
きゅうり、キャベツ、レタスは1年中手に入る身近な野菜です。身近な野菜ゆえに、体への影響について何かとウワサがあり、うさぎに与えても大丈夫?とふと心配になることもあるでしょう。そこでこれらの身近な野菜について、うさぎが食べてもいいのか、与える際の注意点とあわせて紹介します。
きゅうりについて
きゅうりはウリ科の野菜。旬は夏ですが、ビニールハウスでも栽培され、年間を通し安定して販売されています。家庭菜園で作られることも多い身近な野菜です。
食べるのは実の部分ですが、うさぎも問題なく食べることができます。水分を多く含むので、水分をたくさん摂ってほしいときにおやつとして選択するのもいいでしょう。ただ好んで食べるかは個体差があり、食べない子もいます。食べる子であっても、その日の気分やきゅうりの味によって食べたり食べなかったりすることも。
きゅうりには体を冷やす作用があるといわれることから、うさぎへの影響を心配する人もいますが、科学的な根拠はありません。どんな野菜でも、うさぎが食べ過ぎるとお腹の調子を崩して軟便や下痢になることがあるので注意しましょう。
1日の野菜の目安量を5gとして考えると、きゅうりの場合、ななめにスライスした1枚が目安となります。本当にわずかな量ですね。なお、うさぎが食べる野菜としては葉野菜が推奨され、実の部分を食べる野菜は葉野菜に少量を加える程度がいいともいわれています。食べることは大丈夫ですが、毎日のように続けて与えるのではなく、ほかの野菜と交互に与えるか、数種類と混ぜて与えるのがいいでしょう。
キャベツについて

キャベツはアブラナ科の野菜です。旬は春ですが、こちらも1年中流通している身近な野菜です。
うさぎのおやつとして乾燥キャベツが売られていることもあり、キャベツも問題なく食べられる野菜です。芽キャベツも食べられます。特に乾燥キャベツは甘みもあるので、好んで食べる子が多くみられます。
ただ食べ過ぎるとお腹でガスが発生し、お腹が張ってうっ滞の原因になるという説があります。これは同じアブラナ科のブロッコリーでもいわれていることです。もっと食べたいと催促されても、適量は超えないようにしましょう。また食べたあとにお腹の調子を崩すようであれば、控えるようにしましょう。
生キャベツの外側の葉は1枚50~60g。1日あたりの野菜の目安量を5gと考えると、小さくざく切りにしたもの数枚が目安となります。
レタスについて

レタスはキク科の葉野菜。葉が丸くなって結球(葉が重なって球状になること)するタイプと、結球しないタイプがあります。スーパーにはサニーレタス、グリーンリーフ、フリルレタス、サラダ菜などさまざまなレタスが並びますが、一番流通しているのは結球レタス。英語でアイスバーグレタス、クリスプヘッドレタスと呼ばれ、日本でレタスといえば一般にこの結球レタスを指します。これらのレタスもうさぎは食べることができます。
ところが海外では、結球レタスはうさぎにあげるべきではない、といわれることも。その理由として、レタスに含まれる催眠作用のある成分があげられることがあります。
「ラクチュコピクリン」はレタスの仲間に含まれる催眠作用や鎮痛効果がある成分。レタスの原種であるワイルドレタス(ラクツカリュームソウ)という植物の表面を傷つけると出てくる白い液体に多く含まれています。
ワイルドレタスは北アメリカやヨーロッパ、中東などに自生する野草。おもにヨーロッパで古くから鎮痛効果や鎮静作用があるとされ、薬草として用いられてきました。現在、その効果ははっきりと証明されていませんが、もし効果があったとしても、栽培種のレタスに含まれるラクチュコピクリンの量はごくわずかです。
海外のSNSでレタスを浸したお湯を飲むと安眠効果がある、という動画が話題になったことがありますが、科学的根拠はなく、レタスを浸したお湯を飲んだりレタスを食べたりするだけでは安眠効果は得られないことがわかっています。
人には催眠作用がないとしても、うさぎではどうか、気になりますね。
うさぎに与えるレタスとして、ロメインレタスのような結球しないタイプが推奨されることが多いですが、これらのレタスにも微量のラクチュコピクリンは含まれています。結局のところ、結球レタスは水分がほとんどでうさぎに有益な栄養がほぼないこと、たくさん食べてしまうとお腹の調子を崩して下痢になってしまうことから、与えないようにいわれているようです。
おやつとして少量を食べる分には特に問題はないといえます。レタスの外側の葉はおよそ50gなので、1日に与える目安は10分の1枚ほど。好きな子はたくさん食べてしまうので気をつけましょう。
野菜はすべて「おやつ」として少量を

うさぎが食べられる野菜すべてに共通することですが、適量を大きく超えて食べてしまうとお腹の調子を崩してしまう可能性があります。野菜は人が食べる分には健康的な食材ですが、草を食べるうさぎにとってはスナック菓子のようなもの。喜んで食べるからと与え過ぎてしまうことや、身近な野菜の誤食にはくれぐれも注意してください。
またうさぎに野菜を与える前に、本来の食事である牧草を日頃からしっかり食べているか確認を。牧草を充分食べてお腹の調子が安定していれば、野菜をおやつとして楽しんでも問題になることはほぼありません。ですが、牧草をあまり食べない子に対して、野菜を好んで食べるからとたくさん与えてしまうと、いつまでも牧草を食べないばかりか、お腹の調子が崩れてうっ滞や下痢を起こしてしまいます。
牧草をなかなか食べない場合は、歯に問題がないか受診して確認するなど、野菜を与える前に解決しておきましょう。そのほか、あらかじめよく水洗いする、野菜が傷みやすい梅雨から夏の時期には夜に与えて朝には取り出すなど、野菜を与えるタイミングや注意点も守りましょう。野菜の与え方や注意点について、詳しくは次の記事も参考にしてください。
