猫が怒っていると感じるのは、「シャーッ」と鳴いたり、噛まれたり引っ掻かれたりしたときが多いのではないでしょうか?でも実際、なんで怒られたかはわからないということもあると思います。猫が怒るポイント、怒りの裏に隠された本当の気持ちをお伝えします。
猫はどんなときに怒る?
気まぐれな猫ですが、理由もなく怒るわけではありません。
猫にとって嫌なことをすれば怒るのは簡単に想像できますが、個体によっても苦手なことが違うので、一概に「これをしたら必ず怒る」とは言い切れません。
また、いつもは平気なことでも、さまざまな条件が重なって怒ることもあるので、ここではその一例をご紹介します。
しつこくされると嫌がる
いくら大好きな飼い主であっても、かまわれたくないときや、執拗に撫でられたり、抱っこされたりすると怒ってしまいます。
嫌がったり、逃げようとする素振りが見られたときには、それ以上触れずにそっとしておいてあげましょう。
しっぽを触る
しっぽは猫にとって敏感な部分です。違和感を感じたり、不意に触られると驚いて怒ってしまうこともあります。しっぽの他にも耳、足先、お腹なども敏感な部分です。
お腹を出して寝ていても、撫でてほしいかどうかは別です。ただし、急所であるお腹を出して寝ているということは、安心してリラックスしているということです。できれば、子猫のうちから敏感な部分も触られることに慣らしておくといいです。
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ごはんを食べているときに触る
猫に限らず、動物にとって食事中は、無防備になりやすい状態で、特に肉食動物は「獲物を取られるかもしれない」という警戒心を常に持っています。そんな時に不意に触ったりすると噛まれたり引っ掻かれたりします。
食事は安心して、ゆっくり食べられる場所に用意してあげましょう。多頭飼いの場合は、それぞれのフードボウルを十分に離して置いたり、犬と暮らしている場合には、犬が届かない安定した高い位置においてあげると、ゆっくり食べることができます。
身体に痛みがある
身体を触って急に怒る場合には、どこかに痛みがあることもあります。まずは、無理やり抱いて確認するのではなく、遠くから様子を見て、猫が「同じところを何度も舐めていないか」「歩き方、動きは不自然ではないか」などをチェックします。身体を触らせてくれるようであれば、どこを触ってどんな反応をするかを、よく観察しましょう。異常が見つからなくても、いつもと違った様子があるならば動物病院に連れて行くようにしましょう。
遊んでいるうちに興奮してしまっただけで、実は怒っていないことも
突然飛びついてきたり、猫パンチをしたり、遊んでいる手に噛み付いてきたり……。一見怒っているような行動ですが、実は猫にとっては遊びだったり、遊んでいるうちに興奮してエスカレートしてしまった、ということもあります。
動いているものを見ると、そっと物陰に隠れて様子を伺い、狙いを定めてダッシュする…。これが猫の習性です。狩猟本能を刺激されると、ついつい「野生」の部分が出てしまうのは、猫の魅力のひとつでもあります。「本気モード」にならない程度に一緒に遊んであげましょう。
テリトリーに入られた時
野良猫の場合、それぞれが自分の縄張りを持っているので、そこにいきなり知らない猫が入って来ると追い出そうと威嚇します。
飼い猫であっても、多頭飼いで相性が悪いと相手を威嚇します。猫同士の相性が悪い場合は、無理に仲良くさせようとはせず、部屋を分けるなど猫たちにストレスがかからないようにしてあげてください。
怒るとどんな仕草をする?
猫が「怒っている」と判断できるのは、噛んだり引っ掻いたりするからでしょうか?
実は、そういった攻撃行動になる前に、「今の気持ち」がサインとして身体のあちこちから出ていることがあります。特に、「怒り」には「恐怖心」や「不安」、「イライラ」「攻撃心」などが混在しています。そのため現れる行動をよく見ることで、なぜ怒っているのかがわかります。
耳が後ろに倒れる
耳が後ろに倒れているのは、恐怖心からくるもの。怒っているというよりは、自分の身を守るために必死になっている状態です。
耳が後ろに向く(反る)
恐怖心よりは、攻撃心を強く持っているのでこちらの出方によってはすぐに攻撃されてしまします。
しっぽがふくらむ
毛を逆立ててしっぽが膨らんでいるときは、恐怖心が大きいけれど、負けないように身体を大きく見せようとしているときです。驚いたときにもしっぽは膨らみます。
しっぽを振る
猫がしっぽを大きく振るのはイライラしているから。猫が自由に逃げられる状況であればその場から立ち去りますが、執拗に触ったり、抱いたりして簡単に逃げられない状況では攻撃行動に出ることがあります。
シャーッと威嚇する
シャーッと鳴くのは、恐怖心や攻撃心から「それ以上近寄らないで」「あっちに行け」と警告しているとき。更に踏み込めば猫は自分や縄張りを守るために攻撃に出ます。
唸る
「ウ~~、ウ~~」と、低く籠もった声で唸るように鳴いているときは、攻撃心を持って威嚇しているときです。ちょっかいを出さないでそっとしておきましょう。
怒っているときはこんな姿勢になる
身体を大きく見せるために、頭を上げ腰も高くしているときは威嚇の姿勢です。そこから頭を下げ、前足に力が入るといつでも飛びかかれる攻撃の姿勢になります。
反対に、身体を小さく丸め「シャー」と鳴いているときには、恐怖心が強いときです。背中を丸めしっぽも高く持ち上げ全身の毛を逆立てているときは、恐怖心を隠して相手を威嚇しているときの姿勢です。
猫を怒らせてしまったら、どうしたらいい?
恐怖心から怒っている場合には、猫が怖いと思っている「もの」や「こと」を取り除いてあげる必要があります。たとえば、初めて見る物をいきなり近づけて、怖がらせてしまった場合には、まずはそれを遠くに退かしてあげることです。そして慣れさせる必要がある場合には、遠くからでも見られる位置に置き、猫自身のタイミングで少しずつ距離を縮められるようにしてあげましょう。
そっとしておくのが一番
猫がイライラしているときや、怖がっているサインを出しているときは、それ以上踏み込まないでそっとしておいてあげましょう。
怒らせてしまったときにも、「ごめんね!」といって撫でようとしたり、おやつで機嫌を取るよりもまずは、距離を置いて、ひとりにさせてあげることが先です。
まとめ
猫が怒るシーンは、野良猫、飼い猫、また猫同士か猫と人間なのかによっても見られる行動は違ってきます。
飼い猫同士で相性が悪いなら、部屋を分ける工夫が必要です。対人間であれば、猫が大きくしっぽを振ったり、唸っていたりして、イライラしているなと感じたら、距離をとって怒らせないようにするなど、状況に応じた対応が重要です。
とはいえ、愛猫家にとっては、怒られようが、嫌われようが、かわいくて「つい、かまい過ぎてしまう」ということもあるでしょう。
しかし、それが頻繁に続けば猫にとって大きなストレスになっていることもあるので、猫にとって何が嫌いで怖いことかを知り、節度を持ったコミュニケーションを心がけましょう。
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