
人ではとても良くみられる歯のトラブル、「虫歯(う歯)」。 うさぎも虫歯になるのか、気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。 今回は、うさぎの虫歯について原因や症状、治療法や予防法を解説したいと思います。
虫歯ってどんな病気?原因は?
虫歯とは、虫歯を起こす細菌が糖質を栄養にして作られる「酸」によって歯が溶け、穴が空いてしまう病気です。 虫歯は、主に酸を作る「原因菌」、酸に溶けやすい「歯の質」、細菌の栄養になる「糖質」の3つの要因が重なることで発症します。
そもそもうさぎって虫歯になるの?

本来、うさぎは草食動物であり、自然界では糖類の入ったものを滅多に食べないため、基本的に虫歯になることはありません。 しかし、飼育されているうさぎでは、飼い主さんから炭水化物や糖分を多く含んだおやつや野菜、くだものを与えられることで虫歯になることがまれにあります。
うさぎの歯は常生歯(じょうせいし)といって常に伸びつづけていて、硬くて繊維質の多い牧草をしっかり歯ですりつぶして食べることで歯が削られます。そのため、虫歯ができても削られることでなくなることが多いです。しかし、うさぎで非常に多い歯の病気である不正咬合によって歯のかみ合わせが悪くなると、歯が削られなくなり、虫歯が残ってしまうことがあります。
うさぎの虫歯はどんな症状が出る?
虫歯の初期は特に痛みなどの症状はありません。 進行して神経や血管の走っている歯髄(しずい)まで歯が溶けると、歯の痛みによる食欲や元気の低下がみられます。
うさぎの虫歯に関連する病気はある?

歯髄まで歯が溶け、細菌が入り込んで歯の根元の歯槽(歯のはまっている骨)に感染が広がり歯槽炎や、歯の根元に膿がたまる歯根膿瘍(しこんのうよう)になることがあります。
うさぎの虫歯はどんな治療をするの?
うさぎの歯は、常に伸び続ける常生歯のため、伸びた歯を削ることで虫歯もなくなることが多いです。 歯髄が露出し、歯槽部に感染が広がっている場合には、歯を抜く治療を行うこともあります。
うさぎの虫歯の予防法は?

うさぎの食事には、しっかり牧草を食べさせることが非常に大切です。食生活に気をつけていれば、基本的に虫歯を恐れる必要はありません。 牧草を歯ですりつぶして食べることで歯が削られ、不正咬合になることも防げます。
ペレットや野菜をたくさんあげるとそれでお腹がいっぱいになってしまい、牧草を食べなくなる可能性があるため、適量をあげるようにしましょう。
また、野菜の中でもうさぎが好んで食べる印象があるにんじんや、かぼちゃなどは糖質を多く含んでいます。おやつやくだものも同様です。控えるか、あげる場合は少量にとどめましょう。
また、定期的に病院で歯をチェックしてもらうことも、予防や早期発見につながります。
まとめ
うさぎでは虫歯はまれな病気ですが、発症すると歯根膿瘍(しこんのうよう)など他のトラブルを引き起こす可能性があります。 常に食べ続ける動物であるうさぎにとって歯は非常に大切です。
硬くて繊維質の多い牧草をしっかり食べさせるようにすることは、さまざまな歯のトラブルの予防につながります。 おいしそうに食べるからといって、おやつなどをあげすぎないように注意しましょう。
