犬の避妊手術・去勢手術

避妊手術

避妊手術は、外科的に女の子の子宮と卵巣(動物病院によっては卵巣のみ)を摘出する手術です。手術は一般的に、全身麻酔をかけてお腹を開けて行います。避妊手術を行うと、女性ホルモンを分泌する卵巣がなくなるために発情もなくなり、妊娠や女性ホルモンに関連して起こる病気や行動を抑えることができるといわれています。

【避妊手術の時期】
犬の場合、犬種差や個体差はありますが、一般的に生後 6 ヶ月から10 ヶ月で初めての発情を迎えます。これより前に避妊手術を行うと、乳腺腫瘍になる確率が低くなるといわれています。しかしながら、手術は全身麻酔をかけて行うため、犬の体調が良好なときに行なうとよいでしょう。また通常、手術後のケアや抜糸までの通院などがあるため、飼い主さんも時間的な余裕をもって手術に臨む必要があります。手術の時期については、犬の体調や個々の成長の程度などが大きく関わってくるので、検診をかねて一度、かかりつけの動物病院にご相談ください。

※女の子の犬に発情が訪れると、陰部からの出血がみられます。この出血を発情出血(生理)といいます。発情出血(生理)はバセンジーを除いて年に 2 回あります。発情出血の量については個体差があり、量が少ないことも多く、また自分できれいになめとってしまうため出血が分かりにくい犬もいます。
 
【避妊手術のメリット】
・発情がなくなる
・不必要な交配・妊娠を避けられる
・生理が訪れた後の偽妊娠※と呼ばれる症状をなくすことができる
・子宮蓄膿症という子宮の中に膿が溜まる病気を予防できる
・乳腺腫瘍の発生率を低下させることができる
・卵胞嚢腫などの卵巣疾患を予防できる
(乳腺腫瘍に関しては、1 回目の発情前に避妊手術をすることで発症率が非常に低下するが、年齢を重ねてからの避妊手術では発症率に変化は見られないといわれています)

【関連記事】

乳腺腫瘍 <犬>

偽妊娠 <犬>

子宮蓄膿症 <犬>


※偽妊娠とは?
犬が発情すると排卵が起こり黄体ホルモンの分泌が始まりますが、犬の偽妊娠はこの黄体ホルモンが分泌され続けることにより起こります。黄体ホルモンの役割は、受精卵が着床し易くし妊娠状態を維持することにあります。妊娠が成り立たなければ、黄体ホルモンの役割はなくなりますが、犬の場合は受精・妊娠が成り立たなくても黄体ホルモンの分泌は、しばらくの間、続きます。このため、実際に妊娠した犬のように、食欲減退やつわりが起きたり、乳房や腹部が膨らむことがあるのです。犬の中には母乳が分泌されたりオモチャやぬいぐるみを手放そうとしないという行動が見られることもあります。偽妊娠は一度も交尾を経験したことのない女の子にも起こります。


【避妊手術のデメリット】
・全身麻酔のリスク
・避妊手術後は手術前よりも代謝エネルギー量が減る(20‐30%程度)ため、太りやすくなる傾向にある
 
※全身麻酔に関しては、術前の検査や検診を行なうことで、また太りやすくなることに関しては、手術後に食事の量を調節したり、適度な運動を続けたりすることでリスクが軽減できるといわれています。最近では避妊手術後用のカロリーを抑えた食事もあります。
これらのことを考慮した上で、避妊手術についてはかかりつけの先生と十分にご相談ください。

 

去勢手術

去勢手術は、外科的に男の子の精巣を摘出する手術です。一般的に手術は全身麻酔をかけて、精巣付近の皮膚を切開して行います。去勢手術を行うと男性ホルモンを分泌する精巣が無くなるために、男性ホルモンに関連して起こる病気や行動を抑えることができるといわれています。
なお、犬の男の子には発情期はなく、女の子が発情中に出すフェロモンを嗅ぐことによって興奮をしますので未避妊の女の子の犬が周辺にいる場合は、犬が反応する回数も多くなります。

【関連リンク】

避妊・去勢って必要?|アニコムユー


【去勢手術の時期】
犬の場合、犬種差や個体差はありますが、通常生後 6ヶ月から 10 ヶ月で性成熟を迎えるといわれています。手術は全身麻酔をかけて行うため、犬の体調が良好なときに行なうとよいでしょう。
また、手術後のケアや抜糸まで通院する必要などがあるため、飼い主さんも余裕をもって手術に臨むことが必要となります。
手術時期については、犬の体調や個々の成長の程度などが大きく関わってきます。検診をかねて一度、かかりつけの動物病院にご相談ください。

【去勢手術のメリット】
・放浪やケンカなどの行動を抑える
・攻撃性の低下
・マーキングやマウンティングの改善
※上記の行動はかなりの割合で抑えられるといわれておりますが、犬によっては効果がない場合も多くあります。マウンティングなどの行動は家族の中で犬がどのような状況にあるかという要因も大きいため、飼い主様がしっかりと主導権を握り、犬にとってたのもしい飼い主さんであることが重要となります。
・肛門周囲腺腫という腫瘍の発生率を低下させる
・前立腺の病気(前立腺肥大など)の発生率を低下させる
・会陰ヘルニアを予防できる
・精巣腫瘍を予防できる

※時々、精巣が陰嚢まで下りていない潜在精巣の犬がいます。潜在精巣の犬は精巣腫瘍のリスクが正常な犬の10倍以上高まるといわれています。子犬のうちに動物病院で問題がないか検診してもらいましょう。

【関連記事】

犬のマウンティングについて知ろう!(1)

肛門周囲腺腫 <犬>

前立腺肥大 <犬>

会陰ヘルニア <犬>
  
【去勢手術のデメリット】

・全身麻酔のリスク
・去勢手術後は手術前よりも代謝エネルギー量が減る(20‐30%程度)ため、太りやすくなる傾向にある
 
※全身麻酔に関しては、術前の検査や検診を行なうことで、また太りやすくなることに関しては、手術後に食事の量を調節していただくこと、適度な運動を続けることでリスクが軽減できるといわれています。最近では避妊手術後用のカロリーを抑えた食事もあります。

【関連記事】

家族を肥満から守ろう!(1) <犬>

乳腺腫瘍 <犬>

偽妊娠 <犬>

子宮蓄膿症 <犬>

【関連リンク】

避妊・去勢って必要?|アニコムユー

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※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。


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みなさんからのコメント

Comment
あいうえお
2022-08-04 10:54:27
お世話になります。

昨年避妊手術をした柴犬一歳雌についてです。
最近、食欲不信・些細な物音に敏感になる・不安で鳴いたり震えたりする等、発情期に当てはまる様な行動を取るのですが、避妊後でもこういった症状が発生するほどホルモンは分泌されるのでしょうか。
症状が出始めてすぐ最寄りの病院でレントゲン・血液検査など健康診断をして頂いたのですが、所見なしの精神的なものだと診断されました。
アニコム獣医師
2022-08-10 09:09:15
>あいうえお様
卵巣・子宮の摘出後は通常、発情につながるホルモンは分泌されませんが、たとえば、卵巣がほかの場所にも存在するような珍しいケースでは避妊手術後にも発情がみられることがあり、そのような可能性を疑う場合には、性ホルモン量を測定して判断することもあります。食欲不振や震えなどの原因にはさまざまなものが考えられるため、症状が続く場合には再度、主治医の先生にご相談なさることをお勧めいたします。
和菓子
2022-06-19 17:20:38
チワワで小さすぎて精巣が体内にあったままで去勢手術をしました。抜けていない歯もあった為、同時に獣医師さんが取ってくれたようです。
ですが戻ってから、以前と違って尿をする時に鳴いてします。バリカンで周囲を剃った後があったので傷ついたのでしょうか?毛も少し切ってます。
元気いっぱいだったのに何かに怯えて動いているので、後遺症なのか、怖い事をされた事を覚えていてなのか行動とも噛み合わなくて不安です。
アニコム獣医師
2022-06-22 09:31:14
>和菓子様
去勢手術後、排尿時に鳴いてしまう場合は術部の疼痛や違和感、その他結石や膀胱炎等の何らかの疾患が考えられます。
また、入院時のストレスや術部の痛み等から退院後に元気消失や何かに怯える仕草が見られることもございます。
同様の症状が続く場合は状況に応じて治療や検査が必要になることがございますので、受診し、担当の先生にご相談ください。
アニコム獣医師
2022-03-02 09:27:40
>くぅちゃん様
避妊手術をすると、ヒートを起こすホルモンの分泌がなくなるため、今後ヒートは起こらなくなります。体内のホルモン値が下がるにつれて出血の量も徐々に少なくなりますが、どのくらいの期間出血が続くかは、わんちゃんによっても異なります。もしも出血が続いたり、出血量が増える場合、ヒート以外の原因で出血している可能性もありますので、その場合はかかりつけの先生にご相談ください。

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