気持ちよさそうに眠る子猫

4月から入学や就職などで、新しい環境で生活を始めた人の中には、緊張感が続く毎日に、今までにない疲れを感じる人もいることでしょう。そんな毎日を送った後の長期休暇であるゴールデンウイーク。疲れがどっと出て、文字通りゆっくりお休みする人もいれば、気晴らしに出かける人もいると思います。そんな長期休暇を過ごしたあと、いざ通学・通勤の日になると、なんだかやる気が出なくなり、気持ちが沈む…。「うつ状態」に陥る人もいます。これがいわゆる人でいう「五月病」です。はたして猫にも五月病はあるのでしょうか。

猫も五月病になるの?

環境の変化が原因で体調を崩すことも

人の五月病の原因は、主にストレスです。新しい環境に慣れようと、知らず知らずのうちに無理をして、ストレスを溜めこんでしまうのです。その結果、冒頭のように「うつ状態」になるわけですが、「うつ状態」で終わらずに、そこから「うつ病」や「不眠症」「パニック障害」などの病気へと進んでしまうことがあります。

猫の場合、人のように「うつ状態」になるのかどうかは、はっきり言ってわかりません。「うつ状態」かどうかを確認することができないからです。ですので、人と同じ「五月病になる」と断言はできませんが、強いストレスを感じて、身体の調子が悪くなるのは、猫も同じと言えます。4月になって、飼い主の環境が変われば、強いストレスを感じる子もいるでしょう。たとえば、飼い主の帰宅時間が遅くなったり、引っ越しをしたり、家族の中で一番世話をしてくれていた人が家から出てひとり暮らしを始めたり…。さまざまなケースが考えられます。

急に生活環境が変わることは、猫にとってストレスになります。春から環境が変わったという方は、後述する「症状」を参考に、愛猫の様子をよく観察して、早めに対策をとりましょう。

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気温の変化も猫の体調不良のきっかけに

4、5月は、気温の変化が激しい時期でもあります。朝は涼しかったのに日中は汗ばむ陽気になり、夜はまた冷え込むといった具合に、1日の中でも温度差が大きいときがあります。猫は基本的に口呼吸をしないので、犬のように舌を出して体温を調節するといったことはできません。つまり、体温調節が得意ではないのです。そのため、寒暖差が激しい日が続くと、体温調整が追い付かず体調を崩してしまうことがあります。

どんな症状になる?

人が「五月病」を発症する時期と同じくして、環境の変化や激しい寒暖差によって猫も体調を崩すことがあるわけですが、はたしてどんな症状があらわれるのでしょうか。

こんな症状が見られたら要注意

・元気がない(いつもよりも寝ている時間が多い、動きが鈍いなど)
・下痢をする(軟便だったり、水のような便をする)
・食欲がない(好きなおやつも口にしない)
・嘔吐する(毛玉以外のものを吐く)
・粗相をする(トイレ以外の場所で排泄をしてしまう)
愛猫の排泄状況や食欲など、様子をよく観察してあげましょう。

上記の症状からさらに悪化すると以下のような行動をとってしまうことがあります。
・異常に毛づくろいをする(必要以上に舐める)
・自分の毛をむしりとるなど自傷行為をする
・自分のしっぽを追いかけまわす
悪化する前に、次の予防・対策を行って愛猫を守ってあげましょう。

「五月病」に似た症状の予防方法は?

一緒に遊ぶ時間を増やす

猫じゃらしで遊ぶ猫

飼い主の生活リズムが変わったり、引っ越しで住まいが変わるなど、環境の変化があった場合は、一緒に遊ぶ時間を増やして、猫の「狩猟本能」をたっぷり満たしてあげましょう。猫のストレス解消に役立ちます(元気がないときに無理やり遊ばせるのはやめましょう)。

スキンシップの時間を多くとる

なんでられて気持ちよさそうにしている猫

ブラッシングをしてあげたり、なでてあげたり、話しかけたり。激しく遊ぶ以外に、猫とゆったりと過ごす時間を意識してとるようにしましょう。猫の心に安らぎが生まれるはずです。

室内の温度管理をきちんとする

前述したとおり、寒暖差が激しいと、体温調整がうまくできない猫は、体調を崩してしまうことがあります。猫が快適だと感じる室内は、22~24℃くらい。雨降りなどでグッと冷え込み、この温度より下回る日は、暖房器具を使って快適温度を保ちましょう。冬用の猫ベッドをしまわずに置いておくのもよいでしょう。
逆に、急に真夏日のような暑さになったときは、快適な室温を維持できるよう、クーラーを利用することをおすすめします。

まとめ

猫は「五月病」そのものにはなりませんが、環境の変化や季節の変わり目の気温変化にダメージを受けることがあります。愛猫には、いつどんなときでもストレスを感じずに、のびのびリラックスして過ごしてもらいたいもの。愛猫が強いストレスを感じないよう、工夫を忘れないようにしましょう。

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ライター

猫百科編集部

猫百科編集部

獣医師を含む猫の飼い主歴10年以上の編集者が集い、毎日、猫の「あるある話」に花を咲かせ、情報交換している。編集部員の面々は、猫との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。