
うさぎといえばかじるイメージが強いですが、飼っていると飼い主の手や顔、服、床、毛布、クッション、ぬいぐるみなど、さまざまなものをなめることに気づくでしょう。飼い主をなめてくれるのはかわいくてうれしいですが、どうしてなめるのか理由が気になりますね。そこで、なめる対象別に考えられる理由をまとめました。うさぎが何かをなめるとき、飼い主が注意したいこともあわせて紹介します。
うさぎはどんなときに「なめる」行動をとる?
うさぎは自分自身の体をなめて毛づくろいをします。時には自分だけでなく、群れの仲間をなめて毛づくろいすることも。そうすることでお互いが仲間であることを確認し、絆を深めているのです。新しい仲間が群れに加わったときや、群れの中で序列を確認するために行うこともあります。
うさぎがなめるのは基本的に親しみを感じる相手や愛着があるもので、なめることで愛情を示しています。そのほかの理由として、においや味が気になる、舌触りが楽しい、といった理由で部屋のものをなめることがあります。
うさぎが飼い主の手や顔をなめる理由

うさぎが飼い主をなめるのは、飼い主のことを仲間、または家族だと認識したから。うさぎが環境に慣れて飼い主に懐いた証拠で、これ以上ない愛情表現です!ですが、なめる場所やタイミングによっては別のニュアンスが入っていることもあります。
飼い主がうさぎをなでたあとに手や顔をなめてくるのは、グルーミングのお返しをしようという気持ちから。もちろんお返しをするのは飼い主のことが「大好き」だからです。何もしないのに手をなめるのは、なでてほしいと思っているのかも。なめるだけでなく強引に手の下に頭を入れてくるときは、確実になでてほしいと思っています。頭や背中などうさぎが喜ぶところをなでてあげましょう。なで終わったら、またお返しでなめてくれるかもしれません。
顔をなめる場合、飼い主を仲間と認識しつつ、下に見ている可能性もあります。うさぎは群れの中で上下関係があり、上の立場のうさぎが、下の立場のうさぎに毛づくろいを要求し、関係性を確認しあう習性があります。なめる中で甘噛みをしたり、飼い主のからだの上に乗るなどのマウンティング行動が見られる場合は、うさぎは自分の方が優位だと思っているかもしれません。前後の行動もよく観察してみましょう。
うさぎが飼い主の服をなめる理由
着ている服をなめるなら、手や顔をなめる場合と同じく愛情表現と考えられます。もしくは、服についたにおいが気になっていることも。置いてある服をなめるのも服についたにおいが気になっていることが考えられます。飼い主のにおいや洗剤、柔軟剤、香水のにおい、外出時に着ていた服なら外でついたものなど、服には何かとうさぎが気になるにおいが付着しているものです。鼻がよいうさぎにとって香りが強すぎるものはストレスになったり、アロマ製品の中にはうさぎにとって有害な成分が含まれていることもあります。うさぎに近づけないようにしましょう。また香水を使用した場合は、洗い流してから触れあうようにしてください。
うさぎが床をなめる理由
うさぎはリラックスして横になっているときや、なでられているときに床をなめることがあります。これはその場所に対する愛着を示していたり、「うれしい、もっとなでて」という気持ちの表現だったり、反対に毛づくろいのお返しのつもりでしていて「そろそろ交代してほしい」=「なでるのを終わってほしい」という気持ちの表れだったりします。また、喉が渇いていたり、床に残っているにおいが気になってなめていることもあります。
うさぎが布製品をなめる理由
部屋にあるクッション、枕、毛布、タオル、ぬいぐるみ……。あらゆる布製品がなめる対象になります。これらをなめるのは、身の回りのものに愛着を持っていて、整える気持ちでなめている可能性があります。うさぎが今いる環境を気に入り、なじんでいる証拠です。また、洗剤や柔軟剤のにおいが気になっている場合も。フルーツやハーブ系の香りがついていると「おいしい味がするのでは!?」と思い、味わうためになめているかもしれません。
うさぎがケージをなめる理由
ケージに対する愛着のほか、金属が舌にふれる感触を楽しんでいるのかも。暑いときに冷たい感触が心地良くてなめることもあります。また、ケージ越しにあげたおやつのかけらやにおいが付いていることで「少しも無駄にしないで味わいたい!」となめている可能性も。なめるだけなら問題はありませんが、ケージをなめた後にかじり始めることもあります。硬い金属をかじることは歯の健康によくないので、かじることはやめさせる必要があります。
うさぎが人やものをなめるとき、気をつけたいこと

愛情表現であっても、うさぎが何かをなめるとき、気をつけたいこともあります。飼い主の手や顔をよくなめるなら、うさぎと触れ合う際はハンドクリームや化粧品はつけないようにしましょう。ものをなめる場合は、舌を傷つけるような尖った部分がないか確認を。気に入ったものは繰り返しなめることがあるので、うさぎがなめることに不安があるもの、なめてほしくないものは早めに片づけましょう。
うさぎが執拗になめるときはストレスや病気に注意
うさぎはストレスがあるとき、それを紛らわせようとして何かを執拗になめ続けることもあります。楽しそうに遊ぶ様子が見られず、室内やケージの中のものをずっとなめ続けているときは、退屈しているのかもしれません。いつも以上にコミュニケーションをとり、おもちゃをいくつか用意して遊んであげましょう。また、ブラッシングしている際に飼い主をなめる場合は、もうやめてというサインの場合もあります。
ケガや病気による痛みがストレスとなって毛づくろいをすることもあります。ケガや病気でなくても、体をなめ続けていると、皮膚炎の原因になります。執拗な毛づくろいをしているようであれば、何か病気が隠れていないか動物病院を受診しましょう。
口の周りをなめるのは食事のあとによくあることですが、執拗になめ続けるときは、歯や口の中に問題がある場合も。食事を食べにくそうにしていないか、食欲はあるかなど、様子をよく観察して気になることがあれば動物病院を受診してください。
まとめ
うさぎが人をなめるのは基本的に愛情表現。飼い主を仲間と認めているうれしい状況です。飼い主以外のものをなめる理由は、うさぎに聞かない限り本当のことはわかりませんが、大半は悪い理由からではありません。飼い主が困らなければ、特にやめさせる必要はありません。ただ舌を傷つける尖った部分があるものや表面に体によくない成分が含まれているものもあるので、安全には充分気を配ってあげましょう。また、まれなことですがストレスや病気が隠れていることもあるので、気になるときはよく様子を見て、動物病院を受診しましょう。
