ジャンプしている子猫の画像

おいしそうにごはんを食べている猫の背後にそっときゅうりを置く。食べ終わった猫が振り返りざま、急に驚いてビョーンッと飛び跳ねて後ずさる…。
こんな動画がアップされ、話題になりました。ただの野菜なのに、なぜそんなに驚くのでしょうか。そこには意外な理由が隠されているようです。

きゅうりを見て驚く猫の動画が火付け役に

きゅうりを見て飛び跳ねる猫の動画がアップされると、次から次へと同様の動画がアップされ、「飛び跳ねる猫」の動画がメディアを席巻しました。
きゅうりはさておき、そのとてつもないジャンプ力に驚いた人も多いことでしょう。なにしろ、助走もなくあそこまで高くジャンプできるのです。

ジャンプ力

一般的に猫は鼻の先からお尻までの長さの約5倍は助走なしでジャンプできるといわれています。たとえば、鼻先からお尻までの長さが30cmの猫の場合、1m50cmもジャンプできることになります。(人間に換算すると、8m以上も垂直跳びができる計算に!)
柔軟性のあるからだと筋肉、そして後ろ足のバネの働きが、類まれなるジャンプ力を生み出しているのです。驚くべき身体能力ですね…。

猫がきゅうりを見て驚く理由

では、なぜ猫はきゅうりを見てそんなに驚くのでしょうか。
米カリフォルニア州南部に住む認定動物行動学者 、ジル・ゴードマン氏は「ひょっとするとヘビと関連づけているかもしれない」と言っています。

猫にとってヘビは恐ろしい捕食者。「食べられる!」と思って、すぐにその場から逃げ去りたいという気持ちがMAXになり、高く飛び跳ねてしまうというのです。
また、床に置かれたきゅうりを見ることはほとんどないので、初めて見るものに対する「自然な驚愕反応」であるとも。
もっとも、知らない間にあるはずのないものが置かれていたら、びっくりするのは、猫だけではないですけどね…。

きゅうり以外に驚く野菜は?

では、きゅうり以外に「驚いてしまう野菜」はあるのでしょうか。前述の「自然な驚愕反応」という点では、猫が知らない間に何かを置いておけば、びっくりもするはず。もちろん、かわいそうなので試しませんが。

蛇の形に似たものに驚く?

恐ろしい捕食者であるヘビに対する恐怖心から、尋常ではない驚きぶりを見せているのだとしたら、ゴーヤや長ナスなどの長くてクネッとした形の野菜に対して驚きの反応を見せるのかもしれません。

おもしろ半分で、猫を驚かせるのはやめよう

猫が驚いている画像
きゅうりに驚く猫の姿を見ておもしろがる人もいますが、猫にとっては、はた迷惑な話です。おもしろ半分で猫を驚かせるのは、やめましょう。驚かせることで、どんな影響があるのかについて触れます。

飛び上がることでケガをする場合も

前述のゴードマン氏は「わざと猫を驚かせたりすると、ケガをしてしまうこともある」と述べています。
高く飛び上がれば、どこかに身体をぶつけてケガをすることもあるでしょうし、着地したときに骨折することだって考えられます。

驚きすぎて、トラウマになるかも

猫を驚かせすぎると「攻撃行動」 を起こすきっかけになってしまう場合もあります。ちょっとしたイタズラ心が原因で、飼い主に対して不信感を抱かせたり、攻撃的になってしまうのは避けたいですよね。

人間にとっては大したことではなくても、一度恐怖心を抱くと過度に警戒し、トラウマのようになることだってあります。

攻撃行動をするようになると、一緒に住めないくらいにまでエスカレートするケースもあります。

むやみやたらに驚かすことはやめましょう。

病気やケガをする前に…

病気やケガは、いつわが子の身にふりかかるかわかりません。万が一、病気になってしまったり、ケガをしてしまっても、納得のいく治療をしてあげるために、ペット保険への加入を検討してみるのもよいかもしれません。

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猫にきゅうりを食べさせていいのか

では、猫にきゅうりを食べさせてもよいものでしょうか。
きゅうりの成分を見つつ、猫にどんな影響を与えるか、について説明します。

きゅうりの成分が猫の身体に与える影響

きゅうりの主な成分は、以下のとおりでそのほとんどが水分です。

カリウム 200mg
βカロテン 330ug
ビタミンK 34ug
(生のきゅうり100g中)

とくに問題のある成分ではないため、食べさせても問題はありませんが、栄養が豊富な食べ物でもありません。偏らないように注意しましょう。

まとめ

猫がきゅうりを見て驚くのは「ヘビ」と勘違いしている可能性が非常に高いですね。
猫の恐怖心をあおると「攻撃行動」をするようになってしまうことがあるので、驚かせるのはやめましょうね。

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監修獣医師

小寺由希子

小寺由希子

2008年、鹿児島大学獣医学科卒業。卒業後は、大学病院にて内科系レジデントとなり内科全般および消化器内科について経験を積み、大阪府内動物病院にて犬猫中心に診療を行っていました。現在は、予防医療の実現をめざし飼育知識の普及活動および診療を行っている。小さな頃から猫と共に過ごし、現在も2頭の猫と暮らす。その生活はネコ中心。環境を処方することで猫の病気を減らし、猫ライフをより幸せにすることを目標に日々活動中。