ふわふわの毛並みと、ぴょんぴょんと跳ねる姿が印象的なうさぎ。そんなうさぎの特徴といえばあの鋭い歯。うさぎと暮らしていると、誰もが一度はカブッと噛みつかれてしまった経験があるのではないでしょうか…。また、これからうさぎと暮らそうと思っている方も必見です。

うさぎが噛む理由や、しつけの方法、そして対策についてお伝えします。

うさぎが突然噛む理由は?

立ち上がるうさぎ

うさぎが、飼い主を突然噛むのは一体どうしてなのでしょうか?
なぜうさぎは飼い主やものを噛んでしまうのでしょうか。

①なでられるのが嫌になったから

うさぎは、人間になでなでされるのがとっても好きな動物。地面にぴったりと体をつけてリラックスしているうさぎさんに、なでなでをすると、嬉しい表情をしてくれます。

しかし、なでている途中にいきなりガブッと噛みついてくることも。こういうときは、なでてほしい場所が違ったり、なで方やタイミングに不満があるときです。時には「ブウッ!」という声を出して噛みついてくることもありますので、なでなでをずっと続けているときは、タッチする強さを変えてみたり、うさぎさんにとって気持ちいい加減で続けていくことが大事です。

②思春期になったから

うさぎは本来、縄張り意識がとっても強い動物。うさぎは生後3~4ヶ月を過ぎると思春期と呼ばれる時期に突入します。それまで大人しかったうさぎが、思春期になると突然噛む、おしっこを飛ばす、マウンティング(交尾のときに腰を振るうごきのこと)をするなど、今までとは違った行動をすることが増えてきます。

こういった性格や体の変化から、飼い主を突然噛むことがあるというわけです。男の子の場合、噛むという行動だけでなく、マウンティングやおしっこを飛ばす行動があまりにもひどい場合には、去勢手術をするという手もあります。

③性格的な問題

育ってきた環境や、性格のせいで噛み癖がある子もいます。うさぎは自然界で、自分の歯が伸びすぎないように、硬い木や枝をかじります。うさぎには“噛む”という行動が本能的に備わっています。そのため、どんなにしつけても噛み癖がなおらないという子もいるようです。

うさぎの噛み癖をやめさせる効果的なしつけ法

草をたべるうさぎ

うさぎが噛むのは、本能的なことであることがわかりました。では、うさぎが人だけでなく、家具や家電などを噛まないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

うさぎの様子をしっかり観察して噛ませない

まずは、その子がどういったときに人やものを噛むのかを観察しましょう。

  • ごはんをあげようとすると噛む
  • トイレやお水を替えようとすると噛む
  • 遊びの邪魔をすると噛む
  • なでようとすると噛む
  • 目を離した瞬間に家具や家電を噛む
  • お腹がすいているときに噛む

…など、うさぎによってどのタイミングで何を噛むかも変わってきます。うさぎによっては、毎日のルーティーンの中で必ずあの家具のあの箇所を噛むと決めている子もいるようで、お気に入りになったその場所に、何度も顎を擦り付けて喜ぶ姿が見られる子もいます。

噛み癖を治すしつけ方

ワンちゃんと比べると、これといったしつけ方法はありません。ですが、噛み癖を直すためには、「人やものを噛むことはいけないことだ」ということをうさぎにわかってもらう必要があります。

うさぎが、人を噛もうとしたら頭(耳)を抑えつけ、いつもとは異なる強めの声で「ダメ!」と言いましょう。そして、じーっとうさぎを見つめます。決して、いつも名前を呼ぶときの声と同じトーンで叱ってはいけません。いつもと違う声をだしている=なにか怒っていると認識させることが大事です。

うさぎ用の噛むおもちゃなどで発散

ペットショップには、うさぎがガジガジするためのグッズがたくさん販売されています。形状はいろいろとありますが、木でできているものから、牧草を固めたものなど、うさぎの年齢や好みによっていろいろと試してみてください。

特に、まだおもちゃに興味を示す年齢であればケージの上から吊るすような形のかじり木のおもちゃや、ボールのようにコロコロと動きのあるおもちゃがいいでしょう。年齢を重ねたうさぎには、あまり固すぎない牧草でできたキューブなどがおすすめです。

やってはいけないしつけ方

噛み癖を直そうと、うさぎを叩いたり、手を叩くなどの音で覚えさせるのは絶対にNG。 飼い主に対して恐怖を覚えてしまったり、ストレスを感じてしまいます。

「ダメッ」と叱ったあとに、噛むのを止めたら「いい子だね~」とおやつをあげるなど、噛んだらいけないことを教えてあげます。

うさぎの噛む力はどれくらい?

くちを開けたうさぎ

うさぎの噛む力はとっても強く、噛まれると場合によってはかなり深い傷ができます。また、うさぎの前歯は「切歯」と呼ばれ、上顎切歯の後ろに小切歯という2種類の歯があります。この歯は、普段牧草を噛んだり、歯をこすり合わすことによって先端が常に鋭くなっていきます。

ですので、その歯に噛まれるとかなりの痛さを感じることがあります。 もし、うさぎに噛まれたら傷口を水道で洗い流し、必ず消毒をしましょう。

犬や猫と同様、動物に噛まれることで人獣共通感染症になってしまうことも。噛まれそうになったら、手や顔を引っ込めるなど、噛まれないための対策も必要です。

筆者も実際に、うさぎに噛まれたことがありますが、そのときには噛まれた傷口のまわりがあざのように紫色になってしまいました。

普段のコミュニケーションで、しつけを少しずつ

うさぎが噛まないようにしつけをしていくことも大切ですが、うさぎとのコミュニケーションを積極的にとっていく中で、「噛むこと=いけないこと」だと認識させていきたいものです。一緒に過ごしていくなかでお互いに気持ちを通わせることが、うさぎを噛まないようにしつける最短ルート。

うさぎは、人間の感情や表情もしっかりと読み取ってくれる愛おしい存在。毎日、わが子との時間を大切にしながらも、しつけをしてうさぎとの愛のある生活を送ってくださいね。

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ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。