猫のクラミジアはほとんどが子猫に感染する感染症で、主に眼に症状が出ます。眼の結膜が腫れあがり、猫は不快に感じて眼を気にするため、早めに治してあげたい病気です。
猫がクラミジア感染症になる原因は?
猫クラミジア(クラミジア・フェリス)という細菌が感染することによって起こります。猫の眼の結膜に感染しやすく、1歳以下の子猫でよくみられます。
感染経路
クラミジアは、感染した猫の目やに・鼻水などの分泌物や糞便の中にいます。他の猫がそういった分泌物などに触れることで、感染してしまうケースが多いです。
予防法は?
屋外飼育は感染の大きなリスクになります。クラミジアの感染はもちろん、猫エイズや猫白血病など致死的な感染症にかかる可能性もあります。予防法の第一は、室内飼育です。
そして、この病気は、ワクチン接種で予防できます。接種時期や、接種するワクチンの種類などについては、かかりつけの動物病院に相談してみるとよいでしょう。多頭飼育の環境では、感染が広がりやすいので、感染している猫は隔離し、感染していた子が使っていたケージや食器は消毒するようにしましょう。飼い主自身も、外猫に触れた場合は、よく手を洗い、クラミジアを家に持ち込まないように注意してください。
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猫がクラジミアになったときの症状は?
主に、結膜炎を発症します。結膜炎は、「結膜」という眼球のまわりの膜が充血して真っ赤になり、腫れ上がる病気です。ほとんどの場合、片目から始まって両目へと広がります。ひどくなると、膿(うみ)っぽい黄色い目やにが出ることがあります。また、目が痛いので目を開けるのを嫌がる子もいます。目やにがひどいと、ガビガビに乾燥して目が開かなくなってしまったり、目やにが眼球を覆ってしまい、視界をさえぎってしまうことも。その他、軽度ではありますが、くしゃみや鼻水を伴うこともあります。
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猫のクラジミアはどうやって検査する?
動物病院で検査することになります。綿棒のようなもので結膜を拭い、その検体を検査機関に送り、細菌が検出されるかを確認します。簡易検査として、病院内で、顕微鏡を使って確認することもあります。また、他にも確実な方法として、血液を検査機関に送り、抗体があるかを調べることも可能です。
猫のクラジミアは人間にも感染する?
人で知られる「性器クラミジア感染症」や、時に失明することがある「トラコーマ」は、猫クラミジアとは違う種類のクラミジア菌が原因のため、基本的には感染することはないと考えてよさそうです。しかし、「猫クラミジアが人に感染して結膜炎を発症させた」という報告もあるため、感染した猫の体液などに触った場合は、手洗いを徹底した方が良いでしょう。
感染予防するには?
前述したように、混合ワクチンの中にはクラミジアの予防を目的としたワクチン製剤があります。ワクチン接種については、獣医師と相談して計画するとよいでしょう。
猫のクラジミアの治療法は?
抗生剤の内服により効果的に治療することができます。罹患した眼を清潔に保つため、目やにをきれいに拭き取り、抗生剤の点眼を同時に行う場合もあります。症状が落ち着くまでは、猫が気にして眼を引っかかないようにエリザベスカラーを装着することもあります。
どんな薬が必要?
治療には「テトラサイクリン」など、特定の抗菌薬を使います。投薬は2週間〜3週間継続する必要があり、用法・用量・投薬期間をきちんと守って飲むことが大事です。
診療費は?
アニコム損保のデータによると、通院1回あたりの平均診療費は4,536円程度です 。完治するまで、およそ3~4回、通院すると考えて、14,000~18,000円程度の診療費がかかると考えてよいでしょう。検査機関に抗体検査を依頼する場合は追加で1万円前後かかることを想定しておきましょう。
まとめ
クラミジア感染症は適切な治療と予防を行えば、完治できる疾患です。しかし、治療の開始が遅れたり、せっかく治っても、感染した猫と接触してしまうと完治するまで長い時間がかかることになり、猫にとっても負担になります。猫のためにも、早期の治療と感染予防を心がけましょう。
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