うさぎをなでたら、耳がひんやり冷たく感じる。うさぎは繊細なので、いつもと違うことがあると飼い主の方も心配になりますね。ここではうさぎの耳が冷たいときの対処法を紹介します。
うさぎは耳で体温を調節している
最初に、うさぎの耳の機能をおさらいしておきましょう。うさぎの大きな耳は、音を集めやすいだけでなく、体温調節をする役割も担っています。大きな耳の中央には太い血管が走り、耳の先から外周に沿って分岐し、それらの周囲に細い血管が張り巡らされています。うさぎの体温が上がったとき、耳を立てて風に当てることで、血管を通る血液を冷やして体温を下げています。うさぎは汗をかいて体温を調節することができないので、耳にこのような機能があるのです。
うさぎの耳が冷たい理由
では、うさぎの耳はどんなときに冷たくなるのでしょうか。上で紹介した通り、耳で体温を調節しているので、暑いときは耳が熱くなり、寒いときには耳は冷たくなります。暑いときには、血液を冷やすために耳の血管を太くさせてたくさんの温かい血液を送ります。このとき耳に触れると温かく感じます。うさぎは耳に風を当てるために走ったり、頭を振ったりします。それでも体温が充分に下がらないと、さらに血液が集まって耳は赤っぽく見えるようになります。こうなると熱中症の危険があります。反対に寒いときに耳が冷たくなるのは、体温を保つために耳への血流を減らすから。血流が減るので耳は冷たくなりますが、その分、温かい血液を体の中に留めて体温を維持しています。このほか、体を丸めて手足を隠して座る、呼吸をゆっくりするなどして寒さをしのぎます。
病気が原因で冷たくなることも
うさぎは病気で体調が悪くなると、低体温になることがあります。病気で体温が低下した場合にも、体温を維持するために耳は冷たくなります。うさぎでよく起こる胃腸うっ帯でも、低体温症になることがあります。病気で耳が極端に冷たくなって色も白っぽくなっていたら、低体温症のサインです。この場合はできるだけ早く動物病院へ行く必要があります。
うさぎの耳が冷たいときの対処法
耳が冷たくなるのは体温調節のためなので、それだけなら問題はありません。ただ体調不良を表わしている場合もあるので、まずほかの様子もよく観察してください。
食欲不振などほかの症状を伴うとき
耳が冷たいことが気になったら、次のような症状がないかチェックしてください。
・食欲不振
・うんちの異常(うんちが出ない、小さい、少ない、下痢など)
・痛みのサイン(歯ぎしり、震え、横になったり丸まったりと何度も姿勢を変える、攻撃的になる、顔つきが変わる)
このような様子に加えて耳が冷たくなっているときは、かなり具合が悪くなって低体温症になっていることが考えられます。すぐに動物病院を受診しましょう。
ほかにもいつもと違って心配な様子が見られたら、念のため受診するようにしましょう。キャリーに湯たんぽを入れるなど、なるべくうさぎを温かくして動物病院へむかってください。
耳は冷たいけれど元気なとき
耳が冷たいだけでいつも通り元気な様子であれば、心配ないことがほとんどです。ただ体を丸めて足をお腹の下に入れてあまり動かないようなときは、寒がっているかもしれません。その時点では問題がなくても、寒がっている状態が続くと体調を崩すことにつながります。飼育環境を見直しましょう。
うさぎの適温は18〜24℃、適切な湿度は40~60%といわれています。室温をチェックして、低ければ暖房を入れたり、ケージにヒーターを置いたりして、うさぎが快適に過ごせるようにしてください。寒さ対策について詳しくは次の記事も参考にしてください。
寒さ対策は大丈夫?うさぎが寒がらないようにするにはどうしたらいい?対策や気を付けること
うさぎを温めてあげたくても、ヒーターなどがないときは、湯たんぽやお湯を入れたペットボトルを利用します。火傷に注意して、タオルなど布で包んで体にあててあげましょう。それでも改善しないときや、新たに上のような症状が出てきたら、すぐ動物病院へ。
まとめ
うさぎの耳が冷たいのは生理現象のこともあれば、具合が悪いサインの場合も。うさぎは体調不良を隠す習性があるので、ちょっとしたサインも見逃さないようにしたいですね。耳が冷たいことに気づいたら、ほかにいつもと違うところがないか、よく観察してください。うさぎが元気でも、寒がっている可能性があるので、飼育環境を見直して暖かくしてあげましょう。