食べた後に吐いてしまう、吐こうとするのに何も出ない…猫が吐いているときに考えられること

概要

Overview

猫は日常的に「毛玉を吐く」ので、慣れてしまった飼い主もいるかもしれません。吐いたものが毛玉であれば、それほど深刻になる必要はありませんが、内容物によっては大きな病気が隠れているかもしれません。この「吐く」という症状について、どんな病気が考えられるか、その診断までの流れ、さらに自宅でできる対策方法についてご紹介します。

【「吐いている」の症状フローチャート】

猫 吐いている フロチャ

 

「症状フローチャート」では、動物病院に行った際、どのような検査をして診断を受けるかが一目でわかります。
わが子のいつもと異なる行動や状態に気づいたら、「主訴」から順に症状をたどってみてください。ごく軽度の場合はご自宅で様子を見ることもできますが、状態がひどかったり、軽度でも数日続くようなら動物病院での受診をお勧めします。

※「症状フローチャート」は、一般的な獣医療における診断を図式化しています。

 

それぞれの病気についてはこちらから

▶異物誤飲
▶腸閉塞
▶巨大食道症
▶腫瘍
▶子宮蓄膿症
▶膵炎
▶尿毒症
▶甲状腺機能亢進症

 

猫が吐いたときの主な内容物

猫 吐いてる

 

自宅でできるケアのポイント 

「吐く」のを防いであげるためには、毎日、あげている「ごはん」から考えたほうがよいかもしれません。ここでは、ごはんのチェックポイントや日々、注意したいポイントをご紹介します。

 

■ごはんのチェックポイント

・人の食べ物はあげない

人の食べ物は、塩分や脂肪分が多いのであげないようにしましょう。人にはおいしく、また健康に良い食べ物も、猫の健康を損ねる場合があります。

・ごはんのあげ方

一気食い、早食いは誤嚥(ごえん)やおなかにガスが溜まる原因となります。食後すぐに激しい運動をすることもよくありません。早食い防止用の食器を利用したり、食事のあとしばらくは落ちついて過ごせるよう、食事のタイミングを工夫しましょう。
また、フードを変更するときは、それまでのごはんに少しずつ新しいフードを混ぜ、徐々に量を増やし、時間をかけて変更するようにしましょう。
猫用のおやつもあげすぎると消化不良の原因になり、おなかに負担がかかります。メインのごはんの 1割程度の量を超えないよう心がけましょう。

 

■異物誤飲に注意

猫にしつけをすることは難しいので、整理整頓で誤飲を防ぎましょう。普段から、飲み込む可能性があるものはこまめに片付けたり、おもちゃに破損がないかなど確認しましょう。なんでも口に入れてしまう猫の場合は、留守番させる際はケージに入れておくというのもひとつの方法です。

 

■毛球症に注意

グルーミングをよくする猫は毛を飲み込んでしまいます。その毛が胃から腸へ行かず、胃の中で毛玉になると嘔吐や食欲不振、場合によっては便秘につながります。長毛、短毛にかかわらず、こまめなブラッシングで飲み込む毛の量を減らしてあげたり、毛玉を吐いたことがある猫には毛玉対策用のごはん、サプリメントなどを試してみるのもよいでしょう。

 

■吐いてしまったら、嘔吐物や嘔吐前後の様子をチェック

嘔吐物や吐く様子、タイミングによって考えられる病気が異なります。様子を見て、かかりつけの獣医師に相談をしてください。吐くと体力をとても消耗するので、吐き気が続く場合は様子を見ずにすぐに動物病院を受診するようにしましょう。余裕があれば吐く様子の動画や吐いたものの写真をとっておくのもよいでしょう。

 

飼い主さん自身も正しい知識を

いつどのタイミングで何を吐いたか、飼い主さん自身がしっかり把握しておくようにしましょう。そうすることで、適切な検査を行い、原因をしっかりとつきとめ、治療を進めることができます。

わが子のことを誰よりも分かっている飼い主の皆さまが、この流れを知ることで、病院の先生とわが子との『三人四脚』で最適な治療を選ぶ一助にしていただければ幸いです。

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

 

お近くの動物病院をお探しの方はこちらアニコム損保動物病院検索サイト

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
通院1回あたりの平均単価
他の動物種のデータを見る

病気のデータ

他の動物種のデータを見る

みなさんからのコメント

Comment
みゅう
2023-11-02 04:40:01
コメントうちのこは6歳〜7歳でキジトラメス、痩せ型です。多頭飼い3匹、女の子です。
食べたあと吐く時と吐かない時があって、消化しかけているご飯をえづいたのちに2回に分けて吐きます。
朝とご飯を食べた後に涙、くしゃみ(クリーム色のたんのようなものが出るまで)が習慣のようになっています。以前お医者さまにかかりましたが目薬を挿しても治りませんでした。ほかの二匹はくしゃみや涙目
みゅう
2023-11-02 04:43:10
ほかの2匹にくしゃみは涙目はありません。

吐いたあとに目を瞑って座っていたり、涙を拭うと左目側に網膜?白い膜が少し見えます。左目に涙が多いです。
良かったら、回答お願いします。
アニコム獣医師
2023-11-08 12:20:42
>みゅう様
ネコちゃんが吐く原因はストレスや痛み、体調不良など多岐にわたり、治療法は原因によって異なります。また、涙が常に多く、くしゃみや目やにもある場合は、ウイルスや細菌などの感染症を起こしていることもあります。ウイルス感染では対処療法として免疫力を上げる治療を行い、細菌感染では抗生物質の投与を行います。ただし、基礎疾患の有無によっても治療法が変わるため、再度受診することを推奨いたします。
ハリ
2023-07-19 06:14:38
はじめまして。
質問があります。長毛4歳の猫です。元々吐かないタイプの猫なのですがここ最近遠吠えのように鳴いてから未消化物を吐いたりえずいて胃液のみ(白い泡のような物)吐いたりとします。病院にいくべきでしょうか?ちなみに食欲もありおしっこもうんちも問題ないです。
アニコム獣医師
2023-07-24 11:37:39
>ハリ様
元々吐かなかった子が頻繁に食べ物や液体を吐く場合には注意が必要です。消化器の異常以外にも痛みやストレス、その他の内臓疾患なども嘔吐の原因となりえます。また、嘔吐を繰り返すことで食道を傷つけてしまったり、脱水を起こすこともあります。できるだけ早めにご受診いただくことをお勧めします。

コメントを書く

※20文字以内で入力してください
※200文字以内で入力してください
画像
最大3ファイル / 64 MB 制限 / 許可されたタイプ: png gif jpg jpeg

アニコム損害保険株式会社

アニコム損害保険は、ペット保険を通じて、飼い主様の涙を減らし笑顔を生み出す保険会社を目指しています。

保険金支払データの分析を通じ、どうぶつがケガをしない、 病気にならないための情報の提供など、予防促進に取り組んでまいります。