
一見、何も共通点はなさそうなうさぎと猫。でもペットとして暮らしていると、意外と似ているところがあるのです。うさぎと猫はどんなところが似ているのでしょうか。また一緒に飼うことはできるのでしょうか。
うさぎと猫は性格が似ている?
うさぎと猫は、実は性格が似ています。どちらも家族に対して仲間意識はあるものの、基本的にマイペース。自分のペースで甘えたいときに甘え、その気がないときは塩対応です。飼い主の指示を聞いてくれることもありますが……それも自分がそうしたいとき、気分がのったとき限定。言われていることがわかっていても、その通りにしたくないときは頑なに動きません。聞き耳だけ立ててスルーすることもあります。
また、感情がわかりにくいところも共通しています。もちろん、うさぎにも猫にも意思表示の手段があり、飼っているうちにわかってくる部分もあります。それでも、基本的にはポーカーフェイスで何を考えているかわからないように見えます。用事があれば主張してくることもありますが、それ以外は自分の気持ちを伝えることにまるで関心がないようです。
野生での行動が似ている!
そもそも、両者は野生での行動が似ています。
野生のうさぎは家族が中心の群れで生活しますが、食事を探すときは単独行動。縄張りの中を1頭で移動して食べたい草を探します。
イエネコの祖先のヤマネコは繁殖期に行動を共にすることもありますが、基本は単独行動です。やはり縄張りの中を1頭で歩き回り、獲物を見つけて狩りをします。群れで協力して狩りをするイヌ科の仲間とは大きく異なる部分です。こうした背景から、犬に多くみられるように、飼い主が1番・飼い主に注目されたい・いつでも一緒に行動して遊びたい、とはなりません。どんなに懐いていても、単独で過ごす時間も大切にする傾向があります。また飼い主のいうことを聞いて褒められることには重点を置かず、自分の意志を大事にします。
犬のような性格のうさぎや猫もいる
ただ、性格には個性があります。犬のように飼い主に心を開き、たくさん構ってほしいと思っている猫もいます。そのような猫を「犬のような猫」と表現することがあります。うさぎの中にも同様に「犬のようなうさぎ」と呼ばれる子がいることも、共通しています。
どちらも高いところが好き

猫は高いところを好みます。ジャンプ力やかぎ爪を生かして、屋外生活では木や塀の上などにのぼることができます。家庭内ではキャットタワーの上や出窓などで過ごす猫も多いでしょう。
意外かもしれませんが、うさぎもやや高いところを好む傾向があります。うさぎは木登りはできませんが、小高い丘の上へ駆けあがったり、ステップの上に飛び乗ることはできます。
どちらのどうぶつも高いところを好む理由は、周囲を見渡して外敵がいないのを確認できることが安心につながるからではないかといわれています。
ここで注意したいのは、うさぎは高い場所から飛び降りるのは得意ではないということです。うさぎは高いところから落ちたとき、猫のように器用に姿勢を持ち直して着地することはできません。骨折もしやすいので、高さがあるキャットタワーなどで遊ばせるのは絶対にやめましょう。あまり高いところに行ってしまうと、驚くなどして誤って落ちたときに命にかかわる大きなケガにつながります。うさぎが安全に下りられる高さの目安は、飼い主さんが正座したときの膝の高さくらい。猫用よりもかなり低いことを覚えておきましょう。
うさぎと猫は一緒に飼える?
では、性格が似ているうさぎと猫は一緒に飼うことができるのでしょうか?実現は不可能ではありませんが、仲良くできない可能性が高いことは心に留めておく必要があります。SNSなどでうさぎと猫が仲良く過ごすシーンも見られますが、当たり前のことではありません。部屋を分けることを前提に、別々に飼うことができるなら、猫とうさぎの両方を飼育することはできるでしょう。
うさぎと猫を一緒に飼うには

性格が似ていても、うさぎは草食動物、猫は肉食動物で、本来、猫はうさぎの天敵です。野生下のうさぎは遠くまで逃げたり、地面の下の巣穴に隠れたりできますが、飼育環境下では恐怖を感じたとしても逃げ切ることが難しくなります。うさぎが傷つけられたり、ストレスをかかえたりしないように気をつける必要があります。猫は狩猟本能から動くものを追いたくなります。一方、うさぎは追いかけられるのを嫌うことが多いです。出血を伴うケガなどが起きていなくても、うさぎがストレスを抱えないように気づかうことが必須です。
空間を分けて飼うのが基本
基本的に猫はリビングなど室内で自由に過ごし、うさぎがケージから出て室内を散策するときには、うさぎのいる部屋に猫が入らないよう、キャットケージの中にいてもらいます。同じ室内でそれぞれフリーの状態で一緒にいられるのは、成育歴や性格などが奇跡的にマッチしてよく慣れた場合だけであり、非常に稀なケースです。猫は絶対に入らないうさぎだけの場所があることで、うさぎは安心できます。
仲良く見えても必ず見守って
縄張り外からお互いを認識し、警戒心がなくなり、前向きに興味を持っている様子があれば、同じ室内で過ごせるかもしれません。そうなった場合に限り、キャリー越しで対面させてみてもいいでしょう。このとき、大丈夫そうに見えても最初は短時間で切り上げて、少しずつ一緒に過ごす時間を増やしてください。よく慣れると、一緒に遊ぶことも、日向ぼっこをしてくつろぐこともできるでしょう。ただ、猫としてはじゃれているつもりでも、爪や歯でうさぎを傷つける可能性もあります。猫が目を見開いて興奮したり、伏せてお尻を振ったりなど、うさぎにとびかかろうとする前兆があれば、すぐに対面を中止しましょう。
また、猫はびっくりしたときに、手近な対象に八つ当たりのような攻撃行動をとることがあります。急な物音や地震などの発生時には、パニックに陥った猫がうさぎに手を出してしまうかもしれません。仲良くなっても、一緒に過ごすときはうさぎと猫だけにはせず、常に様子を見てください。
感染症にも注意を
うさぎと猫に共通の感染症もあります。それぞれの体調をよく見て、気になることがあれば早めに受診をしてください。どちらかが感染症になった場合は、隔離をするなど感染対策をしましょう。
まとめ
うさぎと猫は似ているところもありますが、肉食動物として追う側、草食動物として追われる側という大きな違いがあります。一緒に飼うことを検討しているなら、それぞれの飼い方、習性をよく知って、相性が合わない場合の対応も考えておきましょう。
