室内で放鳥していたはずが、何かの拍子に外へ出てしまう、移動の際にキャリーが開いて逃げてしまうなど、すべての鳥に迷子のリスクがあります。大切なわが子が迷子になってしまったら心配でたまらないと思いますが、飼い主は冷静になってできることをひとつずつやっていきましょう。

まずは名前を呼んで近くを探す

鳥は外に逃げてしまった瞬間はパニック状態・興奮状態にあって、飼い主の声が届かないかもしれません。ですが、数10m以上進んだところで、一度止まって安全を確認することがほとんどです。その際に飼い主の声が聞こえると、そちらの方に戻ってくる可能性があります。すぐに戻ってこなくても、あきらめずに大きな声で名前を呼んで探しましょう。飛んでいった方向を中心に、広めの範囲を捜索してみてください。

近隣の警察、動物愛護センターなどに連絡

迷子の鳥が発見されたとき、届けられる可能性が高いのは警察か動物愛護センターまたは保護センターです。近くを探しても見つからないときは、最寄りの警察署に問合せ、その時点で情報がなくても届出をしましょう。ペットは遺失物となるので遺失物届を出します。また並行して地域の動物愛護センター、保護センターにも問合せてみましょう。地域によっては市役所や保健所に連絡がいく場合もあります。

市町村や都道府県をまたいで移動する可能性があるときは、そちらの管轄の警察署、動物愛護センターや保護センター、保健所などにも連絡を。鳥は広範囲で移動することがあるので、逃げた場所から数10kmの範囲で探しましょう。

可能な限り情報を集めながら探す

連絡を終えたら、引き続き見失った場所を中心に探しつつ、可能な限り目撃情報や保護された鳥の情報を集めましょう。

インターネットで情報を集める

リアルタイムで多くの情報が得られるのは、やはりインターネットです。SNSで情報を拡散してもらうほか、ペット探しの掲示板なども利用できそうであれば掲載を依頼しましょう。SNSでは目撃情報が公開されていることもあるので、呼びかけるだけでなく目撃情報も検索してみてください。

インターネットを利用する際は、公開する情報の範囲に気をつけましょう。「見失った場所」、「飼い主の連絡先」、「鳥の特徴や写真」は必須になりますが、自身のアカウントで住んでいる地域を公開したくない場合は、専用のアカウントを開設します。また珍しい鳥の場合、飼い主になりすまして引き取ろうとする人があらわれる事例があります。自分が飼い主だとすぐに証明できるように、鳥の特徴の中でも写真では見えない部分やよくしゃべる言葉など、詳細は一部伏せておくのが賢明です。

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近隣で情報を集める

近所に動物病院やペットショップがあれば、そちらに情報が入っていることもあります。また、捜索用のポスターやチラシを置かせてもらえる場合もあります。見つかった際に連絡をお願いするのも一案です。そのほか、近所の人に目撃情報を聞いてみたり、施設やお店でポスターを貼ってもらえるよう頼んだりすることも考えられます。なお、ポスターを貼る場合は、必ず掲示する場所の所有者や管理者に許可を得てください。電柱に貼る場合も、所有する電力会社の許可が必要で、有料になる場合がほとんどなので、注意しましょう。

ペット探偵に依頼する

探す人が多いほど広範囲を探すことができます。迷子になったどうぶつを探すプロのペット探偵に捜索を依頼すれば、見つかる可能性が高くなると期待できます。

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それでも見つからないときは

上記の捜索は一度で終わらず、時間をおいて再度連絡して最新の情報を確認しましょう。それでも見つからない場合、思った以上に遠くへ移動している可能性もあります。範囲を広げて探してみてください。

鳥の迷子対策

鳥が迷子になってしまうタイミングは、放鳥、日光浴、外出のときが大半です。それぞれの対策や気をつけたいポイントについて解説します。

放鳥するとき

放鳥する前に必ず窓や扉が閉まっているか確認することを習慣づけましょう。網戸は風が強いと勝手に開いてしまうことがあります。鳥がやぶってしまうこともあるので、窓はなるべくガラス戸まで閉めておきます。放鳥中と気づかず、部屋の外から家族が扉を開けてしまわないように、放鳥中であることを知らせるドアプレートを用意すると安心です。そして放鳥中は鳥から目を離さないようにしてください。放鳥の時間は、鳥と飼い主が遊んでコミュニケーションがとれる貴重な機会です。なるべく一緒に遊び、1羽で集中して遊んでいるときも見守ってあげましょう。

日光浴のとき

ケージごと外に出して日光浴をしていると、鳥がケージの扉を開けてしまったり、風で倒れた際に開いたりして出ていってしまうことがあります。日光浴の間も側にいて鳥から目を離さないようにしましょう。日当たりの良い窓辺でも充分日光浴になる場合もあります。安全な環境で日光浴ができるよう工夫しましょう。

外出のとき

通院や預けるときなど、外出して移動する際に何かの衝撃でキャリーが開いてしまい、逃げてしまうこともあります。ロックをしっかり閉めることはもちろん、ナスカンなどで2重に対策しておくといいでしょう。

上記のほか、万一に備えて定期的に最新の写真を撮っておくと、いざというときに役立ちます。災害時に備えて印刷もしておくことをおすすめします。鳥さん専用の「アニコム防災手帳」を使えば、写真と合わせてプロフィールなどもわかりやすく記録しておくことができます。
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まとめ

家の外は鳥にはとても危険な場所です。迷子になったらまず名前を呼んで周囲を探し、できるだけ早く発見することを目指してください。

迷子の鳥が時間を置いて発見される場合、誰かに保護されていたケースがほとんどです。無事に再会できたら、保護してくれた方、探すことに協力してくれた方へのお礼や報告を忘れずに。ポスターもはがしておきましょう。

まれではありますが、何日も経ってから遠く離れた場所で発見されたケースもあります。なかなか見つからない場合でも、SNSの連絡先などはオープンにしたまま、あきらめずに連絡を待ちましょう。

ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしている。