女の子と気持ちよさそうに眠る猫

猫の腕枕は猫好きであれば憧れるものです。腕を枕に、ゴロゴロのどを鳴らしながら眠る姿は、なんともいえない愛しさがあります。しかし、そんな幸せな時間も長くは続かず、腕のしびれと戦うことになる飼い主さんも少なくないでしょう。今回は、猫が腕枕をしたがる理由と上手に腕を外す方法を解説します。

猫が腕枕をしたがる理由

猫が飼い主さんに対して腕枕をする理由は、猫の習性を考えるとわかりやすいかもしれません。
飼い主さんの腕を枕代わりに寝ていると「猫は腕枕が好き」と思うかもしれませんが、猫同士でも母猫と子猫、兄弟、仲の良い猫同士はみんなくっついて、重なり合って寝ています。
そんな姿を「猫団子」などと言ったりもしますよね。

そうやって考えると、猫が信頼している相手とくっついて寝たいと思うのはとても自然なことだと言えるでしょう。

その事を踏まえて、具体的な4つの理由を解説します。

飼い主さんが好きだから

これは言わずもがな。信頼関係があって好きだからこそ、一緒に寝たいと思うものです。
とはいえ、「くっついて寝たい」「腕枕で寝たい」というのは猫によっても違うので、腕枕してくれないからといって、好かれていないと落ち込む必要はありません!

きっと腕枕とは違った方法で愛情表現をしてくれているはずです。

温かいから

くっついて寝るとお互いに温もりを感じ合えることを猫は知っています。そのため、寒い時期などは腕枕をして寝る頻度も高くなりやすいです。

安心するから

猫はくっついて寝ることで安心感を覚えるので、
成猫でも飼い主さんの身体に額をくっつけたり、腕枕をしたりして寝るのです。

甘えている

猫を撫でているときに、もっと撫でてと言わんばかりに身体を押し付けてきたり、スリスリしたりしてきて、そのまま腕枕状態になることはありませんか?
猫は愛情表現として身体をこすりつける行動をします。そのため、スリスリとしてきたときには甘えたいときなので、腕枕だけでなく、優しく声をかけたり、撫でてあげたりするとより満足してもらえるはずです。

重いし疲れるけど、朝までそのままでいるべき?

腕枕で寝る茶トラ猫

腕枕して寝てくれると、信頼されているという嬉しさや、好きなように寝かせてあげたいという思いになりますが、長時間というのはなかなか辛いものです。

事実、身体に疲れやしびれを感じるということは、血流の流れが悪くなっているという危険信号です。たとえ腕に重さを感じていなくても、猫を起こさないように意識することは、寝返りなど姿勢を変えることを我慢することになるので、結果として全身の血流が悪くなってしまいます。

我慢して寝るのはやめた方がいいでしょう。
睡眠が浅くなり疲れが取れなかったり、肩こりや腰痛など思わぬ影響もあるので、無理せず寝返りをうったり、姿勢を変えて寝るようにしましょう。

猫用のベッドを用意する

「一緒に眠りたいけれど、睡眠も大事にしたい」という場合には、飼い主さんの寝床の近くに猫用のベッドを用意してあげるのがおすすめです。
ベッドの横に置いてサイドテーブルとしても使える猫ハウスなど、猫用のベッドは種類もたくさんあるので、どんなふうに寝たいかに合わせて選ぶといいでしょう。ただし、必ずしも猫が気に入ってくれるとは限りません。愛猫のお気に入りが見つかるまで、いろいろなタイプを試してみるか、あきらめるか、飼い主さんの考え方次第です。

猫の腕枕を外すには、どうしたらいい?

腕枕で眠るキジトラ猫


猫が自分の腕枕で気持ちよく眠っていても、腕が痛くなってきたり、トイレに行きたくなることだってあるはず。そんな時でも、可愛さのあまりギリギリまで我慢してしまう飼い主さんも多いと思いますが、どうしたら猫を驚かさないで腕を抜けるでしょうか?

優しく声をかけてからそっと外す

人でもいきなり身体を触れられるより、声をかけられる方がゆっくり目覚めることができますよね?
それと同じように、腕を動かす前にやさしい声で「ごめんねー」と声をかけるだけで、猫も準備ができるので、驚かさずに腕を外すことができます。

撫でている間にそっと抜く

猫に腕枕をしてあげながら、頭や背中を撫でていたなら、そのままそっと腕を抜いてしまうのも手です。ただし、腕を抜いたら終わりではなく、しばらくは撫でてあげるのがいいでしょう。
すると、腕枕はなくなっても撫でられているという心地よさは残るので、「あれ?」と一瞬思ってもまたすぐリラックスしてくれます。

腕枕の代わりの枕にすり替える

猫用の枕をいつも腕枕する場所の近くに用意しておけば、猫が寝ている隙にすり替えることもできるはず!
頭の高さが変わらなければ、再び眠りにもつきやすくなります。

猫の腕枕を外すときの注意点

女の子の背中で眠る白黒猫


腕が痛くなったりして、腕枕を外したいと思ったときに「おもちゃ」や「おやつ」を使うのはちょっと待ってください。

「おやつ」を食べるのも、「おもちゃ」で遊ぶのも猫にとっては狩りのモード。
安心して寝ていたのに、急にモードを変えてしまうのはおすすめとは言えません。あまり繰り返していると「安心して寝られる場所ではない」と、腕枕をしてもらえなくなってしまうかもしれません。

また、毎回腕枕を外すときに、「おやつ」を出していると「おやつ」欲しさに腕枕をするようになることもあるので、注意しましょう。

猫に腕枕をしてもらうには?


猫が腕枕をしてくれるのは、飼い主さんなら1度は憧れるシチュエーションだと思います。
しかし、すべての猫が腕枕をするわけではありません。ここでは「腕枕をしてもらえそうなシチュエーション」と「腕枕をしてもらえない可能性が高いケース」をお伝えします。

時間が経つのを待つ

猫が腕枕をするのは信頼関係あってこそ。飼いはじめの頃は、腕枕をしてもらうのは難しいでしょう。
猫によっても、慣れるまでにかかる時間はそれぞれですので、無理やり抱いたりせず気長に待ちましょう。

一緒の部屋で寝る

別の部屋に寝ている場合、腕枕に発展しにくいかもしれません。
猫は警戒心の強い動物なので、飼い主さんが寝ている間の方が猫にとっては距離を縮めやすいです。

寒い時期はチャンス

猫は温もりのある場所が好きなので、寒い季節になればそっと寄り添ってくれることも!
すぐに腕枕にならなくても、くっついて寝ることが心地いいと思ってもらえば、いつかは腕枕をしてくれるかもしれません。

多頭飼いしてる?

猫を多頭飼いしていて、猫同士仲が良いのなら互いに重なりあって寝ることもあるので、腕枕を必要としていないのかもしれません。

また、猫が複数いて腕枕をする子としない子がいるのは、ただ単に性格かもしれませんし、序列によるものかもしれません。

まとめ

猫の腕枕は飼い主として、辛いこともありますが、幸せなひとときと言えます。
かわいい寝姿を愛でながら、「私がどいたら起きちゃう」という思いで動くことを我慢する……。しかし、いくらかわいい猫のためでも、我慢のしすぎは身体によくないので、腕を抜くタイミングや方法など、ぜひ参考にしていただければと思います。

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ライター

猫百科編集部

猫百科編集部

獣医師を含む猫の飼い主歴10年以上の編集者が集い、毎日、猫の「あるある話」に花を咲かせ、情報交換している。編集部員の面々は、猫との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。