この記事を読んでいる方は、これから「うさぎと生活をしてみたい!」と思っているでしょうか。 ワンちゃんやネコちゃんには劣るものの、この1~2年間でうさぎをお迎えしたいと考える人がすごく増えてきました。

筆者は、うさぎと暮らして7年が経ちましたが、当時はうさぎと暮らしている人があまり周りにおらず、ケガや病気のことはもちろん、飼い方についても、まわりに聞くことができませんでした。

新型コロナウイルスの影響で、おうちで過ごす時間が増えたことでペットを飼いたいという需要が高まり、「犬や猫は飼えないけど…うさぎなら飼えそう!」との思いから、少しずつうさぎと暮らす人が増えてきました。

今日は、改めてうさぎと暮らす上で伝えたい5つのことを読んでいただけたら嬉しいです。

①実は、うさぎはすごく感情が豊かな動物です

犬や猫に比べて、うさぎは顔のパーツにあまり動きがなく、無表情な動物だと思われがちです。でも、実はうさぎはすごく感情表現が豊か。

ぴったりとくっつき、甘えているうさぎ
▲甘えたい時。ぴったりとくっついてきます。

うさぎは、甘えたいときに飼い主に鼻をツンツンして、撫でてと要求してきます。例えば、1日中仕事で家を空けていたときに、帰ってくるとこんな風に甘えん坊に。先にごはんが欲しいとアピールしてくることもありますが、ごはんを食べ終わり、部屋んぽを終えると、ぺとんと床に座って甘えてきてくれます。

興味津々な表情のうさぎ
▲興味津々な表情。鼻がヒクヒクします。

飼い主が名前を呼んだとき、「ん?なに?」という表情をします。目をぱっちり開いて、耳もピーンと立っているのは興味がある証拠。 もしかしたらおやつが欲しいのかもしれません。うさぎが何を求めているのかを察知して、対応してあげましょう。

眠気の限界間際のうさぎ
▲眠気の限界…。目を閉じてしまいます。

部屋の中を遊んでいるときに、眠くなってしまうとこんな表情に。まるで日向ぼっこする猫のような姿に、飼い主は癒されること間違いなしです。もちろん、近づいて気づかれると起きてしまうので、そーっと観察しましょう。

②うさぎは、思っているよりも繊細な動物。匂いや音に気を付けて。

うさぎは、ちょっとした音や匂いにすごく敏感。

例えば、家の近くで工事の音がしているときには1日中耳がピーンとたっています。常に警戒心マックスの状態なので、先ほどご紹介した爆睡姿とはうってかわって、ずっと耳を澄ましているような状態が続きます。

また、外でワンちゃんやネコちゃんとふれあった飼い主が家に帰ってきたとき。 いつもと違うにおいがする飼い主をクンクンクンと嗅いで、最終的には「ぷいっ」とそっぽを向かれることも。意外と嫉妬深い姿にキュンときてしまいますが、うさぎにとってはストレスになることもあります。着替えるなどして、できるだけ早く問題解決をしてあげましょう。

③うさぎと暮らすのは、大変。

「うさぎと暮らすのは、大変か」と聞かれたら、ほとんどのうさぎの飼い主は悩んだ結果、「大変」と答えるかと思います。

犬のようにしつけをすることができないため、おしっこを失敗することもあります。縄張り意識が強い子は、壁におしっこを飛ばしてしまうかも。噛んでほしくない家具や、絶対に届かないだろうと思った場所に置いた資料を噛まれることだってあります。ちょっとした変化に敏感で、いろいろなことに気を付けながらうさぎ中心の生活を送ることになります。

毎日、ごはんを決まった時間に1日2回あげて、牧草は24時間いつでも好きなだけ食べられるような状態にしておく必要があります。決して、飼うのが簡単な動物ではないため、一緒に暮らすには覚悟が必要です。

④うさぎと暮らすのは、楽しい。

繰り返しになりますが、うさぎとの暮らしはとっても楽しいものです。 ピンっとたった耳、ふわふわの体、ヒクヒクと動く鼻におそらく魅了され続けることになります。

犬のように、一緒にお散歩することはできないし、猫のように一緒にお布団でぬくぬくすることもできないうさぎとの暮らしですが、それでもうさぎとの暮らしは楽しいものだと自信をもってお伝えします。

⑤一緒に暮らすうさぎと出会ったら…覚えておきたいこと。

おうちにうさぎをお迎えすることになったら、「その子は、お月様からやってきて、いつかはお月様に帰ってしまうこと」を覚えておいてください。運命の出会いを果たしたその子は、限られた人生をあなたのそばで過ごすために月からやってきてくれたのだということを忘れずに、一緒に暮らしてください。

そのために、私たちができることはただひとつ。「幸せな人生を送ってもらうこと」です。

新鮮でおいしい牧草を毎日用意し、ゴクゴクお水を飲んでもらい、いつもキレイにしたケージで眠ってもらい、たくさん一緒に時間を過ごしてあげましょう。飽きられるほど、いっぱい撫でてあげましょう。いっぱい話しかけて、名前を呼んであげてください。

そして、ケガや病気をしないように飼い主としてできる限りのことをしてあげましょう。 万が一、その子がケガや病気で苦しむようなことが起こってしまったら、なによりも優先してそばにいてあげてください。痛みや苦しみが少しでもなくなるような適切な治療を受けさせてあげてください。

もしお月様に帰っても、月を見上げて名前を呼んであげてください。それが飼い主の使命です。

これからも、うさぎと暮らす人とうさぎが幸せでいるために

うさぎと暮らしていると、飼い主はたくさん悩むことがあります。そんなときにはアニコムの「うさぎとの暮らし大百科」を訪れてください。

世界中のうさぎさんが、月に帰るまでの時間を幸せに過ごせますよう願っています。

ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。