
犬のトイレのしつけは「きちんとやらなければ」と思っているものの実際にはなかなかうまくいかない、という飼い主さんも多いのではないでしょうか。今回は失敗の原因やしつけのコツ、必要な環境について解説します。
トイレのしつけの大切さ

トイレのしつけは、犬を迎えたら最初に教え始める重要なしつけの一つです。トイレのしつけができていないと、部屋の掃除の回数が増えてしまい、飼い主さんにとって大きな負担になります。
また、粗相が多いとカフェや旅行先でも心配ですし、マナーパンツに頼らなければいけないということもあります。反対に、外でしかしない子は粗相の心配はないかもしれませんが、どんな悪天候だろうと、飼い主さんの体調が悪くても外に排泄に行かなければならなくなってしまいます。
そのため、室内でも室外でも、決められた場所で排泄できるようにしつけることは、犬にとっても飼い主さんにとっても、第三者にとってもとても大切なことなのです。
いつも失敗する…その原因は?
なかなかトイレを覚えられない、失敗の理由として、
- トイレの場所を認識していない
- トイレの場所を間違って覚えてしまっている
- 失敗して怒られることが多く、こっそり隠れてしてしまう
- 体が成長して、トイレのサイズが小さくなってしまっている
といったことが挙げられます。
まずは、愛犬の行動をしっかり観察して、自分自身の行動も見直し、初心に戻ったつもりで、1から丁寧に教えましょう。
どんなトイレを用意してあげるといいの?

犬のトイレは一般的に、「トレー」と「シート」の2つを組み合わせて使用します。それぞれ選ぶポイントがあるので、順に解説していきます
トイレトレーの選び方
はじめてのトイレトレーは、大きめのサイズを選ぶようにしましょう。
基本となるサイズは、犬がトイレトレーの上でくるりと回転できるほどですが、それよりも少し大きめのサイズがおすすめです。大きなトイレにしてあげることで、はみ出しや失敗を予防することができます。
最初の頃は成功していたのに、失敗するようになったというケースでは、体が成長してトレーのサイズが小さくなってしまっている可能性があります。この場合、大きなトレーに変えてあげると上手にできるようになることがほとんどです。
トイレシートの選び方
子犬の頃は排泄の回数が多いので、トイレシートは大きいサイズ1枚よりも小さいサイズを2枚敷くほうがおすすめです。2枚の隙間から漏れるのが気になる場合には、その下に大きいシートを1枚敷いてもいいでしょう。
この方法だと、汚れたところだけ取り替えてあげればいいので、隙間から漏れることもなく、大きなシートも無駄に使わずにすみます。
成犬や大型犬は1回の排泄の量を考えて、メーカーが推奨しているサイズのトイレシートを利用して漏れや失敗を防ぎましょう。
トイレの設置場所は?
子犬のうちはケージの中にトイレを用意してあげてください。 成犬になったら、ケージの中ではなく、部屋のすみや洗面所、浴室など、寝床から離れた場所で、犬が落ち着いて排泄できる場所に設置してあげましょう。
トイレトレーニングのコツ

しつけを始めるタイミングは?
トイレのしつけの開始時期は、犬を迎えた日からが望ましいです。そのため、犬を迎えるタイミングで、ケージやトイレなどのグッズは揃えておきましょう。特に子犬は我慢できる時間が短いので、家に連れて帰って部屋に出した瞬間におしっこをしてしまう可能性もあります。しっかり準備をして、最初から失敗することのないようにしましょう。
ただし、犬を迎えた日は犬も環境の変化に緊張し不安になっているので、失敗しても決して怒らず、まずは環境になれてもらうことを優先してあげましょう。
子犬のトイレトレーニングの方法・手順について
まずはいつ排泄してもいいように、ケージ内にトイレを置きます。トイレで排泄したら思いっきり褒めてあげましょう。最初のうちは、ケージ全体にトイレシートを敷いておくのをおすすめします。また、排泄したトイレシートを、トイレトレーに設置して臭いで誘導するのも一つの手です。
■排泄タイミングの見極めが重要!
子犬の場合、食後・運動後・寝起きといったタイミングで排泄しやすいです。これらのタイミングでは、犬が排泄するまではケージから出さないことが大切です。犬が排泄をし始めたら、「ワンツー・ワンツー」などの排泄コマンドを出すようにしましょう。それにより、ある程度コマンドで排泄ができるようになります。
そして、きちんと排泄ができたらたくさん褒めて、ご褒美としてケージから出してあげて遊ぶようにします。
ケージから出す時間も最初は短く区切りましょう。運動したり、興奮したりすると、もよおしてしまうこともあるので、5分遊んだらケージに戻して排泄させて、またケージから出してあげるようにします。
子犬のうちはこれの繰り返しです。

トイレを覚えてきたら、ケージ内のシートの範囲を狭め最終的にはトイレトレーのサイズに限定します。
生後4ヶ月ごろになると、排泄を我慢できる時間が伸びてくるので、寝床とトイレを分けてあげましょう。
排泄の我慢ができるようになり、決まった時間に散歩に行っていると、犬は次第に散歩の時だけ排泄するようになってしまうことが多いです。家の中での排泄を我慢する習慣がつかないように、家で排泄をした後に散歩に連れて行くようにするとよいでしょう。
成犬からでもしつけられる?
成犬からでもしつけをすることは可能です。が、それまで良しとされてきた習慣を改善するのは、犬も人も同じで年齢を重ねていればいるほど難しくなるものです。
なぜ急にトイレの場所を変えなければいけないのか、犬を混乱させてしまうのは避けられません。
少しでも犬にとって受け入れやすいように、現状を見て少しずつ新しいトイレの環境へ変えていくことになりますが、何も知らない子犬に1から教えるよりも、気力と時間がかかります。
とはいえ、「成功したら褒める」を大切に、根気強く伝えていけばいつか覚えてくれるので、焦らずそして諦めず!一緒にゆっくりがんばってあげましょう。
トイレトレーニングのコツ

トイレのしつけで大切なのは、
①失敗させないこと
②失敗しても叱らないこと
③成功したときには褒めること
です。
「失敗させないこと」とはすなわち、「成功体験を増やす」ということです。成功体験が増えれば褒める回数も増えるので、習得が早まります。
失敗してしまっても決して叱らないようにしましょう。失敗してしまった場所はきれいに掃除をして、臭いが残らないようにしましょう。おしっこの臭いが残ると同じ場所で繰り返し失敗してしまうことがあります。
失敗したら速やかにきれいに掃除、上手にできたらたくさん褒める、を覚えてくれるまでは根気強く、繰り返しましょう。

愛犬のペースに合わせて、トイレのしつけを

排泄の管理は、犬の健康を保つためでもありますし、マナーとしても教えておく必要があります。何より、排泄は毎日のことなので飼い主さんの負担にも大きく影響します。
とはいえ、あまりに神経質になることはありません。もし、失敗させてしまっても冷静に片付けて、次に気をつければいいのです。愛犬のペースに合わせて、しつけをしてあげてくださいね。
