
ゴールデン・レトリーバーは光に透けるゴールドの毛並みが美しい犬種です。体は大きいですが、利口で優しい印象を持っている人も多いのでは? フレンドリーで愛情深く、多くの人を魅了している犬種です。そんなゴールデン・レトリーバーの歴史や性格、気を付けたい病気についてご紹介します。
ゴールデン・レトリーバーってどんな犬種?

ゴールデン・レトリーバーは、温和で人懐こく、愛情深いことなどから多くの人に愛されている犬種です。アニコムの「犬種ランキング2021」でも14位にランクインしていて、大型犬の中ではトップを誇る人気です。
もともとは、ガンドッグと呼ばれる鳥猟犬で、ハンターが撃ち落とした水鳥を泳いで取りに行き、傷つけないように咥えて持ってくるという仕事をしていた犬です。水中でも陸上でも動くことが得意で、天性の回収能力や鋭い嗅覚をもち、狩猟家たちにとても支持されていました。ちなみに、犬種名の「レトリーバー」は、「取り戻す」「回収する」といった意味を持つ「レトリーブ」に由来していて、水中や地上に落ちた獲物を拾って、主人のもとにもどることを表しています。
現在では猟犬としての活躍の場は減りましたが、人と一緒に仕事をすることが大好きな犬種のため、ドッグスポーツでその能力を見せたり、介助犬や盲導犬、セラピー犬などとしても活躍しています。学習能力が高く、運動神経も抜群です。ちなみに、1977年7月に初めて行われたアメリカンケネルクラブ(AKC)の服従訓練コンテストで3頭選ばれたチャンピオン犬はすべてゴールデン・レトリーバーでした。
歴史

ゴールデン・レトリーバーの歴史はほとんど不明だとされていますが、イギリス発祥の犬種であることは間違いないといわれています。19世紀、現在では絶滅してしまっている「トゥイード・ウォーター・スパニエル」と「ウェービー・コーテッド・レトリーバー(現在のフラット・コーテッド・レトリーバー)」を交配させ誕生した犬種だといわれています。
1903年に正式に独立した犬種としてイギリスのケネルクラブ(KC)に登録されました。
また当時は、レッドやマホガニーといった濃い毛色が好まれていていたため、クリームは犬種標準からは除外されていました。
その後1925年には、アメリカンケネルクラブ(AKC)でも犬種登録がされ、現在ではイギリスタイプと、アメリカタイプの2タイプが存在しています。
サイズ
ゴールデン・レトリーバーは大型犬に分類される犬種です。
男の子では体高56cm〜61cm、女の子では体高51cm〜56cmほどです。男の子の体重は30kg〜36kg、女の子は27~33㎏程度です。
性格は?

ゴールデン・レトリーバーは陽気で人懐っこく、優しい性格をしています。
幼少期はとてもやんちゃですが、介助犬や盲導犬としても活躍するほど高い能力を持つ犬種なので、子犬の頃からしつけをきちんとしていきましょう。大型犬なので、人に飛びついたりして思わぬトラブルなどを引き起こしたりせず、一緒に楽しく暮らしていくためにもしつけはとても大切です。
また、遊ぶのが大好きな活発な一面もあります。アニコム損保の調べによると、ドッグランなど遊べる施設に費用をかけている犬種ランキングでは第1位となっています。その他にも、フード・おやつの費用がかかる犬種ランキングでも第1位となっています。大型犬なので、もちろん小型犬よりも食べる量は多くなるので、自ずと費用はかかります。併せて、おやつなどにこだわる飼い主さんが多いこともあるかもしれませんね。
ちなみに、アニコム損保のアンケート調査によると、いつか一緒に暮らしてみたいと思っている犬種の第1位は「ゴールデン・レトリーバー」でした。犬種ランキングでも14位と、実際に暮らしている人も多く、さらにはこれから暮らしてみたいと思っている人も多い大変好感度が高い犬種であることが伺えます。
【関連記事】
犬種ランキング2021を大発表! 憧れの犬種ランキングも♪
被毛・毛色について

ゴールデン・レトリーバーは、直毛とウェーブのかかった毛のタイプがありますが、どちらもダブルコートの被毛をしています。
毛が長く、耳の下や脇、お尻やしっぽなどはホコリや被毛同士が擦れ、毛玉になりやすいので、丁寧なブラッシングが大切です。
毛色について
毛色は淡いクリームから赤に近い色まであり、濃淡はさまざまです。わずかに見られるホワイトは胸にだけ許容されています。
現在スタンダードとして認められているのはクリームやゴールドといった毛色で、レッドやマホガニーのような濃い毛色は認められていません。
寿命はどれくらい?

アニコムの「家庭どうぶつ白書2023」によると、ゴールデン・レトリーバーの平均寿命は10.7歳です。
犬の寿命は体の大きさによって変わり、小型犬に比べ大型犬の方が寿命は短い傾向があります。
これは、小型犬も大型犬も心臓の大きさがほぼ変わらないため、大型犬のほうがより負担が大きいからだといわれています。
しかし、ここ数年でフードもいろいろなものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動などに気を付けて、愛犬が少しでも長く健康で過ごせるといいですよね。
ゴールデン・レトリーバーの気を付けたい病気
アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、耳血腫や血管肉腫、股関節形成不全になりやすいことがわかっています。
【関連リンク】
耳血腫|みんなのどうぶつ病気大百科
股関節形成不全|みんなのどうぶつ病気大百科
症状が重症化する前に気がつけるよう、日頃からいつもと違った様子が見られないか、犬の行動や体を触ってみて確認する習慣を付けるほか、少なくとも1年に1回、高齢になったら半年に1回は健康診断に行くことをおすすめします。
ゴールデン・レトリーバーを家族の一員として迎える方法
ゴールデン・レトリーバーをぜひ家族の一員に!と思ったら、どこで出会えばいいのでしょうか。主に考えられる方法は3つあります。
ペットショップで探す
ペットショップなら、フードやトイレなど、犬との暮らしに必要なものを一緒に揃えられるため、迎えたその日からきちんと住環境を整えてあげることができそうです。とはいえ、ゴールデン・レトリーバーをペットショップで見かけることは多くないので、事前に取り扱いがあるか確認してから行くとよいでしょう。
また、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。
ブリーダーさんから紹介してもらう
ブリーダーさんからお迎えする最大の特徴は、迎えると決めた子の特徴やクセ、これまでの成長の様子や環境などをブリーダーさんに直接聞いたり、質問できたりすることです。また、親猫や兄弟・姉妹たちの姿を見る機会も得られる可能性があるので「将来どんな風に成長していくのか」を想像しやすいこともメリットです。
繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。
※アニコムグループの(株)シムネットが運営する『みんなのブリーダー』へ移動します。
里親になる
最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。こうした譲渡会や里親募集でゴールデン・レトリーバーと出会える機会もあるかもしれません。
まとめ

見た目に美しくかわいいだけでなく、賢く、性格も穏やかで愛情深いゴールデン・レトリーバーは、最高の家族になってくれること間違いなしです。一緒に楽しく暮らしていくためにも、子犬の頃から社会化や基本的なしつけをしてコントロールができるようにしておきましょう。