これまで「治らない」と言われていた病気に、慢性腸症、乾性角結膜炎、IMHAがあります。これらの病気を「治す」ための選択肢として、近年、動物の幹細胞を用いた「再生医療(細胞治療)」が注目されています。
本記事では、慢性腸症、乾性角結膜炎、IMHAに対して再生医療(細胞治療)を実施した結果、改善した症例をご紹介します。
※治療の効果については、その子の状態、対象の病気、投与方法などによって大きく異なります。
【関連記事】
慢性腸症(12歳・ビーグルの場合)
慢性腸症とは、腸に原因不明の炎症がおこり、食欲不振、嘔吐、下痢といった症状が長く続く病気です。
慢性腸症で、すっかり痩せてしまった12歳のビーグルの子です。ごはんを食べても十分に栄養を吸収することができず、肋骨が浮き出ており、ウエストもほとんど肉が無い状態です。
■Before 再生医療(細胞治療)実施前
一般的な治療では効果がみられず、以前は10kg以上あった体重が5.8kgまで落ちてしまいました。

■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療(細胞治療)実施から2年後の様子です。

腸から栄養を吸収できるようになり、5.8kgしかなかった体重も、11.0kgまで増やすことができました。
乾性角結膜炎(6歳・キャバリアの場合)
乾性角結膜炎とは、いわゆるドライアイで、涙が少なく目の表面に炎症を起こしてしまう病気です。
この6歳のキャバリアの子も、一般的な治療では改善することができず、目が赤くなり、濁ってきてしまいました。
■Before 再生医療(細胞治療)実施前

■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療(細胞治療)実施から、わずか3週間後の様子です。涙の量が改善し、目の赤みや濁りがかなり改善したことが分かります。

IMHA(免疫介在性溶血性貧血)(8歳・トイマンチェスターテリアの場合)
IMHA(免疫介在性溶血性貧血)は、何かしらのきっかけによって体の免疫機能に異常がおこり、赤血球を破壊してしまい、貧血の症状が現れる病気です。酸素を運ぶ役割の赤血球が破壊されてしまうため、呼吸が苦しくなったり、食欲がなくなったりします。
この病気になってしまった8歳のトイマンチェスターテリアは、再生医療(細胞治療)実施前はぐったりとした様子であまり動けませんでした。 しかし、再生医療(細胞治療)実施19日目には、こんなに元気に動き回ることができるようになりました。
■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療を受けられる病院はこちら
再生医療は、全国どこの動物病院でもできるという訳ではありませんが、以下の病院で受けていただくことができます。
■アニコムどうぶつ病院グループ病院(一部)
アニコム先進医療研究所株式会社が運営する動物病院の一部では、再生医療の適切な普及・拡大を目的とする「動物再生医療技術研究組合」に加入しているため、再生医療を受けることが可能です。
►アニコムどうぶつ病院グループ一覧はこちら
※アニコム先進医療研究所株式会社のHPに移動します。注射器のマークがある動物病院で再生医療が受けられます。
■動物再生医療技術研究組合の加入病院
「動物再生医療技術研究組合」に加入している他の動物病院でも再生医療を受けることが可能です。
►動物再生医療技術研究組合参加病院一覧はこちら
※アニコム損保が加入している再生医療の研究を行う組合(動物再生医療技術研究組合)のHPに移動します。
なおアニコム損保では、飼い主さまに代わり、かかりつけの動物病院へご連絡することも行っています。ご希望の場合は以下のアニコム損保あんしんサービスセンターへご連絡ください。
► 0800-888-8256
受付時間: 平日 9:30~17:30 / 土日・祝日 9:30 ~15:30
※サービス向上のため、通話内容を録音させていただきます。
【WEBでお問い合わせ】
►お問い合わせはこちら※1,2
【再生医療対応の病院をさがす】
►全国の実施可能病院一覧※1
※1 動物再生医療技術研究組合のHPに移動します。
※2 お問い合わせへの回答は動物再生医療技術研究組合から行います。
「動物再生医療技術研究組合」で行われる再生医療を受けた方に対して協力金のお支払い
アニコム損保では、2021年7月より、「動物再生医療技術研究組合」において対象となる臨床研究を受けた方に、『再生医療協力金』をお支払いしています。臨床研究をさらに進めることで、病気で苦しむ犬や猫を少しでも減らしたいという思いで取り組みをすすめています。ご興味のある方は、ぜひ下記をご確認ください。
協力金の概要や申請方法についてはこちらから▼