モフモフで丸いイメージのうさぎですが、あまりに丸く、お腹が出ていたら肥満が心配です。人間や、他の動物と同様、うさぎも太ってしまうと病気にかかりやすくなるので、肥満は大きな問題です。しかし、うさぎが太っているかどうかは気づきにくいもの。肥満とはどんな状態なのか、またその原因やリスク、対策や予防法を知っておきましょう。

うさぎの肥満はわかりにくい

うさぎはフワフワの毛に包まれていて実際の体型がわかりにくく、個体差も大きいため、肥満かどうかわかりにくいものです。体重も個体差があるため、同じ品種のうさぎでも1㎏程度の子もいれば、2㎏前後の子もいます。そのうさぎの体格に見合った体重であることが重要なので、品種と体重だけで肥満かどうかは判断できません。また体型も品種による差が大きく、ずんぐりした体型が標準の品種も、やせ型が理想体型の品種もあります。自宅で肥満かどうかわからなければ、動物病院で健康診断や診察を受けて体型が適切かどうか診てもらいましょう。

こんなうさぎは太り過ぎかも

うさぎの肥満の画像

わかりやすい特徴として次のような様子が見られたら、肥満の可能性があります。

・お腹がふっくらしている

普通体型まではうさぎのお腹はすっきりしていて、横から見ると地面との間にしっかり隙間があります。妊娠でもないのにお腹がふっくら見える、地面との間にあまり隙間が見られないというときは、肥満の可能性が高いです。

・顔と体の大きさがアンバランス

理想的な体型のうさぎと比べて、肥満のうさぎは顔に対して体がかなり大きく見えます。

・盲腸便の食べ残しがある

太り過ぎると体を曲げて盲腸糞を食べることができなくなり、盲腸糞が落ちていたり、お尻の周りが汚れたりします。

・毛づくろいができていない

肥満のため、体をひねって背中やお尻が毛づくろいできなくなるため、毛並みが乱れたり、汚れたりします。

太っていると思ったら、思わぬ病気のことも

「わが家のうさぎは、ちょっとお腹が出てて太ってるだけなのよ~」と、肥満だと思っていたら、女の子の場合は子宮の病気になっている場合があります。「太っているかも?」と飼い主が判断し、ダイエットをさせる前に動物病院で見てもらうことをおすすめします。

肥満のリスクは?

肥満になると病気にかかりやすくなり、長生きすることも難しくなってしまいます。体重で足に負担がかかると関節炎やソアホックに。肉垂(にくすい)が大きくなることや、毛づくろいが難しくなることで皮膚炎になることもあります。そのほか動脈硬化、脂肪肝、胃腸うっ滞などにもかかりやすくなります。また病気で手術をする場合により多くの麻酔が必要となり、体に大きな負担がかかります。

※肉垂とは…メスのうさぎの首元につくマフラーのような脂肪のこと

うさぎが太る原因

うさぎの画像

肥満の主な原因は不適切な食事です。多いのはペレットの与え過ぎです。ペレットの量は、成長期(7ヶ月まで)は体重の3~5%、維持期以降は体重の1.5~2%が目安です。維持期以降も成長期と同じくらいの量を食べていると肥満の原因となります。ペレットの量が多いと牧草を食べる量が減ってしまうので、牧草をきちんと食べているかもチェックしながら調節する必要があります。また避妊手術や去勢手術をすると肥満になりやすくなります。

手術を終えたうさぎは、その後の体重管理にも気を付けてあげましょう。

うさぎの肥満の解消法

独断でダイエットを始めるのではなく、一度動物病院を受診して、改善が必要なほどの肥満なのか、病気が原因となっていないか確認することをおすすめします。

肥満を解消するには、健康的な食事内容に変えていくことが第一です。食事療法のやり方は、肥満の程度や状況によって異なります。獣医師から指導があれば、指示通りに進めていきましょう。

ここでは基本的な食事の改善方法を紹介します。低カロリーなチモシーはうさぎにとって理想的な牧草なので、変わらず無制限に与えて、できるだけたくさん食べてもらいましょう。さらにペレットの量を見直して減らしていきます。アルファルファベースのペレットをあげていたら、チモシーベースのものに切り替えましょう。シニア用や肥満予防のペレットに変えるのもひとつの方法です。おやつもできるだけ減らし、果物から野菜、糖分の多い野菜から葉野菜と、なるべく低カロリーなものに変えていきます。低カロリーなおやつであっても、量は必ず少量に留めることを忘れないでください。

牧草を食べるうさぎ

またへやんぽの時間を増やしたり、おもちゃで遊ばせたりして、毎日運動の機会を設けます。ケガの原因になるので、肥満のうさぎや高齢のうさぎを無理に運動させるのはやめましょう。あくまで遊びで体を動かすようにします。

肥満解消のポイントは「根気」

肥満解消のポイントは飼い主の「根気」です。面倒でもペレットは毎回きちんと計量し、決まった量を与えましょう。うさぎのおねだりにも負けてはいけません。ペレットをもっともっとと欲しがるときは、転がすと出てくるトリートボールに入れて遊びながら食べさせる、牧草に隠して探させるなど、与え方を工夫してみてください。おやつも求められるままあげたり気分で量を決めたりするのではなく、毎日決まった量にして、絶対にそれを超えて与えないようにしましょう。

またこの機会にうさぎの正しい食事の与え方を知って、不適切なもの(穀類やマメ科の植物、糖分が多い食品など)を与えていないか確認を。正しい食事にするにも、急に食事内容を変更すると胃腸うっ滞を起こす危険があります。まずチモシーをしっかり食べてもらい、胃腸を安定させることが大切です。ペレットを変更するときには、今まであげていたペレットと新しくあげるペレットを別々のお皿に入れてあげるようにしましょう。もし、新しいペレットが嫌いだった場合に、今までペレットを食べなくなってしまうことがあります。味に敏感なうさぎはペレットを変える際には、要注意です。

肥満を予防するためにできること

「主食はチモシー」「副食はペレット」「それ以外は補食(おやつ)」を基本として、おやつはごく少量に留めます。チモシーをあまり食べないときは、ソフトタイプに変える、牧草ペレットで味に慣れさせる、ほかのイネ科の牧草を与えてみるなど工夫をしましょう。へやんぽも毎日させて充分に運動をしてもらいます。

手からおやつをあげるのは楽しいひと時ですが、うさぎとのコミュニケーションをおやつに頼りすぎないようにしましょう。好きなところを撫でる、マッサージする、一緒に遊ぶなど、食べる以外にも楽しめることを教えてあげてください。

にんじんを食べるうさぎ

できれば毎週または毎月うさぎの体重を計り、記録する習慣をつけましょう。曜日や日にちを決めて、同じ時刻に同じスケールで測定するのが理想です。体重の変化をチェックすれば肥満に早く気づくことができますし、病気の早期発見にもつながります。

痩せすぎにも気をつけて

肥満のリスクについて説明しましたが、逆に痩せすぎている場合も適切な栄養状態とはいえません。この場合も日頃の食事を見直す必要がありまます。病気やストレスが原因で痩せることもあり、健康状態が悪いことも考えられます。太り過ぎが心配でなくても、動物病院などで定期的に体型をチェックしてもらいましょう。

まとめ

肥満はうさぎの体に大きな負担をかけます。気づかないうちに太ってしまうこともありますが、すぐに正しい食生活に変えれば、また普通体型に戻り、健康に長生きできる可能性は充分あります。肥満を指摘されたら、今までの飼い方を見直すチャンス。飼い主側にも根気がいりますが、うさぎ自身のためにおやつや好物の与え過ぎは自制しましょう。

ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。