
真っ白な毛とピンと立った耳が愛らしい、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、「ウエスティ(ウェスティ)」の愛称でも親しまれている小型犬です。テレビCMで目にするような可愛らしい見た目とは裏腹に、狩猟犬として活躍していた歴史を持ちます。今回はそんなウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの歴史や性格、気をつけたい病気についてご紹介します。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアってどんな犬種?
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、小さな体を活かし、キツネやアナグマなどを狩る狩猟犬として活躍していました。
そのため、小柄でありながら体は筋肉質で、足は短めですがけっして華奢ではなく、しっかりと踏ん張れます。
歴史

原産はイギリスのスコットランドです。
白のケアーン・テリアとスカイ・テリアを元に作出されたと考えられています。
誕生には多くの説がありますが、中でも1860年代にスコットランドのポルタロックに住んでいたマルコムという人物によって作出されたとする説が有力です。
マルコム氏は、飼っていた赤茶毛のテリアを狩猟のときにキツネと間違え、撃ってしまったことをきっかけに、白いテリアのブリーディングを始めたといわれています。
マルコム氏の繁殖した白いテリアは当時、「ポルタロック・テリア」と呼ばれていました。
一方で、同国有数の名族であるアーガイル公爵家でも容姿の非常に似た白いテリアが繁殖されていて、こちらは「ローズニーズ・テリア」と呼ばれていました。
その後、マルコム氏らは「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」という名前でクラブを設立。
1906年にはイギリスのケネルクラブ(KC)もウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアに改名し、翌1907年にはロンドンで初めてのショーが行われました。
アメリカンケネルクラブ(AKC)でこの犬種が登録されたのは1908年。翌年にウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの名前で正式に登録されましたが、それまではローズニーズ・テリアの名前で登録されていました。
サイズ

体高は約28cm以下、体重は男の子が約9㎏、女の子が約8.2㎏で、小型犬に分類されます。
性格は?
勇敢で活発、いたずら好きな性格です。
狩猟犬として活躍していたことから、運動量が必要です。体力もあるので毎日30~40分程度の散歩をするとよいでしょう。散歩中に走ったり、ボール遊びをしたりするほか、アジリティなどのドッグスポーツに挑戦するのもおすすめです。
被毛・毛色について
被毛は、粗いオーバーコートと、短く柔らかいアンダーコートからなるダブルコートをしています。
毛色は名前からもわかるように、ホワイト一色のみです。
真っ白な毛並みを保つためにも、週に2~3回のブラッシングと定期的なトリミングが欠かせません。テリア犬種特有の「プラッキング」という、毛を間引いて取り除くトリミングをすることもあります。
寿命はどれくらい?

アニコムの「家庭どうぶつ白書2021」によると、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの平均寿命は13.8歳です。
しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使ってあげるといいですよね。
気をつけたい病気
皮膚疾患、耳の疾患、消化器疾患に注意が必要です。
特に、「アトピー性皮膚炎」や「外耳炎」、「アジソン病」などは他の犬種に比べて罹りやすいので、日々の健康チェックを怠らず変化があればすぐに動物病院へ行き検査を受けましょう。
参考:家庭どうぶつ白書2021
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアを家族の一員として迎える方法
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアをぜひ家族の一員に!と思ったら、どこで出会えばいいのでしょうか。主に考えられる方法は3つあります。
ペットショップで探す
ペットショップなら、フードやトイレなど、犬との暮らしに必要なものを一緒に揃えられるため、迎えたその日からきちんと住環境を整えてあげることができそうです。とはいえ、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアをペットショップで見かけることは多くないので、事前に取り扱いがあるか確認してから行くとよいでしょう。
また、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。
ブリーダーさんから紹介してもらう
ブリーダーさんからお迎えする最大の特徴は、迎えると決めた子の特徴やクセ、これまでの成長の様子や環境などをブリーダーさんに直接聞いたり、質問できたりすることです。また、親猫や兄弟・姉妹たちの姿を見る機会も得られる可能性があるので「将来どんな風に成長していくのか」を想像しやすいこともメリットです。
繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。
※アニコムグループの(株)シムネットが運営する『みんなのブリーダー』へ移動します。
里親になる
最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。こうした譲渡会や里親募集でウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアと出会える機会もあるかもしれません。
まとめ

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、明るく元気いっぱいなので楽しく一緒に過ごせる犬種です。
狩猟犬であったとことを忘れてしまいそうな、愛らしい見た目と小さな姿をしていますが、家庭犬として飼われている現在もその本能は残っているので、しつけや日々の遊び、運動を工夫し行いましょう。
