これまで治すのが困難とされてきた病気に「慢性腸症(CE:Chronic Enteropathy)」があります。しかし近年、こうした病気を治す可能性を秘めた選択肢として、動物の幹細胞を用いた「再生医療(細胞治療)」が注目されています。
本記事では、「慢性腸症」に対して再生医療(細胞治療)を実施した結果、改善の兆候がみられた症例をご紹介します。
※治療の効果については、その子の状態、対象の病気、投与方法などによって大きく異なります。
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犬の慢性腸症とは?
犬の慢性腸症は、腸に原因不明の炎症がおこり、食欲不振、嘔吐・下痢、体重減少といった症状が長く続く病気です。自己免疫の異常が原因の一つだと言われています。一般的には食事療法、抗菌薬、副腎皮質ステロイド剤による治療を行うことで症状が改善されますが、難治性の場合、こうした治療を行っても十分に効果が得られず、最悪の場合死亡することもある病気です。
慢性腸症(4歳/ミニチュア・ダックスフンド)
■Before 再生医療(細胞治療)実施前
散歩姿に元気がなく、足取りが重そうです。
■After 再生医療(細胞治療)実施後
一歩一歩しっかりと歩けるようになりました。
秋山ラムネちゃんの飼い主さまのお声
投与をして1ヶ月、日に日に足の筋肉が戻ってきています。歩く姿もしっかりしてきて、嫌々な感じだったお散歩も楽しそうな足取りになり大変嬉しく思っています。この調子で昔のようにお散歩大好きに戻って欲しいと思っています。
炎症性腸疾患・慢性肝炎(6歳/パグ)
■Before 再生医療(細胞治療)実施前
歩きがゆっくりとしており、飼い主さまに引かれるように散歩しています。また、便も緩いように見えます。

■After 再生医療(細胞治療)実施後
飼い主さまを引っ張るように元気に散歩できるように。便もしっかりとした形になりました。

宮本なめろうちゃんの飼い主さまのお声
細胞を投与して、明らかに良くなりました。以前はステロイド治療のみでしたが、段々と効きにくくなっていき、元気もなく、体重も減少して、大好きだったお散歩もとぼとぼ歩いていました。トイレも、お尻が痛いのか、したいのに我慢するようになっていました。投与後、現在はまだ便は普通とは言い切れませんが、以前のように遊ぶようになり、病気があったのを忘れるほど、元気も食欲もあります。
あのとき、本当に再生医療を選択してよかったと思っています。ステロイド皮膚症もあるので、今後、このまま再生医療のみの治療でいけたらと思います。
慢性腸症(12歳/ビーグル)
■Before 再生医療(細胞治療)実施前
一般的な治療では効果がみられず、以前は10kg以上あった体重が5.8kgまで落ちてしまいました。

■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療(細胞治療)実施から2年後の様子です。

腸から栄養を吸収できるようになり、5.8kgしかなかった体重も、11.0kgまで増やすことができました。
再生医療を受けられる病院はこちら
再生医療は、全国どこの動物病院でもできるという訳ではありませんが、以下の病院で受けていただくことができます。
■アニコムどうぶつ病院グループ病院(一部)
アニコム先進医療研究所株式会社が運営する動物病院の一部では、再生医療の適切な普及・拡大を目的とする「動物再生医療技術研究組合」に加入しているため、再生医療を受けることが可能です。
►アニコムどうぶつ病院グループ一覧はこちら
※アニコム先進医療研究所株式会社のHPに移動します。注射器のマークがある動物病院で再生医療が受けられます。
■動物再生医療技術研究組合の加入病院
「動物再生医療技術研究組合」に加入している他の動物病院でも再生医療を受けることが可能です。
►動物再生医療技術研究組合参加病院一覧はこちら
※アニコム損保が加入している再生医療の研究を行う組合(動物再生医療技術研究組合)のHPに移動します。
なおアニコム損保では、飼い主さまに代わり、かかりつけの動物病院へご連絡することも行っています。ご希望の場合は以下のアニコム損保あんしんサービスセンターへご連絡ください。
► 0800-888-8256
受付時間: 平日 9:30~17:30 / 土日・祝日 9:30 ~15:30
※サービス向上のため、通話内容を録音させていただきます。
【WEBでお問い合わせ】
►お問い合わせはこちら※1,2
【再生医療対応の病院をさがす】
►全国の実施可能病院一覧※1
※1 動物再生医療技術研究組合のHPに移動します。
※2 お問い合わせへの回答は動物再生医療技術研究組合から行います。
「動物再生医療技術研究組合」で行われる再生医療を受けた方に対して協力金のお支払い
アニコム損保では、2021年7月より、「動物再生医療技術研究組合」において対象となる臨床研究を受けた方に、『再生医療協力金』をお支払いしています。臨床研究をさらに進めることで、病気で苦しむ犬や猫を少しでも減らしたいという思いで取り組みをすすめています。ご興味のある方は、ぜひ下記をご確認ください。
協力金の概要や申請方法についてはこちらから▼
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