猫と一緒に遊ぼうとして猫じゃらしを動かしてみても、見ているだけで全然じゃれてこない……。そんなちょっぴり寂しい経験が誰しも一度はあるはず。
「猫は気まぐれ」などと言われますが、やはり一緒に楽しく遊びたいもの。 今回は猫との上手な遊び方について紹介します。

猫が夢中になる「遊び方」とは?

ただおもちゃを与えたり、猫じゃらしを動かしてみたりするだけでは猫は興味をそそられません。

ポイントを抑えて遊び方を工夫してみましょう。

遊ぶタイミングを計る

遊ぶタイミングはとっても大事です。食事前後や排泄時は遊ぶタイミングではありませんし、寝ているときも猫を起こして遊びに誘うのはNG。

猫が部屋の中やキャットタワーを動き回っているときや、猫からちょっかいを出してきたときが遊びのタイミングです。

狩猟本能をくすぐる

猫にとって遊びとは狩りの模倣行動です。
猫がおもちゃや猫じゃらしをじっと見ていてなかなか飛びついてこないのも、狩りのマネごとをしているから!
物陰や遠くから獲物の動きをよく見て、タイミングを見計らって飛びかかるのが猫の習性なので、一緒に遊ぶときには、おもちゃを獲物の動きに似せて動かしてあげると狩猟本能をくすぐることができます。

お気に入りのおもちゃで遊ぶ

猫ごとに性格が違うように、好きなものや嫌いなものも猫ごとに変わってきます。
愛猫がどんなおもちゃが好きなのか見極めるためにも、ひとつのおもちゃだけでなく、さまざまなタイプのおもちゃを用意してあげるのがよいでしょう。

いろいろなタイプがある猫のおもちゃ

猫と遊ぶおもちゃといえば「猫じゃらし」ですが、それ以外にもさまざまな種類のおもちゃがあります。

・猫のおもちゃの王道「猫じゃらし」
道端に生えている植物の「ねこじゃらし」によく似たおもちゃで、プラスチック製の細い棒の先端に、細長いふわふわが取り付けられているタイプ。
このタイプをベースにふわふわの中に鈴が入っていたり、先に羽がついていたりするものもあります。

ちなみに、植物の正式名称は「エノコログサ(狗尾草)」といいます。

・リボンタイプ
リボンタイプは、持ち手の棒の先にリボンや紐などがついていて、その先にルアーとなる羽やネズミなどのおもちゃがついています。

長さがあるので、椅子に座ったままや立った状態でじゃらしたいときや、子どもなどと距離をとって遊ばせたいときにぴったりです。

・ポインタータイプ
壁や床にライトの光を当てて、その光を追いかけさせるタイプのおもちゃです。
先に紹介した2つのおもちゃと違い、捕まえることができないというのが大きな特徴です。
鏡に反射した光や虫を追いかけることが好きな猫におすすめです。

・ネズミなどのおもちゃ
猫はとにかく動くものが大好きです。ネズミのおもちゃをはじめ、ボールなどは飼い主さんに投げてもらうだけでなく、前足を器用に使って動いたおもちゃを捕まえるといったひとり遊び用としても優秀です。

【関連リンク】
みんなの健康専門店|ネコちゃんのおもちゃ特集
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頭を使う遊びもおすすめ!

いつもの遊びに飽きてしまったという子には、頭を使う遊びはいかがでしょうか?
頭を使う遊びにはいろいろなタイプがあり、猫用の知育トイや家にあるものを使って自作のおもちゃを工夫したり、クリッカートレーニングなどにチャレンジするなど楽しさが広がります。

知育トイで遊ぶ

最近では猫用の知育トイの種類も増えてきました。
ボールの中におやつを入れて、転がすと穴からおやつが出てくるおもちゃや、ピースを動かして隠されたおやつを探すものなど、手先の器用な猫にピッタリの知育トイです。

家にあるもので宝探し

家にある空き箱やトイレットペーパーの芯に、おやつを隠して探させる宝さがしゲームは、簡単ですぐに始めることができます。
工夫次第で難易度が変えられるので、猫ちゃんに合わせることが可能ですし、ゲームを考える飼い主さんも楽しめる遊びです。

クリッカートレーニング

犬のしつけでも使われる「クリッカー」は猫にも使うことができます。
クリッカーはボタンを押すと“カチッ”という音が鳴る道具ですが、その音とおやつを関連して覚えさせることで、しつけや芸を教えやすくなります。

音=良いこと、というルールを教えるのに少し時間がかかりますが、そのルールがわかれば、犬と同じようにお手やおかわり、鼻タッチなどさまざまな芸を教えることができます。
飼い主さんとのコミュニケーションも取りやすいので、楽しく賢く遊ぶことができるグッズです。

遊びのときに気を付けたいこと

おもちゃを使った遊びは、猫の運動やストレス解消、ご家族とのコミュニケーションのためにも大事ですが、気をつけなければいけないこともあります。

おもちゃの誤飲

猫はおもちゃにじゃれて遊ぶというイメージが強いですが、前述したように遊び=狩りです。本来、捕らえた獲物は口にえて安全な場所まで運んでから食べます。

おもちゃも同じように、捕まえたら咥えて自分の寝床などに持って帰ることがあるのですが、このときにおもちゃを取り上げようと追いかけたり、無理やり取り上げようとすると猫が焦って飲み込んでしまうことがあります。

猫が飲み込める大きさのおもちゃや、壊れやすいおもちゃは使わないようにし、壊れたらすぐに処分するようにしましょう。紐や毛糸などは、長いので大丈夫!と思われがちですが、そのまま飲み込むケースもありますから注意しましょう。

スペースの確保

遊ぶときには周りに物が置かれていないかよく確認してから、猫と遊ぶようにしましょう。
元気いっぱいの猫は、激しく動き回ったり高く飛び上がったりとアクロバティックな動きをします。

着地地点にペン立てがあったり、新聞や雑誌などがあると、体を傷付けてしまったり滑って上手に着地ができなかったりします。
安全確保のためには、床やソファーだけでなく、猫が上りそうなテーブルや棚などに危ないものがないか確認するようにしましょう。

年齢に応じた遊び方を

遊び方は猫の年齢によっても異なります。
子猫の場合には、成長の途中で身体がまだしっかりしていないので激しい遊びはしないようにしましょう。この時期は見るものすべてが新鮮で興味津々です。おもちゃで遊ぶこともいいですが、家の中を探検するだけでもいい刺激になります。

高齢猫の場合も激しい遊びはNG。筋肉量が減り運動能力が衰え、関節なども痛めやすくなります。若い頃はジャンプをする、高いところから飛び降りるというようなことが簡単にできていたかもしれませんが、無理は禁物です。
円状のレールの上を転がるボールのおもちゃや、起き上がりこぶしに猫じゃらしがついたおもちゃなど、少ない動きでも楽しめるおもちゃがたくさんあります。

猫の年齢や体調などを見ながら、遊び方も適切なものに変えていきましょう。

まとめ

猫との上手な遊び方は、おもちゃを獲物に見立てて動きを不規則にしたり、物陰に隠れるように動かしたりすることです。そして、猫がおもちゃに飛びついてくるまでに時間がかかっても、根気強く付き合ってあげるのがポイントです!

猫が楽しいと思う遊び方やおもちゃは、それぞれ違います。愛猫の性格や年齢、体調などを考えて、遊び方を工夫してあげましょう。

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監修獣医師

長根あかり

長根あかり

大学で動物行動学やアニマルセラピーを学ぶ。保護犬を家族に迎えたこと、野良猫の保護をした経験から、「保護犬・猫について」や「正しい飼い方」の情報発信の必要性を感じ、大学卒業後はペットメディアで勤務。その後はフリーライターとして執筆活動しながら保護シェルターで働き現状を知る。現在は、動物ライターとしての執筆活動のほか、ドッグトレーナーとして飼い主さんとワンちゃんの暮らしが良くなるように、アドバイスやトレーニングを行っている。