
うさぎは何でもかじってしまうもの。そんな中で、好んでかじることが多いのが「紙」です。本や雑誌、書類だけでなく、ティッシュ、ウエットティッシュ、ペーパーナプキン、紙袋、食品のパッケージ、さらには壁紙と、室内にはさまざまな紙があるものです。かじるだけならまだしも、そのまま誤食してしまうことや、積極的に食べている場合も!うさぎが紙を食べてしまったらどうすればいいのか、また日頃から気をつけたいことも知っておきましょう。
うさぎは紙を食べる?
うさぎは紙をかじるのが大好き。へやんぽ中に紙を見つけると、かじってしまうことがよくあります。かじるだけに留まらず、食べてしまっている場合も。もちろん、紙はうさぎの本来の食べ物ではありません。それでもかじって食べてしまう理由として、退屈や空腹があげられます。
かじって遊べるおもちゃが少ないと、うさぎが自分で部屋の中で遊ぶものを探して、紙をかじってしまうことにつながります。かじっているだけに見えても、多少は口に入って食べてしまっています。
また牧草が足りず、空腹感から葉物の食感に近い紙を食べてしまうことも。ただ理想的な食事を摂っていておもちゃがたくさんある環境にいるうさぎでも、やはり紙をかじってしまうことがあります。簡単に噛み砕ける紙は、うさぎにとって噛むことが楽しい魅惑の素材なのかもしれません。
うさぎは紙を食べても大丈夫?

やはり紙は食べ物ではないので、食べさせてはいけません。うっかり食べてしまった場合、少量であれば、そのまま牧草などと一緒にうんちとして排出されます。食べる際に細かく噛み砕いているので、お腹につまる可能性も低いでしょう。念のため様子を見て、食欲やうんちに異常がなければまず心配はありません。
ですが大量に食べてしまうと、腸閉塞を起こす危険があります。また食事の量に対して紙を食べた割合が多くなると、腸内細菌のバランスが崩れて胃腸の病気の原因となります。
また紙を口にすることで、印刷に使用されたインクが問題になる可能性もあります。今は無害なインクもありますが、口に入れるのは避けたい有毒なインクが使われている場合もあります。チラシやパンフレットのような印刷物や、家庭のプリンターで出力した書類は絶対にうさぎが口にしないよう気をつけましょう。
うさぎが紙を食べるのをやめさせることはできる?

残念ながら、うさぎが紙を食べるのを止める効果的な方法はありません。そこに紙がある限りかじってしまいます。かじられたくない紙類はすべて、うさぎが届かない場所に置いてください。
紙は生活に身近な素材で、室内にもさまざまな紙があります。紙を置いていないつもりでも、ティッシュやペーパーナプキンを食べてしまうこともあるのであらゆる紙に注意しましょう。
【室内で注意したい紙類】
新聞、チラシ、本、雑誌、ティッシュ、ウエットティッシュ、ペーパーナプキン、キッチンペーパー、トイレットペーパー、段ボール、紙袋、お菓子のパッケージ、紙コップ・紙皿、紙製のおもちゃ、壁紙など
壁紙はかじる場所が決まっていることもあるので、その場所に近づけないようにするか、プラ段やアクリル板のような素材で覆って保護しましょう。
紙にはいろいろな種類があり、種類によって性質も異なります。例えばトイレットペーパーは水に溶けることもあり、食べてしまってもお腹に詰まりにくいものです。一方で、段ボールやペーパーナプキン、キッチンペーパーのように硬くて噛み切りにくく、飲み込んだ場合に消化されにくい素材もあります。以前紙を食べたけど大丈夫だったから、と油断するのは禁物。紙の誤食には充分気をつけてください。
片づけと並行して、紙を食べる原因となる退屈と空腹も見直してみましょう。うさぎのおもちゃは必ず複数用意して、うさぎが退屈しないようにします。いつも同じおもちゃを置いていると飽きてしまうので、定期的にローテーションするなど工夫してみてください。また牧草入れに牧草が残っていても、入れてから時間が経っていると香りが減り、湿気ってしまうことで、うさぎは食べなくなってしまいます。定期的に交換して、充分な量を食べられるようにしましょう。
紙はおもちゃにしない方がいい?

そうはいっても、楽しそうに遊んでいる場合でも、紙は遠ざけるべきなのでしょうか?
紙はうさぎのおもちゃにもなります。例えば、うさぎのハウスやおもちゃとして段ボール素材を使用しているものがあります。段ボールは消化されにくくお腹によくないものの、硬くて噛み砕くのに時間がかかる分、実際に飲み込む量は少ないでしょう。今まで問題なく遊んできたのであれば、特に急にやめる必要はありません。これから遊ばせる場合は、飲み込んで食べてしまっていないか、よく注意して観察を。中に入ることやかじって遊ぶことよりも、「食べる」ことが優先になっている場合はすぐに中止してください。
遊ばせるなら、牧草をしっかり与えて満腹のタイミングで遊ぶようにしましょう。段ボールのハウスの中に本来の食事である牧草を入れて遊ばせても。あくまで紙は食べるものではなく、遊ぶものという認識で取り入れてください。そして毎日のように遊ばせるのではなく、たまに遊ぶ特別なおもちゃという位置づけにしておくのがいいでしょう。

まとめ
紙に限らず、うさぎがかじってほしくないものを執拗にかじるのは、遊びの刺激が少ない、遊び相手がいなくて寂しい、という理由も考えられます。紙を誤食しないように片づけて終わりでは、うさぎの根本的な不満がそのままになってしまうかもしれません。代わりのおもちゃを用意する、スキンシップの時間を増やすなどして、うさぎの心にも寄り添ってみてくださいね。