概要
Overview脳腫瘍とは脳に発生する腫瘍を総称したもので、最初に腫瘍ができた部位が脳であるもの(原発性の腫瘍)と、他の部位にできた腫瘍が脳に転移したもの(続発性の腫瘍)とに大別されます。原発性の脳腫瘍は、頭蓋内の組織を構成している細胞に由来します。
その中でも、脳実質(※)から発生するものと、脳実質以外から発生するものがあります。
続発性の脳腫瘍は、神経系以外に発生した腫瘍が転移する脳腫瘍と頭蓋組織周囲に発生した腫瘍が頭蓋内に浸み込むように広がってきたもの(浸潤)とがあります。いずれも、どうぶつは発作などの神経症状を示します。
※脳そのものが機能するために働く支持組織と区別して、脳そのものを脳実質といいます。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
原発性の脳腫瘍のはっきりとした原因は分かっていません。犬種、性別、年齢を問わず発生しますが、高齢での発生が多い傾向がみられます。
ボクサー、ゴールデン・レトリーバー、ボストンテリア、フレンチブルドックなどは好発犬種といわれています。
症状
脳腫瘍で最も多い症状は「発作」です。また、「意味もなくグルグルと一定の方向に回る行動を繰り返す(旋回運動)」、「体の平衡や姿勢 が保てない(運動失調)」、「首がねじれた状態になって姿勢をうまく制御できなくなる(捻転斜頸)」、「頸部知覚過敏」など、腫瘍がある部位により様々な神経症状がみられます。例えば、脳幹に腫瘍ができると平衡感覚の異常が見られますし、大脳の後頭葉に腫瘍ができると視覚異常を示したりします。また、腫瘍が大きい、あるいは急速に大きくなるような場合には、行動変化や旋回運動、頭部を押しつけるような行動、無目的な歩行や運動失調などの症状がみられます。 腫瘍が小さいうちは特段の症状がみられないことも多く、飼い主さんが犬の異常に気づいて来院した時には、既に腫瘍が大きくなっていることもありま す。
治療
脳腫瘍の治療は二つに大別されます。一つ目は腫瘍そのものを除去、あるいは減量する方法で、外科的な手術や放射線療法、化学療法などを行います。二つ目は支持療法といわれるもので、直接腫瘍にアプローチするのではなく、脳腫瘍により脳圧が亢進したり、脳の浮腫が起こっている場合に、薬を使って症状を軽減する治療法です。また、発作などの神経症状が見られる場合には抗てんかん薬などを用いて症状をコントロールします。
予防
原因がはっきりわかっていない病気であるため、予防をすることは困難です。
早期発見、早期治療が重要になりますので、上述のような症状がみられた場合には早めに動物病院を受診しましょう。
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もしかしたら、脳腫瘍ではないのではないか、それ以外の病気の可能性はないのか、そんな風に考えてしまいます。検査は、やっぱりリスクが高いのでしょうか。
我が子です。私にできることはしてあげたい。でも、どれの選択がいいのかわかりません。どうか、アドバイスをください。
脳の状態を把握することで、適切な治療やQOL向上につながる場合もございますので、必要であれば麻酔下で検査をすることもあります。ただ、神経疾患を持つ場合、脳の状態によっては、麻酔リスクが上がることも考えられるため、鎮静や無麻酔で可能な検査をする場合もあります。検査内容や実施の有無は、現在の状態や飼い主様のご意向も考慮し、慎重に検討する必要があるため、再度先生にもご相談ください。
抗てんかん薬に追加してステロイド剤をも服用するようになりました。本日、受診した際、特発性てんかんではなく、おそらく脳腫瘍の可能性が高いと言われました。検査をしたとしても、脳腫瘍は奥深い場所にあることが多いので、対症療法しか治療はないとのことです。当然のことで、どうしていいのか、わかりません。主治医の言うように、検査をせず、このまま対症療法を続けるべきなのか、悩んでます。