こちらを見つめる猫

猫は自由気ままだから「ストレスとは無縁」と思っている方も多いと思いますが、実はとっても繊細な動物です。
思いがけないことがストレスになっていることもあり、それに気づかずにいると、病気になってしまうこともあります。そうならないために、猫のストレスサインと解消法をお伝えします。

猫がストレスを感じたときにとる行動は?

毛づくろいする猫

猫がストレスを感じているときには、体調や行動に変化が見られます。

食欲がない

食事や飲水の量の変化は、猫の健康状態を把握するのにとても重要です。
ストレスだけでなく、病気が原因で食欲がなくなることがあります。

身体を舐めたり、脱毛が見られる

ストレスを感じることで、身体を必要以上に舐めたり、掻いたり、噛んだりと執拗なグルーミングをすることがあります。それはストレスによる自傷行動で、脱毛や皮膚の赤み、出血などが見られることもあります。
中には自傷行動がないのに、脱毛することもあります。

若いのに寝てばかりいる

猫はもともとよく寝る動物でmすが、いつも遊んでいる時間や食事の時間になっても寝ている場合は明らかに元気がない証拠です。

排泄回数や排泄状態の変化

排泄の変化も食事と同様に健康チェックの目安になります。
ストレスがかかることで、排泄が減少したり、逆に下痢などを起こして排便の回数が増えることもあります。
ただ、食べる物が変われば一時的に便が緩くなったり、色や匂いが変わることもあるので、食事と排泄の変化は一緒に確認するようにしましょう。

粗相が増える

今までトイレでできていたのに、粗相が増えるのもチェックポイントです。
トイレの場所や形が変わったり、同居猫が増えることがきっかけで粗相をしてしまうこともあります。

攻撃的になった

ストレスが溜まるとイライラしやすくなるのは猫も同じです。行動が激しくなったり、触ろうとすると噛んだり引っ掻いたりするときには、猫にとって何か嫌なできごとが起こっていると考えるのがいいでしょう。

隠れて出てこない

猫は危機回避能力が高いので、ストレスになり得るものから逃れるため、安全な場所に隠れることがあります。
どのタイミングで隠れてしまったのかがわかると、猫にとっての嫌なものがわかります。

ストレスを感じる原因にはどんなことが考えられる?

段ボール箱の上に横たわる猫

猫は本来、単独で行動する動物です。群れで行動する動物とは違い、仲間が危険を知らせてくれるわけではないので、自分の身は自分で守らなければなりません。だからこそ、見慣れないものには慎重になりますし、音や匂いにも敏感に反応します。

適切でない環境

適切でない環境というのは、猫の本能を考えたときに「〇〇できない」という状態と考えるとわかりやすいです。

例えば、
・上下運動ができない
・爪とぎができない
・排泄物が隠せない
・落ち着ける場所がない
・刺激がなくつまらない

などが挙げられます。

環境の変化

猫にとって環境の変化は、多岐にわたります。いつも使っているベッドや食器が変わることに敏感に反応する子もいます。
お留守番の時間が突然長くなったり、それにともない食事の時間が変わることがあれば多少なりともストレスになることがあります。

また、引っ越しや、結婚・出産によって家族が増えることも猫にとって大きな環境の変化になります。

飼い主さんの接し方

猫にとって飼い主さんは大好きな人ではありますが、いつも一緒にベタベタしていたいわけではありません。猫にも撫でて欲しい時、遊んで欲しい時、ゆっくり寝ていたい時などがあります。
猫の気持ちを無視して、執拗に構いすぎたり、お腹や手足、しっぽなど、触られたくない部分を触られることも、猫にとってはストレスになります。。

同居動物

猫を多頭飼育していたり、他の動物も一緒に飼っている場合は、同居動物との相性もとても重要です。
相手が一緒に遊ぼうと、ちょっかいを出したり、追いかけていたとしてもそれが嫌であればストレスになることもあります。同居の先住動物が威嚇したり攻撃したりすることもあるので、注意が必要です。

雷や地震

人に飼われている猫にも「本能」が強く残っています。地震や雷といった自然現象に対しては危険を感じますし、雷と同じような音と振動がする花火も猫にとっては同じように警戒するべきできごとです。

大抵は短時間で終わるので、突発的で強いストレスにはならないことが多いですが、夏には、雷や花火が繰り返されることで、ストレスになることもあります。怖がって隠れてしまったら、そのまましばらくそっとしておいてあげるようにしましょう。

また、飼い主さんが過剰に怖がったり不安になっているとそれが猫に伝わり、猫も不安になってしまうので、できるだけ冷静な行動をすることが大切です。

来客

来客は、猫にとって安心できる自分のテリトリーが侵されることになるため「人が好きな子」以外はストレスを感じることになります。
見知らぬ人が苦手な猫は、できるだけ来客者と対面したくないので、隠れて出てこなくなることが多く、トイレや飲水も我慢することになってしまいます。
そのため長時間の滞在や、来客の頻度が多い場合には、違う部屋で過ごさせたり、あらかじめケージの中に入れておくなど、工夫してあげましょう。

慣れないこと・恐怖を感じること

ストレスになることの多くが、慣れないことや恐怖を感じることです。
先に解説したことも「適切でない環境」を除けばどちらかに当てはまります。

例えば、病院に行く、ペットホテルに預けられる、キャリーに無理やり入れられる、車に乗せられる、お風呂に入らされる、爪切りをされるなどもストレスになることだと考えられます。

猫のストレス軽減と解消法

キャットタワーにいる猫

猫の気持ちになって考えてみると、意外なほど多くのことがストレスになり得るのです。
ではどうしたら、ストレスを軽減させられるのか一つずつ解説します。

環境の見直し

まずは環境の見直しです。今の環境が猫にとって適切か、改善できることはないか猫の行動を見ながら考えてみましょう。

見るべきポイントは7つです。

1.遊んだり運動できるスペースがあるか。
走ったり、ジャンプしたり、おもちゃを使って遊ぶスペースを確保してあげましょう。

2. 家具やキャットタワー、キャットウォークなど上れる高い場所があるか。
猫は高いところが好きですし、安心します。嫌なことがあったとき、高い場所へ自由に逃げることができるので、ストレス軽減に役立ちます。

3.安心できる場所はあるか。
高いところだけでなく、狭い場所、暗い場所も猫にとって安心できる場所です。
安心できるところとして、クレートなどを用意しておくこともおすすめです。

4.室温や湿度の管理はできているか。
ついつい忘れがちなのが室温や湿度です。人が暑いと感じているときは、毛皮に覆われている猫にとっては相当暑い状態です。夏はエアコンを使って常に室温を調整してあげましょう。いつものベッドに冷感マットを敷いてあげるのもおすすめです。猫が自分で心地よい場所を選べるように整えてあげましょう。

5.清潔な水がいつでも飲める状態か。
清潔な水がいつでも飲めることは、健康面においてとても大切なことです。
1箇所ではなく数ヶ所に置いてあげるようにしましょう。

6.トイレはの場所、猫砂のタイプは?
猫はとてもきれい好きなので、トイレが汚れていたり、排泄しにくい形状ものだと粗相が増えたり我慢したりしてしまいます。
猫のトイレの数は頭数×2個がよいと言われていますが、部屋の広さにもよりますし、猫の性格にもよります。他の猫と共有しても平気な猫もいれば、自分の排泄場所にこだわる猫もいます。多頭飼育の場合は、先住猫を尊重しつつ、同居猫との相性などを観察して、トイレ環境を整えてあげてください。何より大事なことは、常に清潔を保つことです。排泄物は、すぐに片づけるようにしましょう。

7.同居動物と適切な距離を保つことができるか。
同居している猫や犬がいる場合、お互いに仲が良ければ問題ありませんが、仲が良くない場合には、それぞれがくつろげる場所を確保してあげる必要があります。
ベッドの場所、食器の場所、トイレの場所を離してあげるなど、互いに刺激しあわないですむような工夫をしてあげてください。
どうしても同じ空間で馴染めない場合は、部屋を分けることも考えましょう。

クレート(キャリー)に慣らす

猫を病院に連れて行ったりする際に使うクレートですが、その時だけ使っていると、慣れることもなく、嫌な思いをするだけのものになってしまいます。
部屋の中に置いていつでも自由に出入りができ、時には隠れられる場所としても利用してもらえると、病院や災害時など、クレートに入ってもらいたいときに、すんなり入ってくれるようになります。

クレートに慣れておくことで、負担が一つ減りますし、クレートの中にいれば安心・安全だと思えることで、慣れない場所に行っても受けるストレスを減らすことができます。

遊ぶ時間を増やす

1日の大半を寝て過ごす猫であっても、刺激がなく「何もすることがない」というのもストレスの原因になります。そのため意識して一緒に遊ぶ時間をとったり、お留守番中もひとり遊びができるように安全なおもちゃを用意してあげることで、ストレス発散につながります。

飼い主さんとの時間をつくる

自由気ままな猫であっても、飼い主さんとの時間は必要不可欠なものです。
一緒に遊んだり、撫でたり、お手入れをしてあげることは大事なコミュニケーションで、猫にとって「嬉しい」「楽しい」「気持ちいい」はストレス減少にもなります。
また、ただ同じ空間にいて、お互いに気配を感じることだけでも飼い主さんとの時間と言えます。ふれあっていなくても、近くにいるだけで安心する、安心してリラックスできるということは、ストレスフリーな状態でもあるので意識して一緒にいる時間を作ってみましょう。

まとめ

猫は繊細で警戒心の強い動物です。それは身を守るために備わった習性ですが、何かに集中したり、周りを気にして警戒するというのは強い緊張状態にあるということなので、精神的にも肉体的にも負担がかかります。
人間同様に心的ストレスから、病気を引き起こしてしまうこともあるので、できるだけストレスをかけないようにしてあげましょう。

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ライター

猫百科編集部

猫百科編集部

猫の飼い主歴10年以上の編集者が集い、毎日、猫の「あるある話」に花を咲かせ、情報交換している。編集部員の面々は、猫との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。