
うさぎに多い病気としてあげられるソアホック。一体どんな病気なのか、原因や症状、治療法や予防法について解説します。
ソアホックってどんな病気?
ソアホックはうさぎの足裏に起こる皮膚炎。「足底皮膚炎」や「飛節びらん」とも呼ばれます。「ソア」とは痛むという意味で、「ホック」は後足(かかと)という意味です。
後足にできることが大半ですが、前足にできることもあります。すぐに命に関わることはありませんが、痛みのために歩けなくなってしまったり、悪化すると二次的な病気を起こしたりします。
うさぎに多い皮膚炎で、すべてのうさぎがかかる可能性がある病気です。進行すると治りにくくなり、治療に時間がかかります。予防と早めの治療が大切です。
ソアホックはどんな症状が出る?
ソアホックの前段階として、足裏の被毛が薄くなります。被毛が薄くなる原因は、足に負担がかかる飼育環境(床が固い、運動不足、爪の伸びすぎ)、ストレス、加齢、肥満、先天的なもの(生まれつき足裏の毛が薄い)などです。
脱毛が進むと、足裏の皮膚が厚くて固い白いタコのようになり、やがて炎症を起こして赤くただれていきます。悪化すると潰瘍となり、骨にまで達することも。炎症が起こると痛みが出て、足をひきずって歩く、歩きたがらない、歩かないといった様子が見られます。痛みから食欲不振になることもあります。

ソアホックに関連する病気はある?

炎症を起こした部分に皮下膿瘍ができることがあります。またかなり進行して潰瘍が骨まで達してしまうと、骨髄炎や敗血症を起こす可能性があります。
痛みから食欲不振になり、あまり動けずに運動不足になることで胃腸うっ滞が起こる可能性も。さらに症状が進行すると、骨膜炎を引き起こす可能性もあります。できる限り進行させないために、早めに治療する必要があります。
ソアホックはどんな治療をするの?
炎症を起こす前であれば、まずは飼育環境を変える、肥満を改善するなど原因にあわせた対処をします。炎症が起きたら、治療として患部を洗浄・消毒して乾燥させ、抗生物質や抗炎症剤、鎮痛剤が投与されます。包帯を巻いて保護することもあります。治療には時間がかかり、数ヶ月におよぶこともあります。
ソアホックにかかりやすいのはどんなうさぎ?

次にあてはまる場合は、適切な飼育環境で飼っていても、ソアホックにかかりやすい状態です。
- 高齢のうさぎ
- 肥満のうさぎ
- かかりやすい品種(レッキス、ミニレッキス、ベルベッティンロップ、イングリッシュロップ、大型の品種など)
足裏の一部分だけが脱毛している場合、ほかの毛に隠れて脱毛箇所や炎症部分が見えにくいこともあります。足裏全体を定期的にチェックしましょう。
ソアホックの予防法は?

ソアホックの予防として、日頃から次のことに気をつけましょう。
足に負担をかけない床材を選ぶ
コンクリートのような硬い床や、滑りやすいフローリングはうさぎの足裏に負担がかかります。マットやカーペットを敷いて足の負担を軽減しましょう。
カーペットは爪をひっかけることがないよう、毛足が短いタイプにします。ジョイントカーペットも適しています。うさぎがかじってしまうこともあるので、その場合はちがうものに変更するなど、うさぎに合わせて柔軟に対応してください。
またケージの床が網目の荒い金網になっていると、やはり足裏に負担がかかります。すのこや目が細かい金網に変えるか、マットを敷いて足裏を保護します。最も足に負担のない床材は、木材でできたもの。ただし木材はおしっこやお水などで傷みやすいので、定期的に交換する必要があります。
足裏が濡れないようにする
トイレは毎日掃除して、排泄物で足が汚れないようにします。ケージの床も汚れるようであればこまめに掃除をして、衛生的な環境を保ちます。水は給水ボトルで与え、うさぎの足が濡れにくい環境にしましょう。
定期的に爪切りをする
爪が伸びすぎていると後足の前の方に体重をかけられない分、かかとに負担がかかり、ソアホックの原因となります。ソアホック以外にも、カーペットや布に爪が引っ掛かって抜けたり、骨折したりなどケガの原因になります。伸び過ぎないうちに爪切りをしてください。
肥満に気をつける
体重が重すぎることも足に負担をかけます。肥満は万病のもと。心配な場合は動物病院などでチェックしてもらい、年齢ごとに食事内容の見直しをして、適切な体型維持を心がけましょう。
ストレスをかけないようにする
うさぎはストレスによって足ダンをくり返すことがあります。後足で力強く床を踏み鳴らす足ダンを頻繁に行うことは足裏にもよくありません。足ダンが多いときはストレスの原因を探して遠ざける、充分にへやんぽ(部屋の中をお散歩させること)をさせる、しっかり遊んであげるなどしてストレスを取り除いてあげましょう。

まとめ
ソアホックは進行してしまうと完治が難しいといわれています。初期の段階でも、発見したら早めに動物病院を受診して相談しましょう。また日頃から予防を徹底し、抱っこした際に時々足裏の状態もチェックしてみてください。