
うさぎにお手入れは必要なの?
もちろんうさぎにもお手入れは必要ですが、その頻度や必要性は毛質や性格などうさぎの個性や飼育環境によって異なります。ここでは毎日気をつけたい歯のケアと、行う機会が多いブラッシングについて紹介します。
犬は虫歯になりにくく、猫にいたっては虫歯にならないのですが、歯周病のリスクがあるので歯磨きが必要です。ではうさぎはどうかというと、歯磨きは必要ありません。しかし歯のトラブルは起こりやすいので、日々の生活で気をつけてあげましょう。
歯磨きのかわりに何をしたらいい?
うさぎの歯は、人間や犬、猫とは異なり一生伸び続けます。そのままただ伸び続けていては、口に入りきらなくなってしまいますよね。伸びた分のうさぎの歯は、硬くて繊維質の多い牧草を食べることで削られ、適切な長さに保たれているのです。
ところが、食事内容の偏りや遺伝的な要素などが原因で、歯がうまく削られなくなってしまうことがあります。すると歯が伸びすぎてしまうためにかみ合わせが悪くなることがあります。この状態を「不正咬合」といいます。
うさぎの健康な歯を保つために飼い主さんができることは、日頃からうさぎに繊維質の多い牧草を与え、よく食べてもらうことです。牧草はうさぎ・ペット用としてよく売られているチモシーの一番刈りが理想的ですが、うさぎの好みによってはあまり食べないことも。その場合はほかの種類も与える、牧草を固めたキューブタイプのものをあげるなどして食べてもらいましょう。
乾燥した牧草でなく、生牧草ならよく食べてくれることもあります。チモシー以外の牧草をメインにする場合は、マメ科の牧草(アルファルファ、クローバーなど)は栄養価が高すぎるので避けて、イネ科の牧草(オーツヘイ、バミューダヘイ、イタリアンライグラスなど)を選びましょう。
また、うさぎは「遊んで!」「ごはんちょうだい!」という意思表示のために、よくケージの金網をかじることがあります。金属製の固いものをかじることで歯に負担がかかり、歪みが生じて不正咬合を招くことがあります。頻繁にケージをかじるときは、かじることを防止する木製の保護グッズをかじりやすい部分に設置するなどして、かじりすぎを防いでください。
なお、うさぎ用のかじるおもちゃでは、歯の伸びすぎは防ぐことができません。おもちゃはうさぎが好んでかじるようであれば使用し、日々の食事内容で歯のケアをしてあげましょう。
うさぎの歯のかみ合わせが悪いとどうなる?
かみ合わせが悪くなることで起こる合併症があります。まず、伸びてしまった歯や鋭くなった歯が、口の中を傷つけてしまうことで、食欲が落ちてしま場合があります。
食欲がなく、十分な食物繊維を摂取できず、「胃腸うっ滞」などの命に関わるようなな病気になってしまう場合があります。
また、奥の臼歯が伸びすぎると、その歯根が目と鼻をつなぐ鼻涙管を圧迫して鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)を起こし、目から涙が溢れ出して止まらなくなることがあります。涙をそのままにしておくと、皮膚が炎症を起こし、目のまわりが脱毛したり皮膚炎になったりする可能性があります。
うさぎにブラッシングは必要?
うさぎは年に2回、冬毛から夏毛へ、夏毛から冬毛へ全身の毛が生え変わる「大換毛」があります。それ以外でも換毛があり、およそ3ヶ月に一度は換毛をしています。そのためブラッシングをして抜けた毛を取り除くお手伝いをする必要があります。
ブラッシングの頻度は毛の長さによって異なります。短毛種であれば日頃は1週間に1回程度、大換毛の時期には頻度を増やして1~2日に1回の目安で行います。
長毛種では大換毛の時期以外もこまめなお手入れが必要です。長い毛は絡まりやすいので、単にブラシをかけるだけでなく、スリッカーや櫛も使って毛をほぐしていきます。
小さい頃から、ブラッシングに慣れさせておけば、コミュニケーションの一環としてブラッシングを嫌がることなくさせてくれます。ブラッシングをしながら、頭や身体全体を撫でてあげることで、そのままうとうとして眠ってしまう子も。うさぎの健康のためだけでなく、絆を深めるためにもブラッシングは定期的に行ってあげましょう。
ブラッシングをするとどんな病気を防げる?
うさぎは自分で毛づくろいをしますが、その際に飲み込む毛が多いと、胃の中で毛玉ができてしまい、消化管をふさぐ毛球症になることがあります。ブラッシングで換毛のために抜けた毛を取り除くことは、毛球症の予防になります。
長毛種ではブラッシングを怠ると、毛が絡まって表面がフェルトのようになってしまいます。すると皮膚が蒸れてしまい皮膚病を引き起こすことがあります。それだけでなく、毛に皮膚が引っ張られて痛みが起こり、うさぎが動けなくなることも。こまめなブラッシングで予防しましょう。
どんなブラシを使うのがいい?

うさぎのお手入れ用のブラシには大きく分けて4種類の形状があります。それぞれのブラシの特徴を抑えて、うさぎの種類や、換毛の時期に合わせて使ってあげましょう。
- ラバーブラシ
主に表面の毛のお手入れ向き。やりやすい反面、皮膚に近い(フワフワした)毛は取りにくい。
- スリッカー
皮膚に近い(フワフワした)毛も取りやすい。皮膚を傷つけないように先端がゴム状でやさしくブラッシングができる。
- 豚毛
柔らかい毛なので絡まった毛はとれないが、毛並みを整えられる。
- 櫛
毛玉が取りやすく、きれいにブラッシングができる。
初めて使用するブラシは、うさぎも慣れていないのでびっくりすることも。慣れさせるために、ブラシをうさぎの目に入るところに置いておいたり、怖くないものだと認識させておくことも重要です。
そのほかに必要なお手入れは?
毎日の食事で歯に気をつけることとブラッシングのほかに、1~2ヶ月に一度、爪切りをします。うさぎの爪は長すぎると、毛づくろい時に皮膚を傷つけてしまったり、カーペットなどに爪をひっかけてケガをしてしまう可能性があります。
また垂れ耳の品種では耳のお手入れをすることもあります。うさぎは日常的に自分で毛づくろいをしているので耳だけでなく全身もひどく汚れることはなく、基本的にシャンプーは不要です。水に濡れることを嫌い、皮膚が繊細なのでしないようにしましょう。どうしてもシャンプーが必要なほど汚れてしまった場合には、濡れた布などで汚れを拭ってあげましょう。(※できるだけ、うさぎをお風呂に入れないようにしましょう。)
うさぎのケアに必要な費用やアイテムは?
ブラッシングのためにグルーミングスプレーとブラシが必要です。ブラシにはラバーブラシ、スリッカー、豚毛ブラシがあります。長毛種は櫛も使ってお手入れをします。自宅でのケアのほかに、うさぎ専門店などでグルーミングをお願いすることもできます。費用は内容や施設により異なりますが、数千円になります。
爪切りを自宅で行う場合はうさぎ用の爪切りが必要です。動物病院やうさぎ専門店などでお願いすることもできます。その場合の費用も、動物病院や専門店により異なりますが、およそ500円前後が相場です。

まとめ
うさぎのお手入れとして歯とブラッシングについて紹介しました。どちらも大切なことですが、うさぎの個性は千差万別。ブラッシングを嫌がる場合は頻度を減らすか回数を増やして1回の時間を短くするといった調整が必要です。お手入れをしなくては! と意気込むのではなく、うさぎの健康を最優先に考えて、その子にあった方法を見つけていきましょう。
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