2024年2月29日

アニコム損害保険株式会社

「N-NOSE®わんちゃん」利用後のがん診療について追跡調査を実施
ペット保険の保険金請求データ活用により、獣医療・人医療双方に対する貢献へ

アニコム損害保険株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:野田 真吾、以下 当社)は、株式会社HIROTSUバイオサイエンス(代表取締役 広津 崇亮、以下 HIROTSUバイオサイエンス)が販売する愛犬用がんのリスク検査「N-NOSEわんちゃん」利用後のがん診療に関する追跡調査を行いましたのでお知らせいたします。
人医療の場合、がんを含め診療情報は個人情報・センシティブ情報の観点から取扱いが難しいのに対して、当社はどうぶつにおける診療情報を保険金請求データとして網羅的・横断的に保有していることから、今回の「N-NOSEわんちゃん」利用後の調査が可能となりました。こうした調査結果を得られることは、獣医療のみならず、将来的には人医療へも貢献できる可能性があると考えられます。

■「N-NOSEわんちゃん」について

「N-NOSEわんちゃん」は、自宅で採った犬の尿を提出するだけでがんのリスクを調べられる、簡単かつ犬の体に負担をかけない検査です。犬の平均寿命は2008年の13.2歳から2021年には14.2歳※1と年々延びている一方で、がんにかかる犬も増えています。老衰や加齢に伴う慢性疾患を除くと、6歳以上の犬の死因はがんが最も多くみられており※2、健康寿命を延ばすには、がんの早期発見・早期治療が重要です。

そこで当社はHIROTSUバイオサイエンスと連携し、「N-NOSEわんちゃん」を利用した犬883頭※3について、保険金請求データを用いた追跡調査を実施しました。

※1:アニコム『家庭どうぶつ白書 2023』より
※2:当社調べ/犬・猫6歳以上の死亡原因を集計
※3:「N-NOSEわんちゃん」のリスク判定後に、動物病院での診療を受けていない・あるいは動物病院での診断が確定していないケースを含む

■追跡調査の概要

当社に契約している犬のうち、2023年6月中旬~9月中旬の間に「N-NOSEわんちゃん」を利用した883頭を対象に、リスク判定後のがんによる保険金請求状況を調査しました※4。「N-NOSEわんちゃん」の判定結果は、最もがんのリスクが低いとされるA群が377頭で、次にリスクの低いB群が197頭、C群167頭、D群95頭、E群47頭となりました。これを基に各群のがんによる保険金請求率※5を見たところ、リスクが低いと判定されたA~C群の請求率は1.8%、高リスクと判定されたD,E群の請求率は6.3%でした。

※4:当社の保険金請求データを基に集計。2022年1月1日~2023年12月31日のデータを利用し、診断名に腫瘍が含まれる保険金請求(検査結果開示前からの継続治療、過去治療歴のある再発疑いの治療を含む)を調査した。
※5:以下の条件に当てはまる請求があった頭数の割合。
   ・腫瘍での手術の保険金請求があること
   ・5回以上腫瘍での継続的な保険金請求があること

■獣医療から人医療への貢献を目指して

寿命が短いどうぶつは、人と比べて4~6倍の速さで生きていると言えます。そのため獣医療の診療情報は、人医療のそれと比較して、短期間の集積データであっても十分信頼に足る分析が可能となるといった特性があります。「N-NOSEわんちゃん」は2023年6月に販売を開始しましたが、今回の追跡調査はその半年後である同年12月末までの保険金請求データの分析によって実現しました。比較的短期間に振返りを行うことで、サービス改善を目指すことができると考えています。
また、人では個人情報・センシティブ情報として扱いが難しい診療データについても、どうぶつの診療情報の場合は比較的容易に取り扱うことが可能なため、多面的な統計分析や追跡調査が可能となる側面があります。
当社では、今後もペット保険の保険金請求データをはじめとする各種情報を活用することで、どうぶつの健康だけでなく、飼い主様の健康にも貢献できるよう尽力してまいります。

【お問い合わせ先】
アニコム損害保険株式会社 広報担当
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