8月8日は「世界猫の日」。「人間と猫の友情を深めあうとともに、猫に安全な生活を提供することを誓う日」とされています。何か決まり事があるわけではないので、それぞれが好きなやり方で、猫との絆を深められる1日にしたいですね。ここでは、「世界猫の日」にちなんで、猫にまつわる各国のことわざや猫の仕草の呼び方などをご紹介。合わせて各国代表の猫種のご紹介も。知ったらすぐに話したくなる雑学がいっぱいです!
ユニークな表現も!各国の猫にまつわることわざ
「猫に小判」や「窮鼠猫を噛む」など、日本には猫が登場することわざがたくさんあります。それだけ猫が私たち人間に身近な動物であることの表れですが、海外ではどうでしょう?代表的なことわざをご紹介します。

■アメリカ
See which way the cat jumps.
「猫がどこへ跳ぶか見てみよう」
自由気ままで、気分屋の猫。次にどんな行動を起こすのか読めないことからできたことわざで「事の成り行きを見守る、日和見する」という意味があります。
■ロシア
Без кота мышам раздолье.(ベズ カタ ミシャム ラズダリエ)
「猫がいなければねずみが好き放題」
見張りをする人がいなければ、誰だって好き勝手なことができるという意味です。日本の「鬼の居ぬ間に洗濯」と同じ意味合いといえます。
■イギリス
A cat has nine lives.
「猫には九つの命がある」
しぶとい、執念深い、といった意味で使われます。「ラッキーだからあやういことも死なずに乗り越えられた」といったニュアンスが含まれています。
■フランス
A ppeller un chat un chat.(ア ペレ アン シャ アン シャ)
「猫を猫と呼ぶ」
「率直にものを言う」という意味。日本の「歯に衣着せぬ」とと同じです。猫が登場するあたり、かなり身近な存在なのかもしれませんね。
■ドイツ
Katzen freundlich.(カツェン フロインドリヒ)
「猫に優しい」
本当の素顔を隠して、おとなしく振るまう様子。日本では「猫を被る」と表現しています。同じ意味でどちらも「猫」を使ったことわざですが、猫に対して抱く印象の違いが伺えますね。
■オランダ
De kat op het spek binden.(デ カット オップ ヘット スペック ビンデン)
「猫にベーコン」
日本では「猫に小判」と表現しています。オランダではベーコンは小判くらい価値があるということなのかもしれません。
猫あるあるのあの仕草、英語でなんという?

猫は見ていてほほえましくなる仕草をするときがあります。日本語と英語では表現に違いはあるのでしょうか。主な仕草の英語表現をご紹介します。
■香箱座り=catloaf(キャットローフ)
前足を丸めて胸の下に納める「香箱座り」。英語では「catloaf」と呼びます。これは「cat」と「loaf」を合わせた造語で、「loaf」は塊を表し、たとえば、A loaf of bread (1斤のパン)のように使われます。足を丸め込んだ姿が一斤のパンのように見えるからでしょうか。ユニークな表現ですね。
■ふみふみ=kneading(ニーディング)
「kneading」はパンの生地などをこねるという意味。確かに猫がふみふみしている姿は粉をこねているようにも見えます。ほかに、「make biscuits(ビスケット作り)」とも。ビスケットを作っている猫を想像するとかわいいですね。
■猫キック=bunny kick(バニーキック)
多くの飼い主が、愛猫に腕を抱えられて激しい猫キックをお見舞いされた経験があるのでは?この猫キック、英語では「bunny Kick」といいます。バニーといえばうさぎ。うさぎも怒るとキックで攻撃するからか、猫キックがうさキックにたとえられているようです。
世界の代表的な猫種紹介
各国原産の主な猫種の特徴とそれぞれの国の猫にまつわるエピソードをご紹介します。ねずみ退治要員として美術館の地下室に住む猫たち、猫と暮らしつつ創作イメージを膨らませるアーティストなど、改めて猫の存在の大きさを感じられるのではないでしょうか。
■「アメリカ」を名前に冠した「アメリカン・ショートヘアー」

まさにその名の通り、アメリカ生まれの人気者、アメリカン・ショートヘアー。明るくて好奇心が旺盛な性格。人気品種ランキングでも常に上位にランクインしています。身体能力が高いので、やんちゃでアグレッシブな子が多いです。人懐っこくて物おじしないところも魅力。賢いのでトイレなどもすぐに覚えてくれるでしょう。
アメリカには『トムとジェリー』という、あまりに有名なアニメーションがあります。このアニメに登場する猫のトム。何の猫種か気になりますよね。明確に公表されてはいませんが、アメリカン・ショートヘアーではなく、グレーの毛色からロシアンブルー説、体の大きさからメインクーン説などがあります。メインクーンはアメリカ原産なので、少し信憑性がありそうですね。
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■ロシアといえば「ロシアンブルー」

ロシアの貴公子とも呼ばれる「ロシアンブルー」。ベルベットのようなブルーグレーの毛色が魅力的です。成長していく中で目の色が変化していくのも大きな特徴。気高い雰囲気をもつロシアンブルーは「ボイスレスキャット」といわれ、あまり鳴かないことでも知られています。マンションなどでも一緒に暮らしやすいですね。
ロシアには世界最大級ともいわれる国立エルミタージュ美術館があります。この美術館の地下室には、ねずみから芸術作品を守る役目を担った猫が50頭近く住んでいるのです。普段は関係者以外は入れない地下室ですが、年に1度、春に開催される「エルミタージュの猫の日」には、一般開放されるそう。重大任務を背負ったたくましい猫たちに会ってみたいですね。
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■イギリスを代表する猫、「ブリティッシュ・ショートヘアー」

「不思議の国のアリス」に登場するチェシャ猫のモデルともいわれているブリティッシュ・ショートヘアー。がっしりした体つきに、いつも笑っているように見える大きくて丸い顔が特徴です。さまざまな毛色がありますが、「ブリティッシュブルー」と呼ばれる「グレー」の毛色が人気。静かに過ごすのが好きで、穏やかで優しい性格の猫です。
チェシャ猫は原作者のルイス・キャロルが創り出した、ちゃめっ気たっぷりのキャラクターで、顔の部分を分解したり、体の縞模様を動かしたりする不思議な猫です。チェシャ猫は架空の猫ですが、「不思議」なところが魅力的なのは、現実の猫と同じですね。
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■フランスの宝ともいわれる「シャルトリュー」

シャルル・ド・ゴール元フランス大統領や女性作家のシドニー=ガブリエル・コレットにも好まれていたというシャルトリュー。がっしりとした体格で、名前の響きがおしゃれです。その名前から気高い印象が漂いますが、性格は「犬のよう」といわれていて、飼い主に忠実で従順。賢いのでしつけもしやすいです。
二十世紀フランス文壇の女王ともいわれるコレットは、猫が好き過ぎて猫の扮装をした写真が残っているとか。猫が登場する作品も執筆していて、『牝猫』という小説がよく知られています。愛猫をなでながら読書に耽るのもいいかもしれません。
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■ノルウェー代表はふわふわで豪快な「ノルウェージャン・フォレスト・キャット」

大きな体で野性味たっぷりのノルウェージャン・フォレスト・キャット。ノルウェーの厳しい冬を乗り越えるため、強い味方となっているのが天然の防寒着であるふわふわの毛です。とても温厚で遊び好き、ほかのペットに対してもフレンドリーなので、友だち・家族とも一緒に遊べそうです。
ノルウェーといえば北欧。北欧で有名な猫キャラクターは、リサ・ラーソンのマイキーですよね。リサ・ラーソン自身も「猫はミステリアスだから好き」ということで、一時期はシャムネコ5頭と暮らしていたのだとか。猫の姿を観察して、そのイメージを作品づくりに活かしているようです。猫はイマジネーションを膨らませてくれるどうぶつなのですね。
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■シンガポールをルーツとする「シンガプーラ」

シンガプーラは遊びやいたずらが大好き。体は小さく華奢ですが、高いところに好んで登ったりするアクティブな面も。人間に対する信頼度が厚く、よく懐きます。飼い主が大好きで、かまってもらいたがりなので、お迎えしたら、遊ぶ時間をたくさん作ってあげるのがよさそうです。
シンガポールには愛猫家なら行ってみたい「猫島」があります。シンガポールの南に浮かぶ「セントジョンズ島」という小さな島で、町から船で30分ほどでアクセスできます。猫たちとのんびりゆったりした時間を過ごすのにぴったりの観光スポットです。
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まとめ
世界各国の猫の雑学&猫種紹介はいかがでしたでしょうか。猫はいろいろな国のことわざに登場するほど、私たちの生活に身近な存在です。「世界猫の日」に、多くの人が猫のことを考え、猫に対して愛情を持って接してもらえることを願っています。
