
うさぎのケージの中に入れる箱を“巣箱”といいます。
うさぎのケージに巣箱を入れるべきかどうか、迷ったことはありませんか? 実際、巣箱を入れている家庭もあれば、使っていない家庭もあります。うさぎは隠れるのが好きなので、巣箱はあった方がいいのでしょうか。巣箱の選び方や代わりになるアイテムとともに解説します。
巣箱が必要になるのは出産のとき

巣箱が絶対に必要になるのは、女の子のうさぎが出産をするとき。
野生のうさぎのお母さんは巣穴の中に草や自分の毛を集めて巣を作り、出産します。お母さんうさぎが安心して出産し、子育てをするために、飼育下では巣箱が必要です。逆にそれ以外では、巣箱は必ずしも必要なものではありません。もちろん、うさぎは一般に狭くて暗いところ、安心して隠れていられる場所が好きなので、あればより落ち着く場合もあります。また冬の防寒対策になるというメリットも。ただし巣箱が向かないケースもあるので、飼育環境やうさぎの性格にあわせて検討しましょう。
巣箱が向かない場合
次のような場合、巣箱はあまりおすすめできません。
- ケージが狭い
ケージにはうさぎが足を伸ばして休めるスペースが必要です。トイレや牧草入れ、ペレットの容器、おもちゃなど必要なものを入れてさらに巣箱を入れると、ケージの大きさによっては足を伸ばす場所がなくなってしまうこともあります。その場合、無理に巣箱を入れることはありません。
またケージの中でも走り回る活発な子うさぎは、巣箱を入れることで運動する場所がなくなると、外に出たくてケージをかじる癖がついてしまうかもしれません。単純にケージの大きさだけでなく、うさぎにとって充分なスペースがあるかどうかで考えましょう。
- よく巣箱の上にいる
うさぎは意外と高いところが好きです。ケージに巣箱を入れても、中に入らず上に跳び乗って休んでいることも。その様子もかわいいのですが、降りたときにケージの床面(すのこ)の穴や隙間に足をひっかけて骨折するなど、ケガの危険があります。上に乗ることができないトンネルタイプかベッドと交換した方がいいでしょう。
巣箱を選ぶポイント
ケージに巣箱を置けるスペースがあり、設置を迷っているなら、一度置いてみてもいいでしょう。巣箱を選ぶ際は次のポイントをチェックしてください。
- 大きさ
うさぎが入れる大きさが必要なのはもちろん、出入口も出入りしやすい大きさか確認を。ケージに入れても問題ないサイズかどうかも見ておきましょう。置き場所によってはトイレにあたってうまく収まらないことや、出入口が使いにくいこともあるので、ケージのレイアウトを決めてから選びましょう。
- 掃除のしやすさ
巣箱を気に入って長く入っていると、中でおしっこをすることもあります。汚れた場合に掃除しやすいものを選びましょう。上に大きな穴があるタイプはうさぎが落ち着きにくいと思うかもしれませんが、中の汚れ具合の確認や掃除をするのに便利です。
- 素材
うさぎがかじっても安全な素材であることを確認しましょう。うさぎ専用の木製やチモシーで作られた巣箱がおすすめです。
巣箱以外のハウスを選んでも

うさぎの「休憩場所」、「プライベートスペース」となるハウスは、巣箱のほかにも布製、段ボール製などさまざまなタイプがあります。形もトンネルタイプやかまくらタイプ、ベッドタイプなどがあります。
誤食の危険があるので、よくかじる場合は布製や段ボール製は避けたほうがいいです。チモシー製はかじっても安心ですが、設置してもすぐにかじられて(食べられて)崩れてしまうことがあります。ハウスを兼ねたおもちゃとして割り切れればおすすめです。いずれにしても、気に入って使うか使わないかはうさぎ次第。環境やうさぎの性格に合うものを用意してあげましょう。
巣箱を置かない場合は
巣箱は必ずしも必要ではありませんが、置かない場合はうさぎが隠れる場所、安心していられる場所を意識して用意してあげましょう。ケージにカバーをかけるか、布を被せて囲んであげるだけでも、何もしないより落ち着けます。部屋にトンネルや体を隠せるボックスのようなものを置く、イスやローテーブルの下に入れるようにしておくなどして、へやんぽ中にも隠れられる場所を用意しておくといいでしょう。

まとめ
かわいいうさぎのために生活環境を整えることは、いろいろなアイテムを選んだり試行錯誤したりと楽しいひと時でもあります。うさぎの飼育で巣箱をどうするかは、飼い主の自由。そして選んだ巣箱を使うかどうかは、うさぎの自由です。思ったように使ってくれなくて、がっかりすることもあるかもしれませんが、うさぎの性格や様子も見ながら、心地よい環境を作ってあげたいですね。