キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの魅力は、大きくて丸い目、ふわふわなたれ耳などの愛らしい見た目と人懐っこい性格。人見知りも少なく飼いやすい犬種として知られ、日本でも人気です。今回はそんなキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格や歴史、飼い方について紹介します。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルってどんな犬種?

一般的に「キャバリア」や「キャバ」と呼ばれる小型犬です。

よく似た犬種に「キング・チャールズ・スパニエル」があります。こちらはキャバリアの先祖にあたり、全体の雰囲気や耳、被毛の特徴がよく似ています。キャバリアより少し小さいこと、マズルが短いことで見分けられます。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴

歴史

その名の通り、イギリス生まれの犬種です。

イギリス国王チャールズ1世・2世は、先祖となるキング・チャールズ・スパニエルをとても可愛がっていたとされています。

当時のキング・チャールズ・スパニエルは今よりもマズルが長かったのですが、交配により短くなり、今のキング・チャールズ・スパニエルになりました。それが再度、長い見た目に戻されたのが、今のキャバリアです。

現在は、キング・チャールズ・スパニエルよりもキャバリアの方が圧倒的に多く、キング・チャールズ・スパニエルはなかなか出会えない珍しい犬種となっています。

名前の「チャールズ」はイギリス国王のチャールズ1世・2世に由来し、「キャバリア」は「騎士」という意味合いがあります。ここから、マズルが短くなる前の姿に戻り、「騎士が活躍していた中世時代の姿を取り戻した」と解釈することもできます。

サイズ

小型犬に分類されます。体高は30~34cm、体重は5~8kgほどが標準的ですが、成犬になったときのサイズにばらつきがあるのが特徴です。骨格の太さなどによっても体重が変わってきます。体型はやや胴長なので、一般的な小型犬用の服を着せると、丈が少し短い印象になるかもしれません。

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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのサイズ

性格は?

イギリス王室でも寵愛されていた「キング・チャールズ・スパニエル」は、賢く穏やかで愛情深く、誰に対しても社交的なコミュニケーションを取ることができる犬種です。キャバリアはここに、アクティブさとやんちゃさが少し加わり、まさに「愛玩犬の象徴」のような性格です。人と遊ぶのが好きなので、散歩や室内でのおもちゃ遊びなどで一緒に遊んであげましょう。

被毛・毛色について

緩やかにウェーブがかった耳の毛や、長すぎないのにふわふわと風になびく被毛の雰囲気は、気品を漂わせています。毛の一本一本にはツヤがあり、シルクのように滑らかです。

耳や足の飾り毛は、成犬になってしばらく経ってから現れます。

被毛は、アンダーコートとオーバーコートのダブルコートを持つため、換毛期には抜け毛が増えます。トリミングは必要ありませんが日々のブラッシングが欠かせません。

カラーは4種類あります。もっともメジャーなのはブレンハイムで、白地に茶色い模様の組み合わせです。そのほか、黒と赤褐色のブラック・タン、全身赤褐色のルビー、赤褐色と黒と白の3色が混ざったトライカラーがあります。

寿命はどれくらい?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの寿命

アニコムの「家庭どうぶつ白書2023」によると、キャバリアの平均寿命は12.3歳です。

しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使い、少しでも長く一緒にいられるといいですよね。

気を付けたい病気

特に多いのが「心臓病」です。中でも「僧帽弁閉鎖不全症」にかかりやすいです。一般的には高齢の犬に発症しやすい病気で、心臓の弁が正常に機能しなくなることで、さまざまな症状を発症します。

キャバリアの場合は4〜5歳と若くして発症することが少なくないため、定期検診がとても大切です。遺伝に起因する部分が大きいとされる病気ですが、生まれながらにしてこの病気を患っていることはほとんどありません。定期検診のほかに、食事管理や適度な運動をさせるなどの生活習慣が予防になる場合もあります。

そのほか、乾性角結膜炎・KCS・ドライアイなどの目の病気にも気を付けましょう。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの気を付けたい病気

家族の一員として迎える方法

ペットショップでキャバリアを探す

人気の高いキャバリアはペットショップで迎えることもできますが、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。

ブリーダーさんから紹介してもらう

ブリーダーさんは親犬を飼育し繁殖をしているため、親犬の性格や気質をよく理解しています。親犬に会えるようなら、実際に大きさや性格に注目してみると良いでしょう。もちろん最後は子犬を直接見て、相性の良い子を迎えたいですね。

繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。

里親になる

最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。子犬とは限りませんが、こうした譲渡会や里親募集でキャバリアと出会える機会もあるかもしれません。

お迎えの費用は?

キャバリアの子犬を迎えるにあたってかかる費用は、ペットショップの場合は平均30万~50万円程度、ブリーダーの場合は、20万円~40万円程度です。ショップやブリーダーによっても価格に差があります。

まとめ

イギリス王室で可愛がられていただけあって、愛玩犬として一緒に暮らしやすい性格のキャバリア。サイズも小さすぎず、大きすぎないため、日本の住宅事情でも飼いやすいです。この機会に正しい情報を身に付けて、キャバリアと楽しい日々を送りましょう。

監修獣医師

犬百科編集部

犬百科編集部

獣医師を含む犬の飼い主歴10年以上の編集者が集い、犬の凄さや可愛らしさについて情報交換している。編集部員の面々は、犬との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。