こちらを見つめる猫

猫も人の喘息とよく似た症状を起こすことがあります。「猫喘息」とも呼ばれ、繰り返し咳をしたり、苦しそうにぜえぜえするといった様子が見られます。喘息が悪化すると、気管や肺の機能が低下するので、呼吸の回数がいつもより増えたり、すぐに疲れてあまり遊ばなくなったりします。完治するのが難しい疾患なので、万が一、発症してしまった場合は重篤化しないようにコントロールしていくことになります。しかし、近年では、喘息を改善させる可能性を秘めた選択肢として、動物の幹細胞を用いた「再生医療(細胞治療)」が注目されています。

本記事では、「喘息」に対して再生医療(細胞治療)を実施した結果、改善の兆候がみられた症例をご紹介します。

※治療の効果については、その子の状態、対象の病気、投与方法などによって大きく異なります。

猫の喘息の主な原因はアレルギー

猫喘息の主な原因はアレルギーです。
猫喘息で猫が呼吸困難に陥るのは、呼吸をするときの空気の通り道が何かしらの物質に過敏に反応し、気道の内腔が狭くなったり気道粘膜が炎症を起こしたりするためです。
この何かしらの物質に対する身体の過敏な反応が「アレルギー反応」なのです。

猫喘息を起こすきっかけとなるアレルゲン物質には次のものが挙げられます。
・タバコの煙
・ハウスダストなどが含まれる環境中の埃
・猫砂の埃
・香水や芳香剤
・家庭で使用される消臭剤やヘアスプレーなどにおいを発する物、
・特定の食べ物
・花粉

アレルゲンを特定するのは難しいかもしれませんが、空気清浄機を使用するなどして、生活環境からアレルゲンになりうるものを除去する工夫をするとよいかもしれません。

猫喘息(13歳/マンチカン×ラグドールのMIX/去勢済の男の子)での再生医療の実例①

■Before・After 再生医療(細胞治療)実施前後の様子
・表情の違い

治療後の写真

再生医療(細胞治療)実施前(左)は険しかった表情が、実施後(右)は落ち着いて穏やかな表情になっている。

■普段の様子(動画)
再生医療(細胞治療)実施前は、とても苦しそうに咳き込んでいるが、実施後は咳き込む様子もなく活発にじゃれている。

Before 再生医療(細胞治療)実施前

After 再生医療(細胞治療)実施後

再生医療(細胞治療)実施後の様子はこちらをご覧ください。

福田エヴァンちゃんの飼い主さまのお声
咳こむ回数が減り、治療後1ヶ月後検診で撮ったレントゲンでも目に見えて炎症が減っていました。また、関節炎の症状も緩和している様子で、数ヶ月ぶりにキャットタワーの最上段まで登ったりしています。

猫喘息(11歳/ペルシャ/去勢済の男の子)での再生医療の実例②

■Before・After 再生医療(細胞治療)実施前後の様子

治療前後の写真

再生医療(細胞治療)実施前(左)はきつかった表情が、実施後(右)は優し気な表情になっている。

岡島小鉄ちゃんの飼い主さまのお声
喘息の治療も11年になり、ステロイド服薬の間隔がどんどん短くなりつつあり不安でした。幹細胞投与の治療後2週間くらい経った頃、「もしかしたら効いてきたかも?服薬の間隔が、以前のように3日に1度で落ち着いている」と思うようになりました。今、治療後1ヶ月経ちました。やはり服薬間隔は3日に1度で落ち着いています。感謝しています。
アニコムさん、ありがとうございました。これからも私たちの幸せな暮らしを守って下さい。それから、この治療が保険適応になることを願っています。

再生医療を受けられる病院はこちら

再生医療は、全国どこの動物病院でもできるという訳ではありませんが、以下の病院で受けていただくことができます。

■アニコムどうぶつ病院グループ病院(一部)
アニコム先進医療研究所株式会社が運営する動物病院の一部では、再生医療の適切な普及・拡大を目的とする「動物再生医療技術研究組合」に加入しているため、再生医療を受けることが可能です。

アニコムどうぶつ病院グループ一覧はこちら
※アニコム先進医療研究所株式会社のHPに移動します。注射器のマークがある動物病院で再生医療が受けられます。

■動物再生医療技術研究組合の加入病院
「動物再生医療技術研究組合」に加入している他の動物病院でも再生医療を受けることが可能です。

動物再生医療技術研究組合参加病院一覧はこちら
※アニコム損保が加入している再生医療の研究を行う組合(動物再生医療技術研究組合)のHPに移動します。

なおアニコム損保では、飼い主さまに代わり、かかりつけの動物病院へご連絡することも行っています。ご希望の場合は以下のアニコム損保あんしんサービスセンターへご連絡ください。

【あんしんサービスセンター】
► 0800-888-8256
受付時間: 平日 9:30~17:30 / 土日・祝日 9:30 ~15:30
※サービス向上のため、通話内容を録音させていただきます。

【WEBでお問い合わせ】
お問い合わせはこちら※1,2

【再生医療対応の病院をさがす】
全国の実施可能病院一覧※1

※1 動物再生医療技術研究組合のHPに移動します。
※2 お問い合わせへの回答は動物再生医療技術研究組合から行います。

「動物再生医療技術研究組合」で行われる再生医療を受けた方に協力金をお支払い

アニコム損保では、「動物再生医療技術研究組合」において対象となる臨床研究を受けた方に、「再生医療協力金」をお支払いすることになりました。

協力金の概要や申請方法については、以下をご確認ください。


再生医療協力金詳細バナー

監修獣医師

河本光祐

河本光祐

岩手大学農学部獣医学科卒業後、岐阜大学大学院 連合獣医学研究科にて博士号を取得。2011年 アニコム損害保険株式会社に入社、保険金支払や経営企画、 獣医師としての臨床業務など幅広く従事。現在はアニコム先進医療研究所の代表取締役社長を務める他、再生医療の研究を行う動物再生医療技術研究組合の理事長も兼任する。 愛猫は病院保護猫のカキタロウ、ツブスケ。