
うさぎのかわいいお顔のまん中にある鼻。思わず注目してしまうほど愛らしく、動きや使い方を見ていると、なぜそうしているのだろう?と疑問に思うこともありますね。そんなうさぎの鼻に関する素朴な疑問を解決します!
うさぎの鼻がヒクヒクしているのはどうして?
うさぎはよく鼻をヒクヒクさせています。突然その動きが早くなることもあれば、ピタッとやめてしまうことも。どうして鼻をヒクヒク動かすのでしょうか?
理由のひとつは、呼吸のため。うさぎは鼻呼吸をしています。呼吸が早い、いわゆる息が荒い状態になると、鼻が早く動きます。状況としては走り回ったあとや、暑いとき、慣れていない人になでられるといった緊張する場面のときなどです。
もうひとつの理由は、臭いを嗅ぐためです。特に嗅ぎなれない臭いを感知すると、もっと臭いを嗅いで情報収集しようと鼻をヒクヒクさせます。
入ってきた臭いに集中したいとき、鼻の動きがピタッと止まることもあります。
鼻が動かないけど大丈夫?
うさぎの鼻はよく動いているので、逆に止まっていると「元気がないのかな?」と心配になることもありますね。うさぎの鼻はまったく動かないこともよくあります。特に落ち着いてリラックスしているとき、ぐっすり眠っているときはよく止まっています。落ち着いているときは、一見動いているように見えないだけで、少しは動いているかもしれません。深い眠りに入っているときは、完全に止まることもあります。動きが止まっていても、呼吸はできているので心配はありません。逆に考えると、鼻が動かないのはうさぎがぐっすり眠っている、リラックスできているという証拠になります。寝そべったり座ったりして目を閉じていても、鼻が動いていればうさぎはまだ起きています。
鼻でツンツンしてくるのはなぜ?

通称「鼻ツン」と呼ばれる、うさぎが鼻でつついてくる行動。その意図は、飼い主にとってうれしいパターンと残念なパターンがあります。
こちらの様子をうかがいながら一度だけ、または間を置いて数回ツンツンしてくるときは「遊ぼうよ」「構ってよ」のサインの可能性が高いです。場合によっては「おやつがほしい」「ごはんを入れてほしい」「なでてほしい」のアピールであることも。いずれにしても、鼻ツンで主張してくるのは飼い主に懐いている証拠です。うさぎの方から甘えてくれるほど信頼関係ができているということなので、うれしいことです。
残念なパターンは、単に通行の邪魔になっていて「どいてよー」といわれているケース。この場合は、うさぎの通り道やお気に入りの場所に飼い主がいるとき、とても強い力でグイグイ押してきたり、何度も繰り返しツンツンしてきたりします。うさぎの性格によっては、どかないでいると噛みついてくることがあるので気をつけましょう。
飼い主以外では、よく知らない人、ほかのうさぎやペット、新しいおもちゃなどに対して、安全かどうか確認するために鼻ツンをすることがあります。鼻ツンで確認をしたあと、あごを擦りつけて自分のにおいをつけることもあります。
うさぎの鼻が濡れている理由は?
犬の鼻は少し濡れているのが普通といわれますが、うさぎの鼻は乾いているのが正常です。鼻で呼吸をしているので、空気中の水分で鼻のまわりの毛がわずかに湿ることはあるでしょう。しかし、被毛にもつれが出るほど明らかに濡れている場合、飲み水か鼻水やよだれによって濡れていることが考えられます。給水ボトルに鼻があたって濡れてしまうこともあります。この場合は乾いてしまえば元に戻ります。念のため給水ボトルの位置を確認してあげましょう。
一方、拭いてあげてもすぐにまた濡れている、いつも濡れているという場合は、鼻水やよだれで濡れていることが考えられます。鼻が濡れるほど鼻水やよだれが出てしまうのは、鼻やお口の中に異常がある可能性があります。鼻水やくしゃみは異物が入ったとき、一時的に出ることもありますが、続く場合はパスツレラ感染症など病気の可能性があります。「スナッフル」と呼ばれる鼻づまりのような状態は、鼻呼吸に頼っているうさぎにとって苦しいものです。うさぎの鼻が濡れている状態が続くときは動物病院を受診しましょう。また、うさぎも鼻血が出ることがあります。うさぎの鼻血は外傷や腫瘍、感染症によって起こります。出血が見られたら早急に受診をしてください。
鼻のほかに下あごまで濡れていたり、牧草を食べないなどの偏食傾向がある場合は、不正咬合でよだれが増えている可能性も。動物病院で口の中を見てもらうといいでしょう。
うさぎの鼻の健康のためにできること
うさぎにとって大切な鼻の健康を守るために、お掃除や換気をしてあげましょう。ホコリや異物を吸いやすい環境は、鼻水や鼻づまりの原因に。うさぎのケージまわりはもちろん、へやんぽで立ち入る場所もよく掃除をして、定期的に換気をしてください。牧草の粉が鼻を刺激すると、鼻炎や鼻の感染症の原因となります。袋の底で細かくなった牧草やペレットの粉はなるべく入れないようにしましょう。また、うさぎのトイレからのアンモニア臭も刺激になります。トイレは毎日掃除をして、トイレシートや砂を利用して臭いが発生しにくい環境を作り、清潔に保ちましょう。

まとめ
うさぎにとって、鼻は呼吸をするだけでなく、臭いを嗅いで状況を把握したり、コミュニケーションをとったりするためにも重要な部分です。時には病気のサインが鼻にあらわれることも。ぜひ日頃から鼻もよく観察して、コミュニケーションや健康管理に役立ててくださいね。