うさぎにはたくさんのカラーと模様があります。品種の特徴としてのカラーや模様がある場合もあれば、同じ品種の中で多様なカラーと模様があることも。また品種は関係なく、その子によって独自のマークを持っている場合もあります。うさぎの模様にはどんなものがあるか紹介します。

うさぎのカラーパターンはさまざま

うさぎのカラーはホワイトやブラック、野生のうさぎの色に近い茶系のチェスナットのほかに、オレンジ、ブルー、チョコレート、ライラック、リンクス、オパールなど、多様なバリエーションがあります。さらに色の入り方として、全身が単色の「セルフ」、あごや耳の後ろ、体の横に刺し色が入る「タン」、タンのオレンジが白になった「マーチン」、1本の毛に複数の色がある「アグーチ」、白地にまだら模様が入る「ブロークン」などがあります。この分け方はアメリカのうさぎ協会(ARBA)の分類に基づくものです。アメリカからさまざまな品種やカラーが導入されてショップでも多様なカラーパターンが見られるだけでなく、日本には明治以降に海外から導入されたうさぎの子孫として残るミックスうさぎも多く、たくさんのカラーや模様を目にすることができます。ここでは一目で分かる特徴的なパターンや、偶然その形に見えるマークを一般的な呼び方で紹介します。

うさぎの模様いろいろ

うさぎにはどんな模様があるのか、さっそく見ていきましょう。

ブチ模様

ブチ模様のうさぎ

白地に黒や茶色のような濃い色でブチ柄が入ります。アメリカのうさぎ協会では「ブロークン」と呼ばれるパターンです。模様の入り方によってウシ柄に見える場合も。

ゴマ模様

ゴマ模様のうさぎ

「ブロークン」のうち、細かい模様が入るものは「スポッテッド」と呼ばれます。白地に黒など濃い色の細かい点が入るとゴマ模様に見えます。

ハチワレ

ハチワレのうさぎ

顔に八の字のようにコントラストが入ることから「ハチワレ」と呼ばれるパターン。「ダッチ」という品種が代表的です。ダッチの模様は「ダッチパターン」と呼ばれ、白地に黒やグレーなどのハチワレ模様と、胴体の半分が白ともう1色というツートンカラーが特徴。日本ではかつてダッチの系統のミニウサギがパンダうさぎとして人気を集めました。

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アイライン

アイラインのうさぎ

目の周りに黒いアイラインを書いたような模様をもつうさぎも。代表的な品種はドワーフ・ホトで、白い体に黒や濃い茶のアイラインを持つことが特徴です。

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三毛

三毛のうさぎ

白・黒・茶の3色の毛を持つ三毛のうさぎもいます。ミニウサギのほか、品種としてはミニレッキスやホーランドロップ、フレンチロップ、イングリッシュロップなどで「トライカラー」と呼ばれるカラーが三毛にあたります。

シャム猫風

シャム猫風のうさぎ

まるでシャム猫のように体の先だけ濃い色のパターンもあります。たとえばヒマラヤンという品種は白い体に赤い目で、鼻先と耳、しっぽ、足先だけが濃い色のカラーが特徴です。ネザーランドドワーフの同様のカラーも「ヒマラヤン」と呼ばれます。また「シェイテッド」と呼ばれ、鼻先と耳先、しっぽ、足先が濃い色で、グラデーションのように薄くなっていくカラーもあります。こちらはネザーランドドワーフやホーランドロップ、アメリカンファジーロップなどさまざまな品種に見られるカラーです。

お鼻に蝶がとまったようなバタフライ

バタフライ模様のうさぎ

鼻先で模様が対象になり、羽を広げた蝶のようなマークになっている「バタフライ」と呼ばれる模様もあります。イングリッシュスポットという品種に特徴的な模様です。

しま模様

しま模様のうさぎ

なかなか見かけることはありませんが、しま模様のうさぎもいます。ハーレクインという品種は体のしま模様と、顔が真ん中で2色にわかれる独特の模様が特徴です。

幻のうさぎ!?トラ柄も

カイウサギの仲間ではありませんが、インドネシアのスマトラ島に生息している野生のスマトラウサギは茶色の地に黒いしま模様でトラ柄のうさぎです。数が少ないため調査も充分ではなく、幻のうさぎといわれ、生態はまだよくわかっていません。

個性的なマークも

ピンポイントで現れる独自のマークを持つ子もいます。ここからは個々のうさぎで探してみたいマークを紹介します。

ソックス模様

足先だけが白いソックスを履いたような模様の子も。白い部分の入り方によってハイソックスのような子もいれば、足袋を履いたように足先だけ白い子もいます。

ハートマーク

ブチ模様の子をよく見ると、ハート型の模様があることも。珍しいマークではありますが、ブチ模様の子を見たら探してみたいですね。

ベルト模様

うさぎのお腹はまっ白というイメージはありませんか?確かに大半は白いのですが、お腹にベルトのように直線の模様が入っている子もいます。仰向け抱っこの練習の際に、お腹の模様もチェックしてみては。

換毛で期間限定の模様が出現することも!

うさぎの毛色には「アグーチ」と呼ばれる1本の毛が根本から毛先まで3色以上にわかれているタイプがあります。カラーでいうとチェスナットやチンチラ、リンクスなどがアグーチグループに含まれます。アグーチグループはグレーのアンダーコートがあり、被毛に息を吹きかけると毛の根本がグレーに色づいていて輪っかのように見えます。換毛期になると、どのカラーであっても抜け落ちた毛を集めるとグレーに見えます。アグーチグループの飼い主さんは、抜け落ちた毛を観察してみてください。
また、毛色に関わらず換毛期限定で特有の模様が現れることがあります。例えば両目の上に眉毛のような線が出てきたり、口の周りにヒゲのような模様が現れたり、しま模様が現れたりします。お手入れやお掃除、健康管理に大変な換毛期ですが、期間限定であり、さらに次の換毛期に同じ模様が見れるとも限らないので、楽しんでくださいね♪

まとめ

うさぎのさまざまな模様を紹介しました。模様ひとつとってもうさぎは多種多様。わが子の個性を大切にしつつ、ほかのうさぎの模様もうさぎ好きとして注目していきたいですね。

ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。