窓辺で外を見つめる猫

どんなに可愛い愛猫でもほとんどの場合、仕事や買い物に連れて行くわけにはいきません。そんなとき多くの飼い主さんは猫に留守番を頼みますが、ここで改めて、正しい留守番のさせ方や必要な準備、または留守番をさせなくて済む方法などを考えてみませんか?

猫は留守番ができる動物?

退屈そうに眠る猫

猫は、環境の変化が精神的なストレスにつながってしまう動物です。場所や環境の変化に弱いため、知らない場所へ連れて行かれたり、慣れない環境に置かれるのは、精神的な負担になります。先祖であるリビアヤマネコの時代から単独行動をするという習性を持っているので、留守番そのものがとくに猫を寂しい気持ちにさせるということはありません。また、1日の半分以上を寝て過ごすため、飼い主がいないことが問題となることも少ないです。

猫は留守番が得意?

子猫でない限り、猫は比較的留守番が得意といえます。犬の場合、飼い主と離れることを極端にストレスに感じる「分離不安」といった問題行動が見られることもありますが、猫にこういった行動が現れることは稀です。ただし、子猫の頃から四六時中ずっと一緒にいるなど、極端なお世話の仕方をすれば、猫でも分離不安を引き起こすことがあるので注意しましょう。

基本的には、飼い主にいろいろな場所に連れ回されるくらいなら、ひとりで家、もしくはテリトリーとして認識している落ち着ける場所でゆっくりしていたいと感じている猫がほとんどです。

猫が留守番できるのは3日程度が限度?

短期間ひとりでいることに、問題はありません。ただし、健康面の管理であったり、ごはんの鮮度、飲み水が不足することや、掃除が行き届かないといった衛生的な観点から、あまりにも長い間ひとりでいさせるのはよくありません。ほったらかしにされたという感情を抱く猫もいます。

限界の数値を挙げるとするなら、夏なら2日、冬なら3日程度が限度といえます。季節や住んでいる地域、家の環境などによっても違ってきます。

家で猫に留守番させるときに注意したいこと

水を飲む猫

留守番をさせる際には、さまざまな用意が必要になります。ひとつひとつ指差し点検するくらいの心構えで準備しましょう。

たっぷりの水を用意

水は意外とすぐに蒸発・乾燥します。夏の暑さで蒸発するイメージが強い方も少なくないと思いますが、空気が乾燥している冬場も蒸発しやすいです。また、こぼしてしまうこともよくあります。水は2~3ヶ所に用意し、飼い主の留守中に十分、飲めるようにしておきましょう。

ごはん

ごはんは、家を空ける期間より多めに見積もって準備しましょう。留守番中は食べ過ぎてお腹いっぱいになるよりも、空腹に苦しむことのほうが猫にとってストレスになります。空腹が続くと本来食べるべきでないものを口にしてしまうことなどもあるので、食べることには困らない、十分な量のごはんを用意しておきましょう。

トイレ

留守番中に最も多いトラブルが、粗相です。本来排泄するべきでない場所におしっこやうんちをしてしまいます。遊んでほしいのに帰ってこないことへの寂しさなどを抱いた猫の、一種の感情表現であることも多いです。

トイレは出かける直前に掃除しておきます。猫砂はしっかり量を入れてあげます。清潔感を保てるシステムトイレなどもおすすめです。

倒れそうな家具はないか確認

思わぬところに飛び乗って家具がバランスを崩したり、地震が来る可能性なども考えられます。家具が倒れることによって引き起こる二次災害は多いです。事前にストッパーなどで固定をしておきましょう。

誤飲・誤食しそうなものは片づける

猫が食べたら危険な食材、かじる癖のあるもの、口にすると危ないものなどは、猫が届かない場所に置いておきましょう。猫はジャンプが得意なので、高い場所に置いても意味がありません。扉がついた棚の中などにしまっておくと安心です。

しっかり脱走防止を

器用な猫は、扉を開けます。普段家でゆっくり過ごしている猫も、雷や騒音などで脱走してしまうことがあります。家の外は危険がいっぱいなので、自由に猫が出入りできる環境にしておく必要はありません。二重扉や丈夫な鍵など、猫が外に出てしまわないような脱走対策をしましょう。

夏に家で留守番させるときは熱中症に注意

猫は寒さに弱い動物ですが、命を落としやすいのは夏の暑さによる熱中症です。日本の高温多湿な夏は、猫にとってもかなり過ごしにくい気候です。窓などを締め切った状態の室内は、サウナのように暑くなることもあります。寒くなり過ぎるのも禁物ですが、快適な温度に保てるよう冷房をつけたままにしておくようにしましょう。

長期間の留守番をさせるときはどうしたらいい?

キャリーバッグに入っている猫

旅行や仕事で何日も家を空ける場合は、ずっとひとりで留守番をさせるようなことはしないで、猫の身の安全を第一に考えさまざまな選択肢を検討してみましょう。

キャットシッターに依頼する

猫は家につくと言われるように、住み慣れた環境にいられることで安心感を覚えます。留守番させたくないからといって慣れない場所に預けると、ストレスを感じてしまう猫は少なくありません。そこで、ペットシッターさんに依頼して居心地のいい家でお世話をしてもらうようにすると、猫の精神的な負担を軽くすることができます。

動物病院に預ける

ホテルを併設していたり、半日から預かってくれる動物病院があります。獣医さんがそばにいる環境なので、万が一のときも安心です。持病を抱える猫ちゃんを留守番させなければならない場合などには最適な案となります。

ペットホテルに預ける

ペットホテルは過ごしやすい環境が整えられていて、見守ってくれるスタッフの方に預けられることが魅力です。ただしホテルによっては、あまり良いとはいえない施設や環境が用意されていることがあるので、事前に問い合わせたり、口コミを確認していくのがベターです。

友人・知人に頼む

猫が好きな友人や知人の家に預けられると安心です。もし先方の家に猫がいる場合は、その猫との相性も重要になってくるので、預ける前に、数時間会わせてみて、相性を見てから判断するのがおすすめです。

まとめ

気ままで単独行動が好きな猫は、長期間留守番をさせても大丈夫と思われがちですが、基本はあまりひとりにさせないのが理想です。中にはひとりぼっちにされたことを根に持ち、帰ったあともなかなか心を開いてくれない猫もいます。猫それぞれの性格に合わせて、留守番の時間も見極めるようにしましょう。

病気になる前に…

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ライター

猫百科編集部

猫百科編集部

獣医師を含む猫の飼い主歴10年以上の編集者が集い、毎日、猫の「あるある話」に花を咲かせ、情報交換している。編集部員の面々は、猫との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。