伏せていたり、少し後ろに引いた状態がイカのヒレの形に似ていることから「イカ耳」とも呼ばれています。
この状態は、不安を感じているときや、イライラしているとき、威嚇するときに見られます。

後ろにキュッと引き絞る

耳をこれでもかというほど後ろに引き、頭にペタンと付けているようなときは、恐怖を感じているときです。

気を付けたい耳の病気

耳を診てもらっている猫

気を付けたい猫の耳の病気は「外耳炎」です。
正常であれば、耳の汚れは自然に外へ出ていきますが、何らかの影響で耳に汚れが溜まると炎症が起きます。炎症によって、かゆみ、痛み、赤み、耳垢、悪臭がする場合があります。
かゆくて後ろ足で掻いてしまっていると、傷ができたりして悪化することもあるので、早めに病院へ連れて行きましょう。

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猫の外耳炎の治療法や予防法について

耳のお手入れも大事

耳をガーゼで拭いてもらっている猫

お手入れは、耳垢などの汚れが見られたら行うようにしましょう。コットンやガーゼ、市販されている耳掃除シートなどを使用して優しく拭き取ってあげてください。異常がないかどうかのチェックは毎日しましょう。

汚れがひどかったり、奥まで続いている場合は炎症が起きている可能性もあるので、無理にお手入れしないで、病院でケアしてもらいましょう。

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まとめ

猫の耳は音の情報を集めるだけでなく、私たちに気持ちや体調を伝えてくれる大切な部位です。イカ耳や後ろにキュッと引き絞っているときには、無理にかまわず、原因を探して取り除いてあげてください。
そして病気にならないように、日々チェックをして適切なケアをしてあげましょう。

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ライター

猫百科編集部

猫百科編集部

獣医師を含む猫の飼い主歴10年以上の編集者が集い、毎日、猫の「あるある話」に花を咲かせ、情報交換している。編集部員の面々は、猫との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。