
シラミと聞くと、人の頭で増えてかゆみの症状が見られる「アタマジラミ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
実は、うさぎに感染するシラミも存在します。うさぎが体をかゆがり、皮膚にフケやかさぶたが見られた場合、シラミに感染しているかもしれません。
うさぎのシラミは、特に幼齢や高齢、病気のうさぎで発症、重症化しやすいため注意が必要です。
今回はうさぎのシラミについて紹介します。
うさぎのシラミってどんな病気?原因は?
シラミとは昆虫の1種で、動物に寄生して血液や体液を吸うことで栄養を摂取します。
動物の種類により異なる種のシラミが寄生し、うさぎにはウサギシラミが寄生します。人のシラミはうさぎには寄生せず、うさぎのシラミは人には寄生しません。
ウサギシラミは、うさぎの毛に卵を産み付けます。背中や脇腹によく寄生します。7日程度で孵化し、その後脱皮を繰り返して成虫へ成長します。成虫の大きさはオス約1.0㎜、メス約1.5㎜です。毛色が黒い部分では、白い点々が動いているように見えるのが実際の大きさです。ウサギシラミの一生(ライフサイクル)は30日程度で、うさぎに寄生した状態で過ごし、うさぎから離れると1日以内に死んでしまいます。
シラミを持っているうさぎと接触することで感染するため、外で他のうさぎと接触したときや、迎えてすぐの時期などに注意が必要です。
うさぎのシラミはどんな症状が出る?

シラミがいると、うさぎの毛が抜けたり、かゆがる仕草が見られます。寄生しているシラミの数が多い場合、フケやかさぶたが見られることもあります。
また、うさぎの血液や体液が吸われることによって、貧血や元気低下といった症状が見られることもあります。
うさぎのシラミに関連する病気はある?
幼いうさぎや高齢のうさぎ、病気のうさぎで寄生されやすく、症状が重くなる傾向にあります。これは、健康なうさぎに比べて免疫力が低下しているためです。
うさぎのシラミはどんな治療をするの?

シラミを治療するには、背中に垂らすスポット剤タイプの駆虫剤を投与します。 卵には直接の効果がないため、間隔をあけて何度か駆虫剤を使用する必要があります。 また、ブラッシングによって卵をできる限り除去することも、治療の助けとなります。
うさぎのシラミの予防法は?
感染が疑われるうさぎとの接触は避けましょう。人が運ぶ可能性があるため、他のうさぎを触った後にはしっかりと手洗いをすることも大切です。
また、ケージの中をこまめに掃除し、環境を清潔に保つことも予防につながります。

まとめ
うさぎのシラミは比較的まれな病気ですが、発症するとかゆみによるストレスや吸血による貧血などでうさぎが弱ってしまうかもしれません。
日常的に皮膚の状態を観察しながらブラッシングを行うことが、早期発見につながります。 わが子の皮膚の異常に気づいたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。