夏の代表的な食材、しじみ。オルニチン、コハク酸、アラニンの宝庫であるしじみのエキスは、夏の暑さで疲れた肝臓や腎臓を優しく労わってくれることでしょう。肝細胞の修復に必要なビタミンB12もたっぷりです。
タンパク質を補強するために鶏のささみも加えて、お粥を作ってみてはいかがでしょうか?

しじみのエキスをしっかり摂る

オルニチンには、体内に発生したアンモニアを尿素にして体外に排出する働きがあります。肝臓はいつも体内の解毒のために働き続けていますが、アンモニアの代謝が促進されると肝臓の機能が正常にキープされるため、疲労回復にとても効果があり、肝臓が弱っているシニア犬にも効果が期待できます。また、成長ホルモンの分泌も助けるので、全身の代謝が活性化し、睡眠の質もよくなります。 アラニンは、筋肉の減少や身体の疲労を防ぐものですから、しじみのパワーはすごいのです。そんなしじみのエキスをしっかり取りましょう。

【材料】
しじみ  130g
鶏ささみ 70g
白飯   60g
水    300ml
(215kcal)

【作り方】
1.しじみをよく洗い、砂出しをし、冷蔵庫に入れて数時間寝かせる。
2.寝かせたしじみと水を鍋に入れ中火にかける。沸騰したら弱火にし、泡が立ち、またしじみの口が十分に開き、お湯が青色に変わってくるまでよく煮る。しじみは生では食べられないため、長めに煮てください。(沸騰後5分程度。アクが出てきたら、しっかり取り除きましょう)

3.茹で終わったら、しじみを取り出して粗熱を取り、身をはずして細かく切って鍋に戻す。しじみのゆで汁を少し煮詰め、鶏ささみを茹で、火が入ったら取り出して細かく手で割く。
4.しじみスープを半量くらい取り除き、白飯を入れて弱火で煮る。水分がなくなってきたら火を止める。

5.鶏ささみとしじみの身を加えてひと混ぜしたら、完成。

小松菜などの野菜をみじん切りにして加えればさらにバランスがよくなります。

【ポイント】
白飯にしじみスープがしっかり染み込むようにすれば、消化しやすくなります。
また、取り除いたしじみスープは冷蔵庫で冷やしておいて、お散歩の後に飲ませたり、別のごはんに使うのもおすすめです!

犬に食べさせてあげる時には温度に気をつけて

犬に与える時に気をつけたいのは、温度と水分量です。
フレッシュな食材を使っているため、意外と水分が含まれています。お粥といっても水分がヒタヒタである必要はなく、食べやすく完食できる水分量にしてくださいね。
また、人肌以下の温度に下げることもお忘れなく。
暑い夏には、少し冷えたくらいでも美味しく食べられるごはんです。

実際にあげてみました!

きょうすけくん MIX 7歳

温かいので、しじみのいい香りがよく立ちます。食欲がそそられるのか、マテの間も目がキラキラして真剣そのもの(興奮しすぎて耳が寝てました)。スープをおいしそうに飲んで、お米も一粒残らずきれいに完食しました。

福くん トイ・プードル 8歳

普段は、きちんとマテをしてから食べ始めるのですが・・。ごはんの匂いに興奮して「マテ」を振り切って食べ始め、あっという間に完食しました。

初めてあげる食材は、愛犬の様子をよく見ながら

栄養も摂れて愛犬の喜ぶ顔も見られる手作りおかずですが、いつもと違うごはんの場合、胃腸が刺激され、消化器になんらかの症状が出ることがあります。初めてあげる食材は、愛犬の様子をよく見ながら、少しずつ試すようにしてください。

※手作り食はお早めにお召し上がりください。
※ワンちゃんに持病がある場合は、かかりつけの先生にご相談ください。
※本記事は2.5kg程度のワンちゃんに与える一日分想定の材料の分量を記載しています。体重ごとの一日あたりの摂取カロリーは以下を参考にしてください。

体重別 犬の摂取カロリー(一日分)の目安

3kg 256kcal 4kg 317kcal 5kg 374kcal 6kg 429kcal
7kg 482kcal 8kg 533kcal 9kg 582kcal 10kg 630kcal
11kg 677kcal 12kg 722kcal 13kg 766kcal 14kg 811kcal

手作りをお休みしたい日は…アニコムグループの「7Days Food」

栄養たっぷりで美味しいごはんをつくって、愛犬に毎日の食事を楽しんでもらいたい――そう願う飼い主さんは多いことでしょう。一方で、手作りごはんを毎食用意するのは大変…と感じる方も少なくありません。
そこで、おすすめしたいのが時短で日替わりメニューを楽しめる「7Days Food」。ペット保険のアニコムグループが開発したワンちゃん用フードで、1つの味に12品目以上の食材を使用。調理の手間なく手軽に与えることができます。
ドライフードにトッピングして与えることもできるため、これまでドライフードしか食べてこなかったワンちゃんが、フレッシュフードへ移行する際のステップアップにもおすすめです。

冷凍とフリーズドライタイプの2種類があり、用途やライフスタイルに合わせて選べるのも魅力。フリーズドライタイプは常温で保管でき、個包装で持ち運びにも便利なため、災害時の備えとしても注目されています!

※アニコムグループの(株)シムネットのECサイト「みんなの健康専門店」へ移動します。

ライター

南村友紀

南村友紀

多摩美術大学卒業。ペット栄養管理士、日本ペット栄養学会会員。学校法人ヤマザキ学園犬学講師。 2001年 犬の手作り食の店 Kitchen Dog!を自由が丘にオープン。犬の手作り食の製造・卸・販売とともに、手作り食に関するプロデュース、コンサルティング、出版等で幅広く活動。Kitchen Dog!クッキングクラス主宰。犬のためのスローフード協会主宰。犬のごはんの作り方クラスを開校するほか、動物病院、動物関連施設への出張講義にて、犬の食について正しい知識を共有し、加工の少ない食事の大切さを広める活動を実施している。