うさぎを飼っていない人でも、うさぎとふれあいができる場所に行くこともあれば、うさぎを飼っている人のお宅を訪ねることもあるでしょう。そんなときに知っておきたい、うさぎとのふれあいのポイントや注意点を紹介します。

うさぎとふれあうとき気をつけたいこと

まずはうさぎとふれあう前に知っておきたい注意点を紹介します。基本のマナーとして、ぜひ覚えておいてくださいね。

・ふれあいの前後に手洗いや消毒をする

ふれあいの後に手を洗う、というのはいわずとも実践する人が多いはず。うさぎから人へ移る共通の病気もあるため、手は必ず洗いましょう。では、ふれあう前はどうでしょうか? 一見きれいに見えても、私たちの手にはさまざまな場所に触れることでウイルスや細菌がついているものです。これらがうさぎの毛についてしまっても、うさぎは体を洗うことはできません。うさぎたちは自分の毛を直接なめてお手入れをするので、そのまま口に入ってしまうことになります。うさぎを病気から守るために、ふれあいの前にも手洗いや消毒を忘れないようにしましょう。

・うさぎを驚かすことをしない

耳がいいうさぎは音に敏感です。うさぎがかわいいからと、大きな声で騒がれたり、大きな音を立てられたりするとびっくりしてしまいます。どんなにかわいくてもリアクションは控えめに。急に立ち上がる、顔の前に突然手を出すといった行動も驚かせてしまうのでやめましょう。

・お口のまわりは触らない

うさぎはお口も、いつも動いている鼻もとてもかわいいですが、口まわりは触らないようにしましょう。うさぎが嫌がるだけでなく、怒っている、警戒しているなどの条件が重なると噛まれてしまう危険があります。

・抱っこは控える

大半のうさぎは抱っこをされるのが大嫌い。

捕まっている感じがして怖いこと、地面から足やお腹が浮いてしまう状態が不自然などの理由から、抱っこは嫌がることが多いです。ふれあいができる場所によって、抱っこのルールはさまざまです。最初から膝にのせて抱っこに近い状態でふれあえるところもあります。そのような場所のうさぎたちは子うさぎのころから抱っこに慣れてもらい、実際に慣れることができた子が選ばれているので問題ありません。

逆に、うさぎがいる場所に入って自由に近づいてふれあえる場所では、抱っこが禁止されていることもあります。その場合は絶対に抱っこはやめましょう。禁止されていなくても、嫌がるうさぎや逃げるうさぎを無理に抱き上げることはやめましょう。うさぎが嫌がって暴れると骨折してしまうこともあります。運良く抱っこができたとしても、飛び降りるなど不測の事態に備えて必ず座って行ってください。

うさぎが喜ぶふれあいのポイント

次は実践編!うさぎとのふれあいのポイントを知って、より楽しい時間にしましょう。

・うさぎが触られてうれしい場所・嫌な場所

うさぎは頭や背中をなでられるのが大好き。初対面のうさぎには、ゆっくり近づきまず頭をなでて、うさぎの様子を見ながら少しずつ背中へと範囲を広げていきます。

うさぎは心地よいと、気持ちよさそうに目を閉じたり、姿勢を低くしたりしてじっとしています。このような様子が見られたら、そのままたくさんなでてあげましょう。

反対に触られたくないのは、地面に接している部分。足やお腹、しっぽには触らないようにしてください。耳も繊細な部分です。上からやさしくなでる以外に、つかんだり引っ張ったりすることは絶対にやめましょう。

・追いかけないで待つ

うさぎは追いかけられることも苦手です。逃げるときは嫌がっている可能性が高いので、逃げる子は追わないことが基本です。うさぎと仲良くなる一番の方法は寄ってくるのを待つこと。

でも限られた時間でずっと待っているわけにもいきませんし、ただ待つだけでうさぎが寄ってくるとも限りません。そんなとき、頼りたいのがおやつ。おやつを販売していたら購入して、おやつを持ってうさぎが寄ってくるのを待ちましょう。中には食べるだけ食べて去っていく子もいるかもしれません。でもそれもうさぎの個性。うさぎ一頭一頭の性格の違いを楽しむ気持ちで接してください。

・毛色や模様のちがいにも注目

うさぎは毛色も豊富で、個性的な模様がある子もいます。ウシ柄、パンダ柄、ソックスを履いたように足先だけ毛色がちがう子など。うさぎが集まる場所に行ったら、毛色の違いにも着目してみましょう。模様がそのまま名づけに反映されていることもあります。うさぎの名前も聞いてみると、また新たな発見があるかもしれませんね。

うさぎを飼っているお宅を訪問するときは

同じうさぎでも、好奇心旺盛で来客に寄ってくる子もいれば、怖がりな子も、噛みつく癖がある子もいます。まず飼い主の話をよく聞いて、どんな性格の子か、ふれあいができるかどうか確認を。もし飼い主が口まわりに触れていたり、抱っこができていたりしても、同じ接し方ができるとは限りません。うさぎは総じて繊細であることを念頭に、ふれあう前にケージ越しに対面して慣れてもらう時間を設けるなどして、ゆっくり距離を縮めるようにしましょう。

また、うさぎは鼻もよく利くので、香水や香りの強い化粧品をつけているとそれだけで警戒されることも。なるべく何もつけないで行くのがベストです。

まとめ

うさぎとふれあえる場所はさまざまで、ふれあいの方法やルールもそれぞれ異なります。どこに行っても、まずはその場所のルールをよく確認してからふれあいをスタートしましょう。上でご紹介したことも参考に、かわいいうさぎとの癒しの時間を楽しんでくださいね。

ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。