「うさぎはトイレを覚える」というものの、トイレ以外の場所でもおしっこをしたり、ケージから出た途端に部屋の中でしてしまったり。うさぎと暮らす人であれば、おしっこのしつけに悩むことも多いものです。ここではおしっこのしつけのお悩みとその対処法についてお伝えします。

よくあるお悩み 1.突然トイレを使わなくなった

うさぎの画像

今までトイレを覚えてちゃんと使っていたのに、あるとき突然、トイレ以外の場所ですることがあります。無事にしつけができたと思っていたのに、突然違う場所でおしっこをする姿を見ると驚いてしまいますよね。でも、うさぎではよくあることです。

基本的にはトイレを使っているけれど、偶然トイレ以外の場所でしてしまうことが続いてしまった、ということも考えられます。例えば睡眠中やウトウトしているときに出てしまった、トイレに行こうとしたけれどほかに気になることがあって途中で出てしまった、食べるのに夢中でその場所でしてしまった、などトイレ以外の場所でする理由は多々あります。まずは数日間、様子を見てみましょう。

どうしても以前のようにトイレを使わないときは、その原因を考えてみてください。若いうさぎでは、ほかのペットが来たことなどによる縄張り意識の変化、今のトイレに嫌なことがあるといったことが原因となります。うさぎ自身がトイレの場所を変えてしまったなら、そこにトイレを置くとまた使ってくれるかもしれません。成長して体が大きくなり、トイレが使いにくくなったという可能性もあります。トイレが今の体にあっているか確認し、必要であれば大きなものに交換しましょう。

高齢のうさぎは段差が辛くなってトイレを使わなくなることがあります。段差の少ないタイプに変えて様子を見てください。

よくあるお悩み 2.トイレから体がはみ出して外に漏れる

うさぎが立っている画像

トイレにはちゃんと行ってくれるのに……! 

お尻がはみ出しておしっこが外に漏れてしまうことがあります。まず考えられるのは、トイレの大きさが体に合っていないことです。この場合はトイレを大きいものに変えると解決します。三角形のものから四角形に変えるだけでも、トイレのスペースが広くなります。

大きさは問題なくても、排泄のときに体が壁につくのを嫌がる子もいるようです。うさぎの大半は体がすっぽり収まる場所で安心して排泄するので、うさぎのトイレは壁がついているタイプが多くなっています。それに抵抗があるうさぎには、壁がないタイプを用意してあげましょう。飛び散りが気になる場合は、ケージの周りを汚れたら拭き取れるもので囲むか、ケージの外の壁に汚れを防止するシートを貼るなどして対策を。

トイレの大きさや形の問題ではなく、うさぎ自身が間違った姿勢を「正しい」と覚えている可能性もあります。多くのうさぎがトイレに乗ると体の向きを変え、お尻を奥にして排泄します。でも中には飛び乗った向きのまま、お尻が外に出た状態でおしっこをする子がいます。これを改善したい場合、正しい体の向きを教えてあげることが必要です。お尻を奥にしてトイレに座らせたり、トイレに行ったタイミングで体の向きを変えたりして、座り方を伝えてみましょう。

向きが違う状態でおしっこをするタイミングで「向きが違うよ!」と教えてあげるだけでも、うさぎが気づいて向きを整えてくれることがあります。

正しい向きで座ったときに思い切り褒めるのもいいですね。それでも改善が見込めない場合は、体の向きが違ってもお尻がはみ出さないように大きめのトイレにするか、外に漏れても掃除しやすいように、すのこの下にペットシーツを敷いてカバーしましょう。

よくあるお悩み 3.部屋のあちこちでおしっこをする

うさぎが部屋でくつろいでいる画像

室内を散歩させているとき、部屋のあちこちでおしっこをしてしまう! というのは本当によくあるお悩みです。部屋でおしっこをしたときは、すぐに掃除をし、消臭スプレーをしてにおいを消すのが鉄則。うさぎは自分のにおいがある場所にまたおしっこをしてしまいます。どんなに消臭しても部屋の隅で何度も同じ場所にする場合は、すでにそこがトイレだと決めてしまっているかもしれません。その場合、部屋用のトイレを用意して、うさぎが決めた場所に置いた方がお互いにストレスなく過ごせます。

うさぎは発情によってあちこちにおしっこをとばすスプレー行為をすることがあります。男の子に多いことですが、女の子もおしっこでマーキングをすることがあります。自分のにおいをつけたくてしているので、消臭をしても何度も繰り返されてしまいます。部屋中でスプレー行為をされて悩んでいるときは、あえてへやんぽの範囲を狭くするのも一案。サークルなどでうさぎが過ごす場所を区切り、その中では好きにマーキングをしてもいいことにします。掃除は大変ですが、繁殖適齢期を過ぎると落ち着くことが大半です。一時的なことと考えて付き合っていきましょう。困っているときは去勢手術を考えるかもしれませんが、スプレー行為は個体差が大きいので、手術をしてもおさまらないこともあります。まずはかかりつけの動物病院で相談してみてください。

うさぎのおしっこの問題は焦らないことも大切

うさぎを撫でている画像

うさぎがトイレを失敗する度に掃除をするのが大変で、早くどうにかしたいと焦ってしまうこともあるでしょう。ただ、上でも紹介したように、おしっこのしつけの悩みはよくあること。同じことで悩んでいる人がたくさんいます。発情によるスプレー行為は年齢が上がると落ち着いてくることが多いものです。焦らず長い目で見て対処していきましょう。また、うさぎのおしっこのしつけは何歳からでもできます。年を取ったから遅い、間に合わないということはありません。しつけの問題だと思う場合も、無理のない範囲で根気強くチャレンジしていきましょう。

うさぎのおしっこに異常があるときは?

うさぎのおしっこを毎日観察していて、「あれ?いつもと色が違う?」と思ったら以下のような病気の可能性も。注意して観察し、異常があれば動物病院に行くようにしましょう。うさぎのおしっこに関する代表的な病気をご紹介します。

高カルシウム尿症…おしっこの中に含まれているカルシウムが過剰に生じてしまう病気。

腎不全…腎臓の動きが悪くなり、老廃物がうまく体の外に出ていかず、蓄積されてしまう病気。

膀胱炎…膀胱の中で菌が繁殖し、炎症を起こしてしまう病気。

尿石症…おしっこの通り道である尿路に、結晶化してカルシウムが石のように固まってしまう病気。

まとめ

うさぎの個性は千差万別。その個性はトイレ事情にもあらわれます。おしっこのしつけで悩んだときは、うさぎの様子をよく見て原因を考え、そのうさぎに合わせた対処をしていきましょう。中にはしつけではどうにもならないケースもあります。そんなとき「どうしてこの子は……」と落ち込んだり、叱ったりしないでください。どんなにうさぎを叱ってもしつけの効果はありません。すぐに掃除ができるセットをケージの近くに用意するなどして、ストレスなく対処できるようにしましょう。

また、うさぎのおしっこに異常がある場合にはためらわずに動物病院を受診するようにしましょう。その際は、おしっこをもっていくか、難しい場合には写真をとっておくなどすると適切な診断を受けることができます。

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ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。