
小柄で愛らしく、近年人気が高まっているマメルリハ。一体どんな鳥で、飼うときはどんなことに気をつければいいのでしょうか。マメルリハと暮らしたい!と思ったときに知っておきたい、特徴や飼い方のポイントを紹介します。
マメルリハってどんな鳥?
マメルリハは「世界最小のインコ」といわれる小型のインコ。ルリハインコ属の仲間で、野生では中南米の太平洋沿岸に生息しています。漢字では「豆瑠璃羽」と書き、「小さなルリハインコ」という意味になります。美しい羽とやさしい鳴き声に魅了される人も多く、活発な性格でパワフルに動きまわることでも知られています。
マメルリハの特徴は?
マメルリハの体長は13cmほど。よく飼われているセキセイインコが体長20cm前後なので、ひと際小柄なインコです。尾羽は短めですんぐりとした体型をしています。
基本のカラーは鮮やかなグリーンですが、ブルー、イエロー、アルビノなど、色変わりと呼ばれるカラーバリエーションもあります。
インコの中では珍しく、性別の区別がつけやすいという特徴もあります。男の子は目尻の上にアイシャドウのように青色の羽が入っていますが、女の子にはありません。また、男の子は一般に風切り羽と腰の部分にはっきりした瑠璃色が入ります。ルチノーやアルビノなどのカラーでは、男の子の特徴的な青い部分の色が抜けるため、色変わりのタイプによっては、外見的な性別判定が難しいこともあります。
※色の出方には個体差があります

マメルリハはどんな性格?
マメルリハは、とても活発で、飛び回ったり壁を登ったりと動いて遊ぶことが大好き。好奇心旺盛でおもちゃでもよく遊び、ものをつつくことも大好きです。
基本的にはおとなしく、マイペースに過ごしますが、喜怒哀楽・好き嫌いははっきりしていて、自分の気持ちをわかりやすく表現してくれます。そんな性格から、飼い主によく懐いていても、ほかの家族には攻撃的になる場合も。マメルリハ同士でも、ペアとは仲良くなっても、ほかの相手には攻撃的になる場合があるため、同じケージで複数を飼うことはできません。
他の種類の鳥に対する攻撃性が出ることもあります。マメルリハは小型ではありますが、フィンチ類などほかの鳥との雑居・混合飼育は避けましょう。

鳴き声は?
鳴き声は小さい方です。とはいえ、さまざまな声でよく鳴きます。とくに男の子は独り言のようなさえずりが多い傾向にあります。お迎えする前に、同居の家族には必ず同意を得ておきましょう。
おしゃべりはできる?
セキセイインコほど上手ではありませんが、おしゃべりをする子が多いです。生活の中でよく聞く音を真似することもあります。
マメルリハの寿命は?
マメルリハの寿命は15~20年ほどといわれています。お迎えする前に最後まで責任を持って面倒を見ることができるか、よく検討しましょう。
飼う前に知っておきたいこと
マメルリハに限らず、小鳥は香水やアロマ、柔軟剤など香りの強いものや、調理で発生する煙で具合が悪くなることがあります。香りが強いものをマメルリハがいる部屋で使わない、キッチンのそばにケージを置かないといった配慮が必要です。
毎日のお世話も欠かせません。旅行などでお留守番をしてもらうことはできないので、1日以上家を空ける場合は誰かに預けるか、お世話に来てもらう必要があります。
また鳥を診てもらえる動物病院は限られています。もしものときにすぐに受診できるよう、飼う前にかかりつけとして通える動物病院を見つけておきましょう。
マメルリハは噛む子が多いようです。怒ったときだけでなく、じゃれるつもりで噛むこともあります。クチバシの力が強いので、噛まれるととても痛いことは覚えておきましょう。室内のものをクチバシで壊すこともあります。壊されたくないものは片付ける、保護をするなどして環境を整えて飼うことが大切です。
いつからお迎えする?
一般に鳥はヒナから飼う方がよく懐き、手乗りになるといわれます。マメルリハはヒナからでも育てやすいといわれますが、そのお世話は成鳥よりずっと手間がかかります。ヒナの体温が下がらないように保温し、数時間おきにお腹の空き具合を見ながら「さし餌」をする必要があるのです。鳥飼育の初心者はさし餌が終わった後からお迎えするのがおすすめ。
本来の巣立ちは、孵化後30日くらい以降といわれています。巣立ちの頃、自分でごはんを食べはじめ、成鳥と同じ食事へ移行していきます。止まり木につかまることができ、自分で食事をついばめるようになると、飼育容器も成鳥と同じになります。この頃から飼い始めても、丁寧にお世話をしてコミュニケーションをとればスムーズに懐いてくれるでしょう。
マメルリハの飼い方
マメルリハとの暮らし方や気をつけたいことを知っておきましょう。
必要な飼育用品
マメルリハの飼育には次のものが必要です。
◆ケージ…小さくてもアクティブなので各辺が35cm以上のバードケージが必要です。
◆水入れ・エサ入れ…ケージに付属していることがほとんどです。洗浄や消毒をする間の予備も用意するといいでしょう。
◆止まり木…止まって休める場所としてケージに取り付けます。ケージに付属していることもあります。ケージサイズが十分に大きければ、シンプルな水平の止まり木以外に樹皮のついた自然木も入れてあげると、活発な運動や爪の磨耗を促すことができます。
◆水浴びをする器…水浴びをするためにケージに取り付けます。バードバス)とも呼ばれます。
◆おもちゃ…退屈しないようにケージ内にもおもちゃをいくつか入れておきましょう。かじって遊ぶおもちゃのほか、ブランコも喜びます。
◆保温器具…小鳥は寒さに弱いので、バードヒーターや保温電球、サーモスタットといった保温器具もそろえておきましょう。普段は加温なしで飼育できる場合でも、体調不良時の加温に役立ちます。
◆温湿度計…温度管理のためにケージやその近くに設置します。
◆キャリー…通院や避難に使用するキャリーもあらかじめ用意を。
◆ナスカン…脱走対策で使用します。ケージの扉をくちばしで開けてしまうことがあるため、鍵としてつけます。ステンレス製がおすすめです。
このほか、ケージの床に敷く紙(新聞紙やキッチンペーパーなど)またはペットシーツ、掃除道具、体重測定のためのキッチンスケール、爪切りなども必要になります。ケージカバーがあると、夜間にケージ内を暗くでき、マメルリハがゆっくり休めます。青菜を与える場合はその容器(菜差し)も用意しましょう。
環境の準備
ケージはリビングなど、なるべく飼い主のそばで様子が見える場所に置きましょう。テレビの隣など騒がしい場所は避けてください。
適温は20~28℃くらいといわれています。エアコンなどで室内の温度を調整したうえで、ケージ内の温度を温度計で確認しましょう。寒さに強いといわれますが、最低でも15度以上を保つ必要があります。快適に過ごせるように成鳥でも冬はバードヒーターや保温電球などで保温をしてあげましょう。
日光浴も必要です。1日30分ほどを目安に、日光が当たる窓辺にケージを置いて日光浴をさせてあげましょう。紫外線によるビタミンD3の活性化のことを考えると、ガラス越しではなく、網戸越しの光がおすすめです。ケージの一部に日陰を作ったり、日光浴中はケージから離れないなど、熱中症にも気をつけてあげてください。
マメルリハは何を食べる?
食事はペレットもしくはシード(キビやアワ、ヒエなどを混合したもの)がメインになります。シードをメインにする場合は野菜やボレー粉やカトルボーンなどを副食としてプラスします。
マメルリハは偏食傾向が強く、油脂の多い麻の実など、嗜好性が高い特定のシードに執着する個体もいます。できるだけ色々なシード類を与えるようにしましょう。ペレットを食べない場合、完全シード食だと栄養バランスが不足するので、生育期や体調にあわせてサプリメント類も併用してください。
慣れない食べ物は受け付けないことがあるので、飼いはじめはお迎えするショップで食べていたものと同じものを準備して与えましょう。食事内容を変更したいときは環境に充分慣れてから、様子をみながら行ってください。
お世話は何をする?
毎日のお世話はごはんを入れること(1日1回)と、お水の交換(1日2~3回)、ケージの掃除です。掃除はケージの床に敷いた紙を交換し、フンで汚れた場所をきれいに拭き取ります。1日に30分~1時間はケージから出して一緒に遊びましょう。その際、何かの下に潜り込むことや、急に足元に飛んでくることがあります。うっかり踏んだり蹴ったりすることがないよう、充分注意してください。
お手入れは何をする?
頻度はその子によって異なりますが、定期的な爪切りが必要です。飼い主自身で行うことが難しい場合は動物病院でお願いすることもできます。

まとめ

マメルリハは「小さな体に大きなオウムの心が宿っている」といわれるほど、小さいながらも情熱的でたくさんの刺激と愛情を必要とする鳥です。マメルリハのことをよく理解したうえでお迎えしましょう。家族になって仲良くなれば、飼い主にも大きな愛を向けてくれるでしょう。