こんなにある!猫の模様
みなさんは、どのくらい猫の模様を知っているでしょうか。
「白猫」「黒猫」「三毛猫」は多くの人が知っている猫の模様だと思いますが、その他にもキジトラ、サバトラ、茶トラ、白ブチ、黒ブチ、サビ、など、毛の色や模様の形、位置などから呼び名が付いています。
ここではわかりやすいように、毛色や縞模様といったものは「毛色もしくは模様」とし、ハチワレやハートなど“そう見える”ものを「柄」として紹介します。
単色にもこんなに種類がある
猫の基本となる毛の1本1本の色は「白」「黒」「茶」と「アグチ毛(※)」との組み合わせになります。そのため、日本の猫で見かける単色といえば「白猫」「黒猫」「茶トラ」の3色になります。
しかし、海外にはまだまだ多くの毛色があり、グレー(ブルー)、チョコレート、シナモン、ライラック、フォーン、クリームなどの淡い毛色も見られます。
これらは、日本には存在しなかった毛色ですが、その昔海外から多くの猫が日本にやってきて、日本の猫と交配したことで、現在では日本でも淡い毛色の遺伝子を持つ猫もいるようです。
※アグチ毛・・・1本の毛の中間部のみ茶色で毛先と根元は黒色の毛のこと。
いろいろな種類の模様を紹介!

猫の模様は数多くあるので、いくつかグループに分けて紹介します。
トラ猫
・キジトラ

キジトラの毛色はアグチ毛が特徴的で、雉(キジ)の雌 の羽の色に似ていることから付いた名前です。
実は「もともとはキジトラしかいなかった」と、言われているほど原種に近い野性的な猫なのです。
・サバトラ

サバトラはその模様が鯖に似ていることから付いた名前です。英語では「マッカレルタビー(鯖の縞)」と言います。
パッと見はキジトラとよく似ていますが、茶色がなく黒やグレー(銀)の色で縞模様のある猫をサバトラと呼んでいます。
・茶トラ

明るい茶色に縞模様のある猫を「茶トラ」と呼んでいます。
茶トラの身体が大きいのは雄が多いからで、なんと雌の4倍ほどいるそうです。
二毛猫
・黒二毛(サビ猫)

黒と茶が全体に入り混じった模様をしています。
英語では亀の甲羅に似ていることから「トータスシェル(トーティシェル)」と呼ばれ、日本でも「べっ甲」という別名があります。
三毛猫同様、雌が多い毛色です。
・キジ二毛
アグチ毛と茶が混ざっているため、黒二毛と比べるとはっきりした色の部分がなく、茶色の部分が少ないとキジトラと間違えやすいです。
三毛猫
・黒三毛

いわゆる「三毛猫」と呼ばれている毛色で、黒と茶の毛色に白のブチがはいっている模様を指します。黒、茶、白それぞれの毛色の境がはっきりとしています。
「三毛猫の雄 は珍しい」というのは本当で、黒と茶の毛色はOo遺伝子によるもの。しかし、Oまたはo遺伝子は性別を決めるXとYの染色体のうち、X染色体についているため、X染色体を2つ持つ雌のみが二毛または三毛となります。
・キジ三毛
茶色のほか、黒の部分がアグチ毛となって現れ、白のブチが入っている模様を指します。白のブチが入っているため、三毛であることはわかりやすいです。アグチ毛はしっぽを見ると縞模様がはっきりと出ていることが多いので、見分けるポイントになります。
ブチ猫
「ブチ」とは有色の他に白が入っている模様のことで、別名「ホワイトスポット」とも言います。「ブチ」を言い換えるとそれぞれ、「黒白」「茶白」「キジ白」となります。
ブチ模様ができるのは、「一部を白くする」という遺伝子(S)があるため。足、お腹、胸、背中と順に白くなる傾向があり、お腹側が黒くて背中が白いということはありません。
白色の入り方によって呼び名もあり、白が多い順にバン、ハーレクイン、バイカラー、ミテッドといわれますが、その他にもさまざまな呼び名が付いています 。

・黒ブチ
黒い毛に白色が入っていること。白と黒の割合によっては「黒白猫」や「白黒猫」と呼ばれることも多いです。
また、黒毛の場所によっては「ハチワレ」や「靴下」「タキシード」などの愛称もあります。
・茶ブチ
茶トラの毛に白色が入っていること。足先やお腹に白が入っている子は茶ブチ猫です。
・キジブチ
キジトラの毛に白色が入っていること。比較的白の割合が多いですが、キジブチのしっぽには、たいていキジの縞模様が出ています。
その他
・クラシックタビー(ブロッチッドタビー)

クラシックタビーとは「不規則な斑点」を意味した言葉。タビーは縞模様のことを意味しますが、トラ猫の縞模様よりも縞が太く大きな渦巻状になっているのが特徴です。
このクラシックタビーを持っているのが、純血種ではアメリカン・ショートヘアーです。
・アグーティタビー(ティックドタビー)
アグーティタビーはアビシニアンやシンガプーラなどに見られる模様で、実は毛一本一本に細かい縞が入っています。
遺伝子的にはクラシックタビーやマッカレルタビー(サバトラ)よりも強い遺伝子のため、掛け合わせて生まれる子のほとんどがアグーティタビーになります。
・スポッテッドタビー
スポッテッドタビーは「ヒョウ柄」のことで、ヒョウのような斑点は「ロゼット」と呼ばれています。これは突然変異などではなく、人の手によってベンガルヤマネコ(アジアンレパード)というヒョウ柄を持つヤマネコと交配させ品種改良したといわれています。
・シールポイント/タビーポイント
シールポイントとは、シャム猫やヒマラヤンなどにみられる模様で、耳、鼻、足先、しっぽといった部分にこげ茶色がついていることをいいます。
これは、温度が低い場所の色が濃くなるという遺伝子の性質を持っているためで、同じ猫でも夏と冬では毛の色が変わることもあります。
同じくタビーポイントは、温度の低い末端の部分に濃く縞模様が現れます。
ユニークな柄も!

猫にはいろいろな模様や柄があり、さまざまな呼び名が存在しています。
黒ブチ猫で、頭の黒い毛がまるで髪の毛のように見えると、「ハチワレ」や「カツラ」「七三分け」「富士額」などと呼ばれたりします。また、鼻や口の周りに色が出れば「ちょびひげ」や「あごひげ」「ほくろ」などと呼ばれたり……。
身体には「ハート」や「羽」「猫のシルエット」などに見えるもの、白の割合が多いと「牛柄」に見えることもあります。
色・柄による性格の特徴ってある?
細かな性格は個体差や育った環境なども影響するためわかりません。しかし、キジトラなど野生種に近い模様を持つ猫は、警戒心が強く初対面の人にはなかなか心を許さない傾向があるようです。
白猫は突然変異によって生まれた猫ですが、目立つ色で敵に狙われやすいという点から、やはり警戒心が強く臆病で繊細な性格です。特に、アルビノやブルーアイ、オッドアイなどでは、遺伝的に聴覚異常の場合があるので、背後からいきなり触ったりして驚かさないように配慮してあげましょう。
一方黒猫は、穏やかでフレンドリーな子が多く、サビ猫やクラシックタビー、アグーティタビーの子は人懐っこく飼い主には甘えん坊といった傾向があるようです。
まとめ
猫の模様は色や縞、ブチの配置によってたくさんの種類があり、親兄弟であってもバラバラです。今でこそ室内飼育が定められていますが、こんなにもさまざまな種類の猫が生まれたのは、人と猫の長い歴史によるものでしょう。街中で猫を見かけたら、毛色や柄をチェックしてみると新しい発見があるかもしれませんね。
病気になる前に…
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