鳥のおもちゃは本当にさまざまな種類があり、どれを選べばいいか迷ってしまいますね。「すぐに壊れてしまいそう」「買っても遊ばないかも」と不安に思う初心者さんもいるのでは。鳥のおもちゃにはどんなものがあるのか、またどうやって選べばいいのかを知って、楽しく選びましょう!

鳥におもちゃは必要?

鳥の種類によっておもちゃの重要度は異なりますが、特に好奇心旺盛で常に新しい刺激を求めているインコやオウムの仲間には欠かせないものです。インコやオウムは頭を使う必要がある複雑なおもちゃも好んで遊びます。最初はうまくいかなくても、何度もトライしてやり遂げる粘り強さももっています。逆にいえば、こうしたおもちゃの刺激がなければ退屈してストレスをため込んでしまいます。ストレスがたまると、大きな声で鳴く、人に咬みつく、羽毛を抜くといった問題行動につながることも。好奇心旺盛な鳥の心の健康のために、専用のおもちゃをそろえてあげましょう。

鳥のおもちゃの選び方は?

では、鳥のおもちゃはどのように選べばいいのでしょうか。答えは「その鳥の個性にあったおもちゃを選ぶ」こと。鳥の好みは千差万別。ほかの子がよく遊ぶおもちゃでも、その子が気に入らなければまったく遊びません。逆に好みがぴったりのおもちゃがあると、喜んで繰り返し遊びます。鳥の様子をよく見て、その子に適したものを選びましょう。どんな子にどんなタイプのおもちゃが合うのか、次で解説します。

鳥のおもちゃはどんな種類がある?

鳥のおもちゃは多種多様で分類するのも難しいほどですが、遊び方で大まかにわけると次のようなものがあります。

かじって遊ぶおもちゃ

どんな子にもまず用意したいのが、かじって遊ぶおもちゃ。クチバシでかじってちぎり、壊すことを楽しむものです。かじることが好きな子はとことん楽しめますし、家の中の物やとまり木をかじって壊すイタズラ防止にもなります。またクチバシを削る効果が期待できるものもあります。

素材はワラや木などの天然素材で作られています。吊り下げ式が大半で、形はボール型やドリームキャッチャーのようなものなどさまざま。かじり心地で好みが分かれるので、いろいろなタイプを試してみてください。鳥にとって大切なのは、デザインより質感。素材がちがうものをいくつか用意してお気に入りを見極めましょう。

遊ぶ目的が破壊することなので、すぐに壊されるものです。あっという間に壊れても、選び方を失敗したわけではありません! すぐ壊れた=鳥が気に入って楽しんだということ。消耗品と考えて、壊れたら別のものと交換を。鳥が口にしても安全な素材で手作りしてもいいでしょう。

音が出るおもちゃ

つつくと音がでる鈴などがついたおもちゃです。マラカスや木琴型のものもあります。このような音を出して遊ぶおもちゃも、大半の鳥が気に入ります。飼い主が音に反応したり、一緒に演奏したり歌ったりして楽しく遊ぶこともできます。使い方がわからない様子があれば、飼い主が音を出して遊び方を見せてあげましょう。

体を動かして遊ぶおもちゃ

はしごやブランコなど、ぶら下がったり、揺らしたり、登ったりして遊ぶおもちゃです。こちらは体を動かすことが好きなアクティブな子におすすめ。吊り下げられるものをケージにかけておくと、ケージの中でも上下運動をして体を動かすことができます。放鳥時にはしごやブランコなどがセットになったアスレチック型のおもちゃで遊ばせても。ペダルをこいで車輪を回す自転車のようなタイプや、小鳥用のスケートボードなどもあります。

姿が映るおもちゃ

鏡のような自分の姿が映るものも、鳥にとっては楽しく遊べるおもちゃです。鳥は鏡に映る姿を自分ではなく、仲間だと思っています。鏡の中の仲間がいつも同じ動きをすることがうれしくて、夢中になって遊ぶことがあります。留守番中も楽しめるのでケージに入れておいても。こちらは特に1羽で過ごす時間が長い子、さびしがり屋な子におすすめです。

ただ、鏡の中の仲間に愛が深まりすぎると発情してしまうことがあります。鏡に向かって吐き戻し(相手に吐き戻したものを与えるのは鳥の愛情表現)を始めたらやめさせましょう。

知育のおもちゃ

頭を使って考えながら遊ぶおもちゃです。知恵の輪や隠されたおやつを探すタイプが代表的。型はめ、輪投げ、ねじまわしなど人間の赤ちゃんのおもちゃのようなものも。こちらは知的好奇心が高い子におすすめです。その子にとって簡単すぎず、難しすぎないものを選ぶのがポイントです。

鳥のおもちゃはどのくらい必要?

特に若い鳥では、気に入ったおもちゃでも、ずっと同じもので遊んでいると飽きてしまうことがあります。小鳥の場合、交換の目安は1週間ごと。4〜5個のおもちゃを常時遊べるようにしておけば、鳥の好奇心を充分満たすことができるでしょう。週に一度はおもちゃの状態をチェックして、壊れて遊べないものは処分、それ以外もお手入れをしてしまっておき、別のおもちゃと交換してください。鳥用のおもちゃ箱を用意しておもちゃをいくつもストックしておくと良いでしょう。

用意したおもちゃで遊ばないときはどうする?

用意したおもちゃが鳥の感性にあわなくて遊ばない、ということも珍しくありません。だからといって、すぐに処分しなくても大丈夫。警戒心が高く、興味を持つまで時間がかかる子もいます。まずはケージの外に置いて慣れてもらいましょう。また、隠しておいて発見させたり、飼い主が楽しく遊ぶところを見せたりすると、関心を持って遊び始める可能性があります。

すぐに飽きてしまったら?

鳥がわざとおもちゃを床に落とすのは「飽きました」のサイン。ですが、それを飼い主が拾い上げて戻すと、落とすことを楽しむ遊びになる場合も。ひっぱりあったり、交代で移動させたりすることも立派な遊びに。単独で遊ぶことに飽きても、飼い主が一緒に遊んだり新しい遊び方を教えたりすると、また熱中して遊べる可能性があります。

まとめ

おもちゃ選びは悩ましい面もあるものの、わが子の喜ぶ姿や一緒に遊べることを考えるとわくわくしますね。ほとんど遊んでくれない場合もあるかもしれませんが、気に入らないおもちゃが分かればわが子を知ることにつながります。あまり難しく考えず、おもちゃ選びを楽しんでくださいね。

ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしている。