ひとり暮らしや共働きなど、日中お家を留守にしがちなご家庭にとって、犬をお迎えすることは難しいと考えている方も多いのではないでしょうか。もちろん犬をお迎えするためには強い心構えが必要です。
しかしお留守番の心配はというと、最近では愛犬のお留守番をサポートしてくれる商品やサービスが充実してきたため、そういったサービスを活用することにより上手に犬と暮らすことができるようになるかもしれません。 本記事では、犬を迎えるための準備や、お留守番のためにできることをご紹介します。

犬を迎えるために必要な心構えと準備

柴犬

犬は元々、群れで生活するどうぶつなので、家族(飼い主さん)とのつながり、ふれあいをとても大切にします。一緒にいる時間の中でその欲求に目いっぱい応えてあげられるのであれば、ひとり暮らしでも共働き家庭でも、愛犬との生活はきっと幸せが溢れたものになるでしょう。

犬優先の生活にできますか?

愛犬と長い時間一緒に過ごすことも大切ですが、最も大切なことは「愛犬と一緒にいる時に、愛犬にどれだけ愛情を注げるか」だと思います。
朝どんなに眠くても、夜どんなに仕事で疲れていても、愛犬のお世話を疎かにすることはできません。ごはんをあげなくてはいけないし、お散歩にも連れて行かなくてはいけない、トイレ掃除も必要です。時には、ブラッシングや汚れていればお風呂に入れる必要があるかもしれません。もちろん一緒に遊んであげることは言わずもがなです。

日中一緒に過ごせなかった分、一緒に過ごせる時間は愛犬のために存分に使ってあげられる心構えと覚悟をしっかり持った上で、犬をお迎えしてください。

何かあった時に頼れる環境を準備しておく

人間と同じように、犬も突然、ケガをしたり、おなかを壊したり、具合が悪くなってしまうことがあります。その時に具合が悪い愛犬に長時間のお留守番をさせることはできません。反対に飼い主さんが体調を崩してしまって、あるいは急用で、愛犬のお世話が突然できなくなってしまう可能性もあります。

そのため、そういった時に愛犬のお世話をすぐにお願いできる場所を確保しておく必要があります。ご実家のご家族やご友人、動物病院やペットシッターなど、予め頼れる先をいくつか用意しておくことがとても大切です。

環境にあった子をお迎えする

4頭の犬

犬種や年齢によって必要な運動量やお手入れ、しつけの方法、性格などが異なるので、ご自身の生活スタイルにあった犬種をお迎えすることもポイントの一つです。

犬種による特性を理解する

例えば大型犬と小型犬では必要な運動量やしつけの方法も異なりますし、同じ小型犬のトイ・プードルとチワワでも必要なお手入れも異なれば、性格も異なります。犬種によっては吠えやすい犬種や運動量が必要な犬種もいるので、しっかりとその特性を理解して、ご自身の生活環境にあった犬種を選びましょう。

パピーよりも少し大きい子の方があっているかも

一般的に犬をお迎えする場合、生後2ヶ月前後の子犬が多いですが、その時期はまだ食事もトイレも回数が多く、しつけもこれから、体調も崩しやすい時期になります。
そのためお迎え後すぐに長時間のお留守番が必要になる場合は、生後半年以上の子をお迎えする方が良いかもしれません。ペットショップさんやブリーダーさん、里親団体さんによっては、生後半年ほどの月齢の子であればしつけまで行ってくれている場合もあり、お迎え後の生活の不安が少なくすむかもしれません。

お留守番の環境を整える

コッカ―の子犬

一日の長い時間をお留守番してもらうのであれば、その時間をいかに快適に安心して過ごしてもらうかがとても重要です。

お留守番できる場所

お留守番時に愛犬が家の中を自由に動き回れるフリーの状態にするのは、誤飲やイタズラなどの可能性があり、とても危険なのでクレートの中で過ごすようにしてください。愛犬の体のサイズにあった十分な広さのクレートの中にトイレとベッドとお気に入りのおもちゃを用意してあげましょう。おもちゃも誤飲しないようなものを選びましょう。
またお留守番する部屋の温度や湿度も注意が必要です。暑すぎたり、寒すぎたりしないよう、エアコンなどを活用して、一日中快適な温度・湿度を保てるようにします。
あとは十分な欲求(運動量や食欲、愛情)が満たされていれば、お留守番中、愛犬は気持ちよく大半の時間を寝て過ごしてくれるでしょう。

見守りカメラ

お留守番中、「愛犬が良い子に元気に過ごしているかしら?」と心配になることも多いですよね。そんな時、見守りカメラがあれば安心です。飼い主さんのスマートフォンと見守りカメラを連携しておけば、いつでもどこでも愛犬の様子を確認でき、最近ではカメラごしに愛犬に声をかけたり、ごはんをあげたり、遊んであげられる高機能の見守りカメラも販売されています。

犬の保育園

最近、増えてきている「犬の保育園(幼稚園)」はご存じでしょうか。しつけ教室の一つで、人間の子どもの保育園と同じように、朝、愛犬を保育園に預け、日中、愛犬は先生(ドッグトレーナー)やお友達(犬仲間)と過ごし、夕方にお迎えに行くものです。保育園によっては、園からご自宅まで送迎サービスがあるところもあります。

日中は先生がしつけを行ってくれるため、不安の一つでもある「お留守番ばかりで、ちゃんとしつけができるかしら…」という点も解消できます。
愛犬が日中も楽しく過ごしてくれていると思うと安心できますね。保育園は毎日通わなくても、週に〇回、月に〇回など、たまの息抜きとして活用することもできますよ。

ペットシッター

「ペットシッター」とは人間の「ベビーシッター」と同じように、飼い主さんが愛犬のお世話をできない間、飼い主さんの代わりにお家で愛犬のお世話をしてくれるサービスです。あまりお家以外の環境が好きでない子や、ほかの犬が苦手な子などはペットホテルや保育園よりもおすすめです。愛犬が慣れている馴染みのペットシッターさんをつくっておくと、より安心ですね。

まとめ

飼主と犬

ひとり暮らしや共働きのご家庭にとって、犬を迎えることには、大きなハードルがありました。しかしお留守番をサポートしてくれるグッズやサービスを上手く利用することで、愛犬の寂しさを軽減させ、安心してお留守番してもらうことができるようになってきました。
しかしやっぱりお留守番はお留守番。お家に帰り、愛犬と一緒に過ごす時間は、少し大げさかもと思うくらい、たくさん声をかけ、たくさんスキンシップをとって愛犬に愛情を注いであげてください。そのことが愛犬にとってお留守番の寂しさを吹き飛ばしてくれる一番のご褒美になるのです。

【関連記事】

監修獣医師

犬百科編集部

犬百科編集部

獣医師を含む犬の飼い主歴10年以上の編集者が集い、犬の凄さや可愛らしさについて情報交換している。編集部員の面々は、犬との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。