
うさぎを飼う人が増えている昨今、日本でもいろいろな品種のうさぎを見かけるようになりました。そんな中、まだまだ珍しい方ではありますが、注目され始めているのがアンゴラウサギ。一体どんなうさぎなのか、その特徴や性格、飼い方について紹介します。
アンゴラウサギはどんなうさぎ?
アンゴラウサギはフレンチアンゴラ、イングリッシュアンゴラなど「アンゴラ」と呼ばれる品種の総称。少なくとも11の品種があることがわかっていて、世界最大級のうさぎ協会・アメリカうさぎ協会(ARBA)では「イングリッシュアンゴラ」「フレンチアンゴラ」「ジャイアントアンゴラ」「サテンアンゴラ」が公認品種となっています。一番の特徴は10㎝ほどにもなる長い被毛。ジャージーウーリーや、アメリカンファジーロップなどの、長毛種のうさぎの元祖でもあります。
アンゴラウサギの特徴は?
ネザーランドドワーフやホーランドロップなど小型の品種の体重が1~2㎏であるのに対して、アンゴラウサギは3~4㎏くらい。うさぎの中では中型です。毛を伸ばしたアンゴラウサギは、毛のボリュームが多いために、その体がさらに大きく見えます圧。毛をカットするとフワフワのぬいぐるみのような姿になるのがかわいい特徴のひとつです。
細かな特徴やカラーは品種によって異なります。イングリッシュアンゴラはアンゴラウサギの中では小柄で、耳と顔にも長い毛が生えているのが特徴。顔は鼻がわずかに見える以外はすっかり長い毛に覆われていて、うさぎとは別の生き物のようです。フレンチアンゴラは顔まわりの毛はすっきりしていますが、体は長い長毛に包まれています。
アンゴラウサギは毛が伸び続けるので、人が手入れをしないと生きていくことも難しいといわれています。換毛期はグルーミングを1日に2~3回、それ以外の時期も週に2~3回は必要です。また3~4ヶ月に1回は毛をカットするなど、ほかの長毛のうさぎ以上に丁寧にお手入れをする必要があります。
アンゴラウサギのカラーバリエーションは?
アメリカうさぎ協会(ARBA)の公認品種の中ではイングリッシュアンゴラ、フレンチアンゴラ、サテンアンゴラはさまざまなカラーバリエーションがあります。単色でもブラック、ブルー、チョコレート、ライラック、ホワイトがあり、さらに色が組み合わさった多様なカラーパターンがあります。ジャイアントアンゴラはホワイト一色です。ただ日本で出会えるアンゴラウサギは限られているので、カラーを選ぶことは難しいかもしれません。
アンゴラウサギの性格は?

もちろん個体差はありますが、おとなしく穏やかで人懐っこい子が多いようです。アメリカンファジーロップやジャージーウーリーといった長毛のうさぎがおとなしく穏やかなのはアンゴラウサギの性格を受け継いだからといわれています。
アンゴラウサギはオスとメスで性格が違う?
うさぎは一般に、男の子の方が穏やかで懐きやすく、女の子は気が強い傾向があります。また男の子は縄張り意識が強く、ケージの外にもおしっこでマーキングをすることも。女の子は妊娠すると気性が荒くなることがあります。実際には性格や行動は個体差が大きく、男の子でもマーキングをしない子もいれば、女の子でもやさしい子もいます。
アンゴラウサギの歴史は?
アンゴラウサギが長毛になったのは突然変異と考えられていますが、古くから存在しているうさぎでそのルーツは正確にはわかっていません。アンゴラという名前から、アンゴラ地方が発祥の地と思われがちですが、アンゴラ地方との関わりはありません発祥はトルコのアンカラという町で、当時、アンゴラウサギの毛織物に魅せられた船員がフランスにアンゴラウサギを持ち帰り、国内で飼育が広がったことがはじまりといわれています。やがてヨーロッパのほかの国にも広がり、アメリカには1920年代に輸入されました。その後1944年に「イングリッシュアンゴラ」と「フレンチアンゴラ」が公認品種に。それから「ジャイアントアンゴラ」や「サテンアンゴラ」が登場しました。被毛を毛織物にするために世界中に広がったうさぎですが、今ではペットとしても愛されています。特に比較的小柄な「イングリッシュアンゴラ」が家族の一員として親しまれています。
日本では昭和初期に毛を生産するためにアンゴラウサギの飼育がさかんになり、「日本アンゴラ」という品種が誕生しました。全身が白く目が赤いのが特徴です。一時期は日本が世界で一番アンゴラウサギの飼育頭数が多いこともありました。その後、うさぎの毛織物の軍事需要がなくなり飼育は徐々に衰退。「日本アンゴラ」という品種は、今では大変希少な種となっています。
アンゴラウサギの寿命は?

ペットのうさぎの寿命は約7~8年といわれていましたが、近年はさらに伸びている傾向にあり、10歳を超えることも珍しくありません。ちなみにギネス記録に認定された最も長生きしたうさぎの記録は、18歳10ヶ月だそうです。家族としてお迎えしたら、健康管理に気をつけて長寿を目指しましょう。
アンゴラウサギとの暮らし方
アンゴラウサギと暮らす前に知っておきたい食事や環境のポイント、注意したい病気を見てみましょう。
アンゴラウサギの食事はなにをあげればいい?
うさぎの基本の食事は質の良い牧草とペレットです。牧草は常に切らさないように充分な量をケージに入れ、食べたいときに自由に食べさせます。ペレットは成長期の子うさぎは食べ放題にして、大人になったら決まった量を1日2回、朝と夕方に与えます。野菜や果物などはおやつとして少量を与えましょう。
アンゴラウサギは毛が伸び続けるので、ほかのうさぎよりもたんぱく質の要求量が高めです。ペレットの量や種類で工夫してみましょう。また、お腹に飲み込んだ毛が詰まらないように高繊維の食事をすることが大切です。
アンゴラウサギにしつけはできる?
ほかのうさぎと同じくトイレの場所を覚えたり、名前を呼んだら走ってきてくれたりします。穏やかな性格なので抱っこもしつけやすいでしょう。ただ、足で大きな音を出す、何でもかじる、マーキングをするといった問題行動は、うさぎの本能的な行動なのでしつけでやめさせることはできません。うさぎの不満を解消する、かじってほしくないもの・汚されたくないものは保護するなどして対応を。
アンゴラウサギに必要な飼育環境や適温は?
中型のうさぎなのでケージは広めのものを用意しましょう。ケージはうさぎが落ち着ける壁際で、湿気や温度変化が少なく、直射日光があたらない場所に置きます。ケージの中にはペレットの容器、牧草の容器、給水ボトル、トイレを設置します。さらに巣箱やマット、おもちゃを入れても。
一般にうさぎの飼育に最適な温度は18~24度、湿度は40~60%といわれていますが、アンゴラウサギは長毛のため、なるべく涼しい環境を心がけてください。湿度も低めが理想です。夏場は毛を短くカットすると過ごしやすくなります。うさぎ専門店などで、グルーミングや爪切りと一緒にやってもらうといいでしょう。
アンゴラウサギはどんな病気に気を付けたらいい?
アンゴラウサギは一般的にうさぎに多い病気のほかに、次の病気に気をつけてください。
毛球症
毛づくろいの際に飲み込んだ毛がうまく消化管を流れず、胃の中で絡まって球状になることがあります。すると消化管の流れが悪くなり、食欲不振、うんちが小さくなるといった症状があらわれます。毛のかたまりが完全に消化管を塞いでしまうこともあり、悪化すると命にもかかわる病気です。症状が軽ければ投薬で改善しますが、外科手術で詰まった毛を取り出すこともあります。アンゴラウサギは毛が長くて細く絡まりやすいため、毛球症には充分な注意が必要です。日頃から高繊維質の食事を意識して、食欲やうんちをよく観察してください。少しでも様子がおかしい、食欲がないなどの異変があった場合には、動物病院に行くようにしましょう。
皮膚炎
アンゴラウサギのような長毛のうさぎのお手入れを怠ると、毛が絡まってフェルト状になってしまいます。このフェルト状になった毛を放置すると、空気の通りが悪くなって皮膚炎を起こすことがあるほか、動くときに毛が引っ張られて痛みが起こり、動きがとれなくなってしまうことも。そうでなくても、毛が長いために皮膚を観察することが難しく、皮膚の異常に気づきにくいものです。基本的なお手入れを欠かさず、定期的に皮膚の状態もチェックしてあげましょう。

まとめ
アンゴラウサギはモフモフの毛を持ったとても愛らしいうさぎですが、毛の手入れや温度管理はほかのうさぎよりも気をつかうことになります。逆にいえば、顔の長い毛を結んだり、さまざまなカットを楽しんだりと、ほかのうさぎではできない楽しみもあります。アンゴラウサギの特徴とお世話をよく理解したうえでお迎えを検討しましょう。
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