「愛するわが子には健康で長生きしてほしい。」飼い主であれば誰もが願うことではないでしょうか。健康で長生きしてもらうには、そもそもケガや病気をさせないことが大切です。そうは言っても、人間と同じようにペットもいつケガや病気をするかはわかりません。また、ペットには公的な健康保険制度がないため、診療費は全額自己負担となります。更には、動物病院は自由診療なので、治療費はときに高額になることも。そんなときに、入っておくと安心なのがペット保険です。

本記事ではペット保険の選び方をわかりやすく解説します! どんなポイントに着目して選べばいいのか、保険の必要性を紹介しますので、わが子に最適な保険を選ぶ参考にしてくださいね。

ペット保険とは

見上げる子犬

ペットがケガや病気によって動物病院で診療を受けたときに、飼い主が負担した費用の一部を補償するのがペット保険です。

保険の商品によって、補償割合や内容も異なります。通院・入院・手術とすべてカバーするタイプもあれば、高額になりがちな入院・手術に特化したタイプもあります。

日本のペット保険の現状

日本には2021年3月現在で、計16社のペット保険会社があります。16社のうち5社が、金融庁の免許が必要である損害保険会社で、ほかの会社は各地方の財務局への登録により保険を販売する少額短期保険会社です。

中でも加入数が多いのがアニコム損保で、日本のペット保険加入者の約半数(※)がアニコム損保の保険に加入しています。

※株式会社富士経済「2020年 ペット関連市場マーケティング総覧」調査より

ときに高額となるペットの治療費

診察台の上のラブラドール・レトリーバー

ペットの治療費 はときに高額となることがあります。

例えば、

椎間板ヘルニア 合計387,500円

白内障     合計320,000円

尿結石     合計290,000円  など。(※アニコムの請求データの一例)

また、「アニコム家庭どうぶつ白書2020」によると、4頭に1頭の割合で保険金請求を行っているというデータも。

皮膚病の場合、定期的な通院が必要になることも多いため、1回あたりの治療費は高額ではなくても、積み重なることで家計のダメージになることもあるのです。

どう選べばいい?

ボーダー・コリー

ペット保険はどんなポイントに着目して選べばいいのでしょうか。必ず確認しておきたいポイントをご紹介します。

補償内容

通院・入院・手術とすべてカバーするタイプ、入院・手術に特化したタイプなど商品によって異なります。ちょっとした通院にも備えたいのか、それとも、高額になりがちな入院・手術にだけ備えたいのか、補償のニーズを考えてみましょう。

ちなみに、ペット保険を使うシーンは約9割※が「通院」でした(※アニコムの2018年の保険金請求データ(件数)より算出)。

保険料

保険料は手頃なものを選びたいですが、保険料が手頃なのには訳があるかもしれません。例えば、「保険が使えるのは〇〇円から」といった免責金額(※)が設けられていたり、保険の請求手続きが少々面倒だったりするかもしれません。

特に、免責金額があると、いざ使いたいときに保険が使えなかったりする場合もあるので、必ず確認しておきましょう。

(※)免責金額とは?
免責金額とは、保険会社が保険金を支払わなくてもよい金額のことをいいます。免責金額が定められている場合、その金額までは保険契約者の自己負担となります。例えば、免責金額が5,000円だった場合、診療費が3,000円かかっても保険金は請求できず、3,000円すべてが自己負担となります。

使いやすさ

ペット保険は自動車保険などとは異なり、利用する回数がそれなりに多いものなので、保険の使いやすさ(保険金の請求手続きのしやすさ)も大事なポイントです。

ペット保険の保険金請求には大きく2パターンあります。

①動物病院での窓口精算
②保険会社への保険金請求

は人間の病院での精算方法と同様のイメージで、アニコム損保の場合、「どうぶつ健康保険証」を窓口で提示することで、その場で保険が適用され、自己負担分のみの支払いとなります(※窓口精算に対応している動物病院の場合。窓口精算に対応していない場合は②の方法で精算手続きが必要。)。

は、一旦は診療費の全額を動物病院で支払い、後日必要書類を保険会社に送り、内容や書類に不備がなければ保険金が支払われることとなります。

必要書類は各社で異なりますが、大体は「保険金請求書」に必要事項を記入の上、動物病院で会計時に発行される「診療明細書」を一緒に送ることになります。保険金支払いまでのタイムラグがあることや、必要書類を揃えて郵送するのは案外面倒なので、保険の使いやすさは意外と重要ポイントです。

ちなみにアニコム損保では、郵送による請求手続きだけでなくLINEでの請求手続きも可能!LINEのトーク画面で必要な項目を入力したら、診療明細書を写真で撮って送るだけ! 

うれしい付帯サービス

うれしそうな犬

保険は、使わなくて済むのならそれが1番幸せなこと。なぜなら、飼い主にとって、愛犬が健康で過ごしてくれることはなによりの願いだからです。

でも、それではせっかく保険料を払ってきたのになんだか損な感じがしてしまうかもしれません。だったら貯金しておいた方がよいのでは?と思われる方もいるでしょう。そこで大事なポイントとなるのが、うれしい付帯サービスです。アニコム損保では健康な子でも使えるサービスを多数ご用意しています。

■どうぶつ健活による「腸内フローラ測定」

病気の早期発見に役立つ健康チェック「腸内フローラ測定」が、なんと毎年無料で受けられます!ペットのうんちを送るだけで、腸内健康年齢や病気のなりやすさを判定。さらには病気のリスクが高いと判定された場合には、無料で動物病院での健康診断※が受けられます。※アニコムが指定する動物病院での血液検査。

※健康診断は犬・猫のみのサービスです。
※「どうぶつ健保ぷち」など、当該サービスが付帯されない商品もあります。

■迷子捜索サービス

他人事ではない迷子。万が一、愛犬と離れ離れになってしまった場合に利用できるサービスです。「自分は絶対に迷子になんかさせない」と思っていても、思いがけないタイミングで起きてしまうのが迷子です。

アニコムではジャパンロストペットレスキューと提携し、ご契約いただいているペットの捜索をお手伝いします。いざ、わが子が迷子になったとき、すぐにペット探偵に頼れるのはとても心強いものです。保険と同様、使わずに済むのが一番ですが、万が一の時に安心のサービスです。

■どうぶつホットライン

LINEのトーク上で、写真や動画を使って気軽に獣医師に相談できるサービスです。「病院に連れていくほどでもないけれど、気になる…!」そんなときに利用したいサービスです。

5年後、10年後も変わらず補償してくれる?

横たわるフレンチブルドッグ

目先の保険料、内容だけで判断してしまわずに、5年後、10年後とちょっと先の未来のことも考えておきましょう。

保険は通常、1年ごとに契約更新されます。保険会社によっては、更新時に審査を行う会社・商品も。その年の保険の利用状況やかかった病気などに応じて、契約更新ができなくなってしまう場合があります。更新はできたとしても、特約などがプラスされてしまい、かかった病気は保険の対象外になるケースもあります。

せっかく入った保険なのに、いざ必要な場面で利用できなくなってしまうのでは困りますよね。後悔することのないように、ちょっと先の未来のことも確認しておくようにしましょう。

貯金じゃダメ?

わざわざ保険に入らなくても、愛犬用に貯金をすればいいと考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、それも方法のひとつです。

ただし、貯金パターンにはデメリットがあります。まずは、貯まってからでないと備えられない点です。貯まる前に、万が一、高額な治療費が必要になったら? また、高額な治療費がペットの生涯のうち1回で済むとも限りません。2回、3回と高額な支払いがあるかもしれませんので、本当に貯金だけでまかなえるのか、色々なパターンを考えてみましょう。

その点、ペット保険のメリットは、入った時点から備えられる点です。

【関連記事】
ペット保険はペイするのか。貯金vs保険で比べてみた

いつ入ればいい? 最適なタイミングは?

ラブラドール・レトリーバーの子犬

ペット保険に入るべきベストタイミングはいつなのでしょうか。

答えは、「なるべく早くそして健康なうち」です。

病気しやすくなる高齢期を迎える前に、と考える方もいるかもしれません。しかし、愛犬が若いからといってケガや病気をしないわけではありません。また、ペット保険の加入にあたってはほとんどの商品で年齢の上限があります。(※唯一、年齢の上限がない商品はアニコム損保の「どうぶつ健保しにあ」です。)

高齢になって加入できる商品の選択肢が狭まってしまったり、持病を患ってしまって保険に加入できなくなったりする前がおすすめです。

年齢や病歴が理由となって保険に加入できず、治療費がネックとなり最善の治療を受けさせられなかったとしたら、一番苦しい想いをしてしまうのは愛するわが子です。後悔することがないよう加入を検討しておきましょう。

どんなときも愛犬を守りたいから

抱っこされているチワワ

いざというときに安心して愛犬に最善の治療を受けさせてあげるためにも、もしもの備えとしてペット保険に加入しておくことは大切です。

ペット保険の種類、補償内容などは各社さまざまです。また、利用できる付帯サービスにも着目して選ぶといいのかもしれません。加入後に後悔することのないように、わが子に最適な保険を選んであげてくださいね。

監修獣医師

犬百科編集部

犬百科編集部

獣医師を含む犬の飼い主歴10年以上の編集者が集い、犬の凄さや可愛らしさについて情報交換している。編集部員の面々は、犬との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。