
夏にさされる虫といえば、蚊。日本ではありふれた虫で、防虫グッズも豊富にあります。身近な虫だからこそ、うさぎと一緒に暮らす部屋で蚊取り線香をたいてもいいのかなど、疑問に思うこともありますね。うさぎのいる家ではどんなことに気をつければいいのか、夏の防虫対策について知っておきましょう。また、そもそもうさぎが蚊に刺されないようにどんな対策をしたらいいのかもお伝えします。
うさぎも蚊にさされることがある

うさぎも人や犬、猫などと同じように蚊に刺されることがあります。海外の一部の国では蚊がウイルスを運ぶ「兎粘液腫(うさぎねんえきしゅ)」という病気があり、うさぎが蚊にさされることがないよう注意喚起されています。
また野生のうさぎがウイルスを持っていることがある「野兎病(やとびょう)」も蚊のような吸血する虫によって移ることがあります。これらの病気は今の日本では発生していないので、うさぎが蚊に刺されてしまってもあまり心配はありません。
ただペットでも蚊にさされてアレルギーが起きることがあり、たくさんさされても大丈夫とは言い切れません。蚊はまわりを飛んでいるだけでもわずらわしく、繊細なうさぎにストレスを与えてしまう可能性も。うさぎも蚊にさされないよう気をつけてあげたいですね。
部屋の中に蚊が入らないようにすることが重要
長時間外にいることがないうさぎは、そもそも普通に自宅で暮らしていれば蚊に刺されることはありません。
蚊が入ってくる原因は大きく2つ
- 玄関や網戸などの開け閉め時に入ってくる
- 外出から帰宅した際に人間が家に持ち帰ってくる
- を防ぐために、玄関先や網戸には煙が出ないタイプの蚊よけグッズを置いてください。また2についても、家の中に蚊を持ち込まないように注意してください。
家の中にいる蚊を退治することより、蚊を家の中に入れないための対策をしてあげることが重要です。
もし、蚊取り線香を使用する場合は?

蚊取り線香はうさぎがいる部屋でも問題なく使用できます。蚊取り線香に含まれているピレスロイド系の殺虫成分は、哺乳類の体に入っても素早く分解して排出されるため、少量で毒となることはありません。「人には大丈夫な量でも、うさぎのような小動物は大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、殺虫成分の量は数ミリグラムの蚊に効果がある程度の微量なものです。
蚊取り線香のメーカーはハムスターや小鳥がいる部屋でも使用できるとしています。ただし、長時間部屋を閉め切ったままにせず、ときどき換気をしながら使ってください。また、うさぎは何でもかじって誤食してしまう危険があります。使用中のものもストックも、絶対にうさぎがかじらない場所に置いてください。煙がケージに直接入らないよう、ケージの前に置くのも避けましょう。
プッシュ式の防虫剤は使い方に注意が必要
夏はエアコンを使って部屋をしめ切っていることも多いもの。煙が出る蚊取り線香ではなく、置き型やプッシュ式を使いたいケースも多いでしょう。液体が入った置き型の防虫剤も、殺虫成分は蚊取り線香とほぼ同じです。こちらもうさぎがいる室内で使用できますが、長時間使う場合はときどき換気をしてください。
一度スプレーするだけで部屋全体の殺虫効果が持続するプッシュ式の防虫剤もあります。こちらもうさぎがいる部屋で使用できますが、使う際は注意が必要です。主な殺虫成分は同じでも、蚊取り線香などでは成分が少しずつ空気中に広がるのに対して、プッシュ式はその1日分くらいの使用量が1回のスプレーで出るようになっています。間違ってもうさぎに直接かかってしまうことがないようにしてください。
部屋の中央に向かってスプレーするのが一般的ですが、それでうさぎにかかってしまうことが心配な場合は、一度ケージごとうさぎを部屋から出し、スプレー後しばらく時間を置いてから戻すようにしましょう。
うさぎの防虫対策はどうすればいい?
部屋での対策は、上で紹介したように人と同じ防虫剤が使えます。必ず使用量を守って使うようにしましょう。心配な場合は天然素材だけを使ったもの(防虫菊を原料に作られた蚊取り線香など)や、ペット用の蚊取り線香を使うのもいいでしょう。ケージにいるときはペット用の蚊帳を使うのもひとつの方法です。外で散歩をさせるときは、うさぎ用の防虫スプレーを使用することで、蚊だけでなく、ダニやノミなどの対策にもなります。
まとめ
うさぎと蚊の防虫対策について説明しました。今の日本では蚊によってうさぎにうつる病気はあまり心配しなくても大丈夫。ですが、だからといってさされてもいいわけではありません。できる範囲でうさぎにも防虫対策をしてあげましょう。
蚊取り線香やスプレータイプの殺虫スプレー自体は、うさぎに害はないものの、蚊を家の中にいれないための工夫をすることが重要です。 また蚊が飛ぶような暖かい季節は、ノミやダニといったほかの虫にも気をつけてあげてください。
