歯の本数や性質は動物によってちがうもの。うさぎの歯にはどんな特徴があるのでしょうか。今回はクイズ形式でまとめました。うさぎと暮らしている方はもちろん、これからうさぎと暮らしたいと思っている方も、ぜひ挑戦してみてください。

Q1:うさぎの歯は生え変わる?

人間は6歳を過ぎた頃からこ順番に少しずつ乳歯から永久歯に生え変わります。では、うさぎの歯は生え変わることはあるのでしょうか。次の中から選んでください。

1.乳歯から永久歯に生え変わる

2.抜けた歯は何度でも生え変わる

3.伸びるので生涯生え変わらない

正解は……

1.乳歯から永久歯に生え変わる

びっくりした方も多いかと思いますが、うさぎも乳歯から永久歯に生え変わっています。うさぎを飼っている人でも、歯が生え変わるという話はあまり聞かないのではないでしょうか。それもそのはず、実は家庭にお迎えする前に乳歯から永久歯に生え変わっています。切歯(前歯)は出生の前後、早ければお母さんのお腹の中にいるうちに抜け、臼歯(奥歯)も生後1ヶ月ほどで永久歯に生え変わります。

ちなみに永久歯が抜けると新しい歯は生えません。とはいえ、健康なうさぎは歯が抜け落ちることは滅多にないので、あまり心配しなくていいでしょう。なにかにぶつけてしまったり、固いもののかじり過ぎで歯が欠けることはあります。その場合、欠けても歯が伸びてくるので、また元通りになりますが、適切な噛み合わせに戻っているか確認する必要があります。歯が欠けたら動物病院を受診しましょう。

Q2:うさぎの歯は1年でどのくらい伸びる?

うさぎの歯は「常生歯」といって、一生伸び続けるという特徴があります。では、1年でどのくらい伸びるのでしょうか。

1.1~2㎝

2.3~5㎝

3.10~12㎝

4.18~20㎝

正解は……

3.10~12㎝

なんと1年でこんなに伸びています。月に1㎝ほど伸びている計算になりますね。

伸びた分の歯は繊維質の多い牧草を食べることで摩耗され、すり減っています。やわらかいものや繊維の少ないものばかり食べていると歯が伸び過ぎてしまいます。繊維質の多い牧草を食べさせることで、歯の伸びすぎ防止だけでなく、お腹の健康にも繋がります。常に新鮮な牧草を用意してあげることが大切です。

Q.3:うさぎの切歯(前歯)は何本?

あくびをしたときに見えるうさぎの切歯。上下合わせて何本あるでしょうか。

1.2本

2.4本

3.6本

4.8本

正解は……

3.6本

上に2本、下に2本で4本じゃないの?と思う方もいるかもしれません。実は上の2本の切歯の後ろにもう2本、小さめの切歯が隠れています。下の切歯は2本なので合計6本となります。うさぎは以前はねずみと同じ仲間として「げっ歯目」に分類されていました。それがこの切歯が重なっているという特徴があるため、「重歯目」として独立しました。今ではげっ歯目は「ねずみ目」、重歯目は「うさぎ目」と呼ばれています。

Q4:うさぎに犬歯はある?

切歯と臼歯の間にある犬歯。人の犬歯は「糸切り歯」とも呼ばれますが、うさぎに犬歯はあるのでしょうか。

1.ある

2.ない

3.あるうさぎとないうさぎがいる

正解は……

2.ない

犬歯は獲物を捕らえるときに使う歯です。草食動物のうさぎに犬歯はありません。切歯と臼歯の間はすき間が空いています。うさぎは切歯で植物を噛み切り、臼歯ですり潰して食べています。

動物の種類によって異なる切歯・犬歯・前臼歯・後臼歯のそれぞれの本数を表現したものを歯式といいます。片側の本数のみ記されます。うさぎの歯式は上顎が2・0・3・3、下顎は1・0・2・3です。上顎に16本、下顎に12本、合計28本の歯があります。うさぎと暮らしていてもすべての歯を見ることは難しいですが、たくさんの歯があることで毎日たくさんの牧草を食べていることを理解しておきましょう。

Q5:噛み合わせの異常「不正咬合」の原因になるのはどれ?

不正咬合は、うさぎの歯がバランスよくすり減ることなく伸び過ぎてしまい、噛み合わせに異常が出た状態。放置すると食事を摂れなくなってしまったり、口の中に傷ができたり、歯根に膿瘍ができたりと全身に影響がでる治療必須の症状です。では、その原因は次のどれでしょうか。

1.転倒や落下などによる顔の外傷

2.牧草をあまり食べない

3.固いもののかじり過ぎ

4.遺伝的になりやすい子がいる

正解は……

全部。すべて不正咬合の原因になります

不正咬合の原因はさまざまです。食生活や事故に気をつけていても、遺伝的な要因でなってしまう子もいます。だからこそ、次で紹介するポイントに気をつけて日頃から歯の健康を意識してあげましょう。

うさぎの歯に関するクイズはこれで終了!

あなたはいくつ正解できましたか?5つパーフェクトに答えられなかった方も、これを機にうさぎの歯について学びを深めていきましょう。

うさぎの歯を守るためにできること

牧草をたべるうさぎ

最後にうさぎの歯を健康に保つためにできることを紹介します。

・イネ科の牧草をたくさん食べてもらう

高繊維のイネ科の牧草をたくさん食べることでうさぎの歯やお腹を健康に保つことができます。イネ科の牧草には歯を削る作用があるケイ酸も多く含まれていて、歯のケアに欠かせません。ケージの中にいつもチモシーがある状態にしてたくさん食べてもらいましょう。

中には牧草を好んで食べないうさぎもいます。食べてもらうための工夫をしても変わらないときは動物病院などで相談してみましょう。

・ケージのかじり過ぎに注意する

うさぎがケージをかじっても叱ったり、反応せずに「ケージをかじることに意味はない」と教えましょう。飼い主が反応しなければうさぎは学習をしていくはずです。

それでもひどいときはケージに金網をつけてかじれないようにする、フェンス型のかじり木をつけるなどして対策を。

・動物病院で定期的に健康診断を受ける

うさぎの歯がどうなっているのか観察するのは家庭では難しいものです。うさぎが嫌がって噛まれる危険もあります。できれば動物病院で定期的に健診を受けて歯の様子をチェックしてもらいましょう。もし歯の伸び過ぎを指摘されたときや治療をしたときは、獣医師に指示されたタイミングで再度受診してください。不正咬合は早めに治療した方がうさぎの負担も治療費も少なくすみます。

まとめ

うさぎの歯のクイズと、歯を健康に保つために気を付けたいことをご紹介しました。 うさぎの歯は、一生伸び続けるので、毎日の食事と定期的な健康診断が重要になってきます。

うさぎの歯について今一度よく理解して、異常があったら早く気づいてあげたいですね。

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ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。